【re:Invent 2020レポート】カットオーバー -クラウドへのトラフィックの移行- 視聴レポート(原題:The cutover: Moving your traffic to the cloud)

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あけましておめでとうございます。SRE 部の駒井です。
年末年始は流行りの刃を全巻読みました。テンポよく、かつ綺麗な表現が多いなと思いました。心が洗われるようですな。
今回は移行をテーマにしている re:Invent2020 のセッションについてレポートしようと思います。

目次

はじめに

今回レポートするセッションは以下にて視聴が可能です。
URL: https://virtual.awsevents.com/media/1_ne4ekvbc
このセッションでは CloudFront, Amazon Route 53, データベース移行サービス等を利用した移行をするためのテクニックやパターンについて話しています。
30分程度の長さのセッションで、動画のオプションにて英字幕をつけることもできるので、ヒアリングが苦手な方も安心ですね(私も助かりました)。
もちろん、上記のセッションページ内にてスライドも配布されていますので入手可能です。

Introduction

The cutover

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アプリケーショントラフィックの切り替えはスライドのように、高速道路での車線変更のようなものだと喩えています。
ごくごく自然で当たり前なことではありますが、事故を未然に防ぐためにも利害関係者全体に対して切り替えが発生することは事前に通達する必要がありますね。
他の車両が同じ道路を走っている = 他にもサービスが動いているものがあれば、そこに影響を出してしまう恐れがあります。
慎重に周りを見渡して、現状を把握し、その上でウィンカーを出して通知し余裕を持って切り替えることが大事だという Introduction でした。
実際のスライドはタクシーを動かしつつ、的確な比喩で説明がありますので、ぜひセッションを見ていただければと思います!

What cloud go wrong?

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このセッションで伝えたいところはまさに、計画の重要性というところでしょうか。
AWS の顧客への思いが感じられるパートでした。
この後も移行するにあたって、計画が非常に重要 というポイントを頭に入れてセッションを聞いていきます。

Application cutovers

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AWS へのアプリケーションの移行は柔軟性が高いことを説明しているパートです。
全体の移行だけでなく、部分的な移行も可能であるということが説明されています。
また、戦略や考え方についても触れていました。

Preparation is critical

Operational readiness review

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計画の重要性というところから、次は運用準備のレビューの話へと移ります。
なにを考慮して、そのためになにを用意すべきなのか。
これが本セッションでの根幹、最も知りたい部分であるかと思います。
スライドは載せていますが、考え方含め要所はどことなるのか、ぜひ皆様の目でご確認いただければと思います。

Infrastructure Event Management

ここでは AWS が提供しているインフラストラクチャイベント管理についての説明しています。
支援概要については、公式のページがありますのでそちらも合わせてご覧ください。
URL: https://aws.amazon.com/jp/premiumsupport/programs/iem/

The cutover: Moving your traffic

Web Application Stack

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ここからは準備の話が終わり、実際に移行する際のテクニックなどを話していきます。
まずはトラフィックの移動という点から、DNS を活用したエンドポイントのルーティング切り替えについて説明しています。

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一例として CDN を利用した場合の DNS ルーティング切り替えの説明をしていました。
DNS そのものの仕組みから、ルーティング切り替えの手法についても細かく解説されていますので必見です…!

Amazon CloudFront

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そして、CloudFront + Lambda@Edge を利用した切り替えについて説明しています。
コンテンツのキャッシュと、リクエストやレスポンスの操作を適切に行うことでリダイレクト処理を切り替え前、切り替え後のエンドポイントに対して行うことができます。

Cutover independent components

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ここでは、適切な設計によってアプリケーション内で独立したコンポーネント単位でのカットオーバーが可能であるという説明をしています。
静的コンテンツのみを移行するといったことが AWS では簡単に実現が可能です。
どういった手法で行い、どういった効果が得られるのかが語られています。

Database cutover with AWS Database Migration Service (AWS DMS)

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最後にデータベースの移行についてのお話です。
DMS についての説明と、どういったシナリオで利用できるのかの説明から、条件に合わせてデータロストを防ぐいくつかテクニックを紹介しています。
実際にどういった手法があるのかについても、こちらも是非セッションを見ていただければと思います。

Post cutover

Putting it all together

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カットオーバーが終わった後には何をする必要があるでしょうか?
このパートでは、運用準備などで用意したものから検証や確認を入念に行う必要があることが語られている他、
既存のリソース(レガシーリソース)の取り扱いについても言及しています。

感想

今回レポートした内容はセッションの一部でしかありません。
本編はとても内容の濃いセッションで、正直 30分では追い切れないレベルの興味深い内容ばかりでした。
濃密ではありますが、サービスの概要から簡単な説明もしてくれるため、難解ということもなく、理解しやすいセッションであった印象です。
ぜひ皆様も本セッションにて移行の考え方を学んでみてはいかがでしょうか。

余談ですが、字幕を全て書き起こして翻訳に叩き込んだりしてましたが、3万文字とかになっていたので本当にヒアリング力はつけたほうがいいですね。
皆様、本年もよきクラウドライフをお過ごしください。
最後までご覧いただきありがとうございました!

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