カスタマーサポート課の伊藤です。
サーバーワークスZabbixスペシャリスト 九龍として今年は日本語だけではなく、
英語でもZabbixのノウハウを発表して、ラトビアのConferenceを目指したいと思います。
まだ公式販売は行われていませんが、Zabbix Japan の寺島さんが紹介しているZabbix対応センサーキットを入手しました。
弊社のBlogを訪れる方で「IoT」と言えばAWS IoTがまず頭に浮かぶと思いますが、今回は
ネットワークやシステム監視ソリューションであるZabbixで、センサーデータを扱います。
今回は、このセンサーキットを使ったNW機器設置環境の環境情報をZabbixで収集する手順をご紹介いたします。
ZabbixではSNMPやIPMIでネットワーク機器やサーバハードウェアの情報を収集できますが、
今回のキットを使うことで、合わせてそれらの機器の設置環境の情報を収集、判断することができるようになります。
センサーキットのマニュアルページはこちら
機器構成
コントローラー
コントローラーはSNMPv1および、Zabbix(アクティブ)エージェントに対応しています。
コントローラーにはUSB miniB端子で給電を行い、ネットワークケーブルとセンサーを接続します。
センサー
FLS-THP 温度・湿度・気圧センサー
温度、湿度、気圧を収集するセンサーです。コントローラーとはカテゴリ5以上のUTPケーブルで接続します。
UTPケーブルにより、通信と電力供給を行います。
通信プロトコルはTCP/IPではないため、コントローラーとセンサーの間にスイッチやハブを挟む事はできません。
FLS-T15 温度センサー1.5mケーブル
UTPケーブルの先端が温度センサーになっているセンサーです。ラック搭載機器の付近など
狭い場所の温度を測定することができます。
初期設定
IP設定
コントローラーのIPアドレスを設定します。コントローラーの初期IPは 192.168.1.100/24 に設定されています。
作業用端末を192.168.1.x/24に設定し、[ETH]と記載されたポートに接続します。
http://192.168.1.100 にアクセスすると初期画面が表示されます。
http://192.168.1.100/unlock1234 にアクセスすることで、管理画面へのアクセスロックが解除されます。
ロックを解除したら http://192.168.1.100:8080 にアクセスし、設定を行います。
[IP Setings]で設置するネットワークに合わせた固定IPを設定するか、あるいは[Network Options] で[DHCP Enable]にチェックを入れ、NetworkのDHCP設定を有効化します。
Zabbix Agent 設定
[Active Agent Settings] で[Active Agent Enabled] にチェックを入れ、接続先のZabbix Serverの情報を入力します。
また、Zabbix Agentに設定するHost Name も設定します。
センサー接続
コントローラーの1Wと書かれたポートにセンサーを接続します。複数のセンサーを接続する場合は、分配コネクタを利用して接続します。
カスケード接続も可能です。
センサー設定
センサーを接続したら、IPアドレス設定の時と同じように、コントローラーの管理画面に入ります。
[Senser Config] を選択します。
[New SN] の16桁のセンサーID( 421125170122151C の部分)をコピーします。
コピーしたセンサーIDを[Stored SN] に貼り付け[Submit]で保存します。
センサー確認
センサー設定が終わったら、コントローラーのTOP画面を確認します。
登録したセンサーの値が表示されるようになります。
Zabbix への登録
Zabbixは構築済みとします。
Zabbixの構築手順はこちらの記事を参照してください。
ホスト登録
センサーキットはZabbix Agentとして動作するので、エージェントインターフェイスにIPアドレスを登録してホスト登録します。
アイテム登録
エージェントタイプを「Zabbixエージェント(アクティブ)」として登録します。
各センサーのアイテムキーは次のようになります。
センサー種別 | キー | データ型 |
---|---|---|
温度センサー | temp.N | 数値(浮動小数) |
湿度センサー | hum.N | 数値(浮動小数) |
気圧センサー | press.N | 数値(浮動小数) |
接点センサー(AコネクタON/OFFステータス) | in.a.N | 数値(整数) |
接点センサー(AコネクタON回数) | cnt.a.N | 数値(整数) |
接点センサー(BコネクタON/OFFステータス) | in.b.N | 数値(整数) |
接点センサー(BコネクタON回数) | cnt.b.N | 数値(整数) |
(Nはコントローラーの[Stored SN] の01,02...08に対応)
センサーデータの確認
アイテムを登録すれば、Zabbix でセンサーデータが収集されます。
まとめ
このセンサーユニットは、有線接続なので、無線接続で大量に配置するような用途には向きませんが、ネットワークラックなど、IT機器の近くの環境データを組み合わせて取得する場合には、有効な手段となります。
次回は今回収集したデータをgrafanaで表示し、AWS IoTのデータと組み合わせる方法をご紹介したいとおもいます。