アメリカの高校生が始めた新しい銃規制へのムーブメント

記事タイトルとURLをコピーする

皆さん、こんにちは。


カリフォルニアオフィスの臼坂です。


今日は、先日ブログで書いた「アメリカの銃規制」に関連し、3月24日に全米だけではなく全世界的な規模で行われたデモ“March for Our Lives”に関して書きたいと思います。

March for Our Lives

March for Our livesは、3月24日に実施された銃規制に関するデモ行進でした。


デモ行進は全米各州の主要都市だけではなく、世界的な規模で行われましたが、一番主要なデモはホワイトハウスや国会議事堂があるワシントンDCにて行われました。


ちなみに、ワシントンDCには約80万人が集まり、銃規制に対して抗議のデモ行進が行われました。この80万人という規模の人が集まったデモ行進は、アメリカの歴史上初のことだったということです。


テレビのニュース番組などで見ていても凄まじい数の人が集まっていることが良く分かり、今回のデモ行進の規模の大きさに驚くとともに、銃規制に関して大きな波が来ていることを感じました。


デモ行進では、「Protect Lives, Not Guns」(銃じゃなく、命を守れ)や「Fear has No place in our schools」(学校に恐れは必要ない)といったサインを持っている人々が多くいました。

また、ワシントンDCのMarch for Our Livesのデモ会場では、大きなステージが設置され、今回のデモの主催者であるStoneman Douglas高校の生徒たちのスピーチが行われ、銃規制に対する強い要求と変革を訴えました。


スピーチで印象に残ったのは、「アメリカ政府は、現実を直視しようとせず、何も変えようとしない。そんな政府はいらない。僕ら十代は何にもできないと思っているかも知れないけど、僕らにも世界を変えることができることを証明する!」という訴えが多々あったことです。


心の底から変革を願い、そして実際に行動を起こす、とても高校生とは思えない強い意志を感じるとともに、実際に銃による被害を受けた人々の経験に基づいた言葉は、本当に強いものだと改めて感じました。

デモ行進への道のり

このデモ行進は、フロリダ州にあるStoneman Douglas高校の生徒たちが全米中に呼びかけ、実施されたデモ行進です。このStoneman Douglas高校は、先日のブログでも書きましたが、2月14日に起きた銃乱射によって17名の尊い命が失われた高校です。


この高校生たちは、ただ単に悲しみくれるのではなく、犠牲になった友人達のために、そして今後こういったことをなくすためにどうしたら良いのかを考え、世界を変えようと実際に行動に移しました。このような考えや行動は、アメリカならではかなと思います。


そして活動資金に関しても、Crowdfunding を利用して寄付金を集めたり、SNSやホームページを作成して人々への寄付の呼びかけを行いました。


驚くべきことに、Crowdfundingだけでも$3.5 million(約3.9億円)の寄付金を集めるとともに、様々なセレブからも多額の寄付($2 million(約2.2億円)を集めるに至っています。

驚異的なところは、2月14日の銃乱射事件があってから、38日という短期間の間に資金集めから、デモ行進の実施までに至った点です。


当然のことながら、学生たちだけではなく、様々な人々や団体、企業がサポートすることにより成し遂げられたことではありますが、それにしても本当に規模が大きく、高校生が中心となって発生した活動とい点では、本当に驚くばかりです。

最後に

これだけ見ても凄いことなのですが、事件がなければ普通の高校生だった彼らが、事件をきっかけにして、これだけの資金や人を動かし、アメリカ政府自体を本気で変えようとしている姿は、見習うところが多々あります。


「まず意思を決めて、それに対して実際に行動をおこす。」これが物事を動かすために必要なことであるということを改めて学びました。


また、このインターネットが普及し、そしてソーシャルネットワークが普及している現在、強い意思と活動力を持ってさえいれば、年齢に関係なく、様々なことが行える環境が整っているということも改めて感じました。


アメリカのコマーシャルで、「インターネットの革新によって、今、君たちは昔の人が手にしたことのないような力を与えられている」と言っていたことを思い出します。


今回のMarch for our Livesによって、そして彼らの強い意志をもった継続的な活動を通じて、しっかりとした銃規制が布かれるとともに、今後、同様の銃乱射事件がアメリカから無くなることを祈っています。