電子工作初心者が初めてセンサーに手を出してみた話

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こんにちは、技術1課の中村です。

突然ですが、私の趣味は家をスマートハウス化することです。
スマートハウスとはちょっと違いますが、Tony Starkのオフィスめちゃくちゃ格好いいですよね。
将来はあんな家に住みたいです。

参考: ironman office hologram【検索】

ということで、Tony Starkのオフィスに少しでも近づくため、
去年は音声認識で家電やPC(mac)を動かすことに力をいれて取り組んでいました。 
その結果、ベッドから動かずに声だけで色んなことができる、「人をダメにするベッド」ができあがりました。

スマートですね。

本題

さて、世はまさにIoT時代となりつつあります。

Raspberry PiやEdisonなどのシングルボードコンピューターが流行ったり、
LittleBitsやBttnなどの面白いプロダクトが、IndiegogoやKickStarterにどんどん出てきています。

これにより、センサーやボタンをあらゆる所に配置することにできるようになりました。 
あらゆる所に配置することはできるのですが、一つ課題があります。

電源の確保です。

製品によっては電池で稼働もさせることもできますが、
電池の消費が激しいためUSBで給電することが多いと思います。

家中をセンサーだらけにしてステキな体験ができたとしても、
そこらじゅうにUSBケーブルが這っていたら、あまり格好良くはないですよね。

というわけで、小さくて、電池で長く使うことができる夢のようなセンサーを私は探していました。

それは日本にあった

そこで見つけたのが、東京コスモス電機ワイヤレス事業部(TOCOS)様が提供している TWE-Lite シリーズです。 
親機と子機の間で通信が可能で、これにセンサーを組み合わせることで
センサーから取得したデータを親機に送ったりすることができるようになります。
しかも送信間隔を調整すれば、ボタン電池1つで数年動作するというのです。
ちなみに無線はZigBeeという規格を使用しています。

補足: ZigBeeの話
ZigBeeとは、省電力で動作する無線規格です。IEEE 802.15.4上で動作します。
消費電力が低く、ネットワークへの接続時間が速いことから、ワイヤレスセンサーネットワークに最適化された仕様になっています。

なんということでしょう!
これなら家中にセンサーを置ける!と私は確信しました。 実際に、TWE-Liteとマグネットスイッチを組み合わせて、ドア開閉センサーを作成しているような方もいます。 
ボタン電池1個で数年持つ無線ドア開閉センサを作る(Qiita)

ハードウェア(電子工作)という高い高い壁

私は先ほど紹介したQiitaの記事を読んで絶望しました。 
電子工作をしたことがない私にとっては、記事の全てがわからなかったのです。 とはいえここで諦めるわけにもいかず、電子工作の勉強を始めました。 
抵抗は何のために使用するのか、ブレッドボードの穴はどのように繋がっているのか、
プルアップとは何か、等…。 しかし、いまいち理解が進まない事と、一通り揃えるとそこそこのお値段になる事から、
購入に踏ん切りがつかず、そのまま電子工作(TWE-Lite)に対するやる気は蒸発していってしまいました。

突如現れた新製品「トワイライトニコニコ」

そんな私(アナタ)のための新製品がこちらです。 
IoT無線タグ TWE-Lite-2525A(トワイライトニコニコ) こちらの製品はアンテナ、無線モジュール、ジャイロセンサー加速度センサーがセットになった製品で、
さらにアプリケーションも書き込み済みのため、すぐに使い始める事ができます。
具体的にどんな事ができるのか、ということについては以下の節で紹介します。 実は半田付けが2箇所必要なのですが、逆にいえば電子工作系の作業はこれくらいです。
電子工作未経験の私でも簡単に使い始めることができました。

買ったもの

というわけで買ったものを紹介します。(左が子機で、右が親機です)  tocos

TWE-Lite-2525A (トワイライトニコニコ)

超小型無線マイコンTWE-Liteにコイン電池ホルダと3軸の加速度センサーを小型な25 x 25 mmのワンパッケージにしたものです。専用の平面アンテナ(TWE-AN-P2525)が付属します。コイン型電池(CR2032)を入れると動作を開始します。そのままビーコンとして使用したり、加速度センサーの各種機能を使用して様々なモノの状態を検知し無線送信できます。

引用: TWE-Lite-2525Aより これが子機になります。 
3軸の加速度センサーを搭載していて、加速度を取得できるほか、
以下のイベントを検知して無線で通知することもできます。

  • 動き始め
  • 静止
  • 自由落下
  • シングルタップ
  • ダブルタップ
  • シェイク

TocoStick (トコスティック)

ToCoStick(トコスティック)はUSBで機器に手軽に簡単に接続できるUSBドングルです。 
無線モジュール TOCOSワイヤレスエンジンとパソコン、タブレット、スマートフォン等がUSB接続でシリアル通信できます。 
パソコン、タブレット、スマートフォン上のアプリで無線モジュール TOCOSワイヤレスエンジンを操作したり、センサデータ情報を収集したりできます。

引用: TocoStickより

こちらが親機になります。 
今回はPC(mac)と接続して使いました。

動かしてみた

というわけで、前置きが長かったのですが動作デモです。 
今回はタップを検知するモードにして、タップしてみました。

ちゃんと通信できていますね!タップからの遅延もほぼないですね。
ちなみにタップした時に出ている文字列は以下の意味を持っています。

  • rc: 未使用
  • lq: LQI(0-255)
  • ct: 続き番号(0-FFFF)
  • ed: 子機のID(MACアドレスの下8桁)
  • id: 未使用
  • ba: 子機の電源電圧(mV)
  • a1: ADC1(mV)
  • a2: ADC2(mV)
  • x: x軸の加速度(x/100 = g重力加速度)
  • y: y軸の加速度(y/100 = g重力加速度)
  • z: z軸の加速度(z/100 = g重力加速度)

親機でデータを受信する事ができれば後は比較的簡単です。 
受信をトリガーに何かをさせたり、クラウドにデータを貯めたり、好き放題できますね! 
ここからはハードウェア(電子工作)の知識はほぼなくて良いので、
プログラムを書いたことがある人ならサクサク進めると思います。

まとめ

というわけで、今回はTWE-Lite2525を買って動かすところまでを紹介しました。
この製品に関して言えば、組み立て、設定も最小限で済むので、電子工作初心者でも簡単に使うことができると思います。
せっかくなので、次回の記事ではこのセンサーを使って何か面白いものを作ってみたいと思っています。

また、トワイライトニコニコだとセンサーが3軸のジャイロ加速度のみに限られてしまうので、
慣れてきたらTWE-Liteシリーズ+お好みのセンサーという組み合わせにもチャレンジするつもりです。

皆さんも是非チャレンジしてみてください。

それでは、また!

 

7月6日 追記

TWE-Lite2525 に搭載されているセンサーについて、
ジャイロセンサーと記載しておりましたが、加速度センサーに修正いたしました。