マネージドサービス部 佐竹です。
2023年5月1日に AWS Compute Optimizer のアップデートがあり、ついにタグでの検索に対応しました。今回は「タグに対応」したことによる利便性の向上について記載します。
はじめに
私はコスト最適化(のコンサルティング等)に特化した対応を行っている都合、AWS Compute Optimizer のアップデートには注目せざるを得ないのですが、これがまた楽しみの1つでもあります。
前回、前々回と、そんな AWS Compute Optimizer のアップデートを紹介してまいりました。
段々と使い勝手が向上してきており、将来的にはコスト最適化だけではなく、Graviton (Arm) アーキテクチャへの切り替え推奨の観点からサステナビリティ(持続可能性)の一翼をも担いそうな AWS Compute Optimizer に今回も嬉しいアップデートがありました。
AWS Compute Optimizer now supports filtering by tags
以下のアップデートが2023年5月1日にありました。
簡潔にお伝えしますと、AWS Compute Optimizer のコンソール画面で「タグ」を利用いた検索や絞り込みができるようになったというアップデートです。
Document history
また、Document history for AWS Compute Optimizer にも以下の通り記載がされています。
動作確認
本アップデートに関して、実際に AWS Compute Optimizer のマネジメントコンソールを見てみます。
画面上部、フィルターの下にタグを指定する検索窓ができています。これにより、検索性が大幅に向上しました。
このアップデートの何が嬉しいのか
これまではフィルターができなかったために、特定のインスタンスを検索するということができませんでした。
AWS Compute Optimizer にはインスタンスが大量に存在すると、結果も大量に出ます。この中から運用オペレーションとして「特定のインスタンスだけをピンポイントで探し出して AWS Compute Optimizer の推奨値を表示する」ことが長い間実現不可能でした。これは今でも Instance ID では検索できないままですが、タグを利用しても検索ができませんでした。
我々はこのような検索ができない代わりに、代替手段として EC2 のマネジメントコンソールから各インスタンスの Instance summary から「AWS Compute Optimizer finding」を表示させ、その結果のリンクからジャンプしていました。
しかし、今回タグに対応したことから、インスタンスに付与された Name タグから検索が可能となりました。まずこれが嬉しいです。
さらに嬉しいのは、CloudWatch Agent がインストールされているインスタンスのコスト最適化推奨結果が、同様にタグから判断可能になるということです。
これは運用設計によるのですが、我々は CloudWatch Agent をインストールする対象(つまりは AWS Systems Manager の実行先を決めるため)に特定のタグを付与しています。具体的には「CWAgent = Windows」のような値です。
SSM を利用した CloudWatch Agent のインストール方法については以下の公式ドキュメントを合わせてご覧ください。
このため「CWAgent」のタグが付与されている EC2 インスタンスはメモリの値が取得されており、推奨の角度が高いということがわかります。
都合、全てのインスタンスに CloudWatch Agent がインストールできていないような場合でも、このタグで角度の高い推奨のみに表示を絞ることが容易になりました。
特にこの2点において利便性が向上したと感じます。
まとめ
2023年5月1日に AWS Compute Optimizer のアップデートがあり、タグでの推奨結果の検索(フィルタリング)に対応しました。
これにより、AWS Compute Optimizer のオペレーション効率が大幅に向上しました。特にタグを付与してリソースを管理されている大規模なお客様ほどその効果は大きいと感じます。
是非いま一度 AWS Compute Optimizer の結果を確認する機会にして頂ければと存じます。
では、またお会いしましょう。
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マネージドサービス部所属。AWS資格全冠。2010年1月からAWSを利用してきています。2021-2022 AWS Ambassadors/2023-2024 Japan AWS Top Engineers/2020-2024 All Certifications Engineers。AWSのコスト削減、最適化を得意としています。