こんにちは。
カリフォルニアオフィスの臼坂です。
今回のブログでは、先日参加してきた「Blockchain」に関するカンファレンスについて書きたいと思います。
開催場所と参加者
開催場所は、サンフランシスコ市内にある「galvanize」というCo-working/Learning centerで行われました。
入り口を入ると受付があり、そこで名前を伝えたあと、エレベーターを使って3階のカンファレンスルームに行きました。
カンファレンスルームには机が並べられ、16名程度が座れるような設定になっていました。
しかしながら、実際の参加者数は、40名を超えていたため、急遽、椅子を追加して対応をしていました。
またカンファレンスがお昼だったこともあり、インディアンフードの昼食もビュッフェ形式で用意されていました。(美味しかったです。)
参加者は、主にBlockchainを学びたいという初心者(私を含め)の人で、実際のデベロッパーの参加者は数名でした。
ちなみに、隣に座った参加者は、アシアナ航空のパイロットで、サンフランシスコのフライトで来て暇だったから、今世間をにぎわせているBlockchainについて勉強しようと思って参加したという人でした。。。色んな人がいるものです。。。
First Step with Blockchain
このカンファレンスは、IBMが主催者となり「First Step with Blockchain」ということで、Blockchain初心者向けのカンファレンスでした。
まず最初に、「ブロックチェーンがどのように機能しているのか」ということに関して、天然の魚を例に使って説明がありました。
天然の魚が消費者に行きつくまでに、漁師、加工業者、流通業者、販売店の手を通るため、何の情報もなければ、購入した魚が本当に天然だと消費者が信頼(”Trust”)するのは難しく、また加工業者、流通業者、販売店においても、何の情報もなければ天然であると信頼することは難しい。
でも、次のような情報を皆でシェアできれば、「消費者は天然の魚であると信頼ができるのではないか。」ということで、説明がありました。
- 海で捕獲した際に、その魚を捕獲した日時、誰が捕獲したか、船の名前などを魚に対して記録・管理し、その情報を加工業者に渡す。
- 漁師から受け取った魚に対して、加工業者で加工工程を記録・管理し、漁師の情報に追加する。
- 流通業者が、加工業者から受け取ってからの流通経路や販売経緯を記録・管理し、加工業者の情報に追加する。
- 販売店が、流通業者から受け取った魚の情報を消費者に提示するとともに、消費者が、その魚が捕獲されてから店頭に並ぶまでの情報を確認できる。
各ステップで、貰った情報の書き換えができないようにすることにより、トレーサビリティを担保するということができるという説明で、Blockchainはこういったトレーサビリティを可能にすることにより、ビジネスのネットワークに参加する異なった参加者間で”TRUST”(信頼)を構築することを助けることができるというものでした。
非常に分かりやすい説明だなと思います。
Blockchainの種類と特徴
Blockchainには” Public Blockchain “と” Private Blockchain” があり、” Public Blockchain” は、Bitcoinに代表される仮想通貨の基盤で使用され、下記のような特徴があります。
- 誰に対してもオープン(参加も、情報も)
- 膨大なコンピューティング能力が必要
- 参加者へのインセンティブが必要
一方、”Private Blockchain” は、下記のような特徴とのこと。
- ネットワークに参加するのに許可が必要
- コンピューティング能力はそれほど必要ない
- 仮想通貨は基本的に必要ない
- トランザクションは、プライベートな形で保持できる
Blockchainの可能性
IBMでは、Hyperledger FabricというBlockchainの基盤を使ったPrivate Blockchainを開発し、Walmartとともに試験運用を提供しているという説明がありました。
記録の書き換えができず(”Immunity”と言う言い方をしていました)、基の情報に記録を追加していくことにより情報のトランザクションのトレーサビリティと信頼性を担保するという考え方は、ビジネスの世界では様々な可能性が秘められているなと思いました。
冒頭の説明があった食品関連だけでなく、産業用・工業用の材料であったり、精密加工製品、契約書やビジネス文書、商取引に至るまで、第三者同志がビジネスに関わる分野全てにおいて、活用できる技術なのではないかと思いました。
最後に
今回のカンファレンスでは、Blockchainの基本的な考え方のようなものを学ぶことができ、Blockchainに関して金融関連向けのソリューションという先入観があったのですが、そうではなく様々なビジネス領域での大きな可能性があるということを理解しました。
まだまだBlockchainの技術は課題があると思いますが、これからの技術革新を経て様々な分野でその技術を使ったソリューションが展開されていくと思います。
これからも興味を持って見ていきたいと思います。