この記事は サーバーワークス Advent Calendar 2016 の12/10分です。
この記事は Chromeウェブストアを使ってブリを社員に配る の続きでもあり、さらに Slackでらくらく工数管理 の続きでもあります。事前にこの2つの記事をご覧になることをオススメします。
みなさんこんにちは!サーバーワークス IoT担当の中村です。
前回は「Chromeウェブストアを使ってブリを社員に配る」というタイトルで美味しい氷見の寒ブリを如何にして社員に届けるかという話をしました。今回は、「前回社員に配布したブリの隠された秘密」ということでChrome Extensionで実現した工数入力についての話をします。
Slackでらくらく工数管理の罠
以前、Slackでらくらく工数管理 という記事でSlack(ブリ)で工数の時間を計測する方法をご紹介しました。この仕組みは社内ではとても好評で、1年経った今でもたくさん使われています。詳細は先の記事に書いていますが、大体こんな仕組みです。
ただし、この仕組は一点だけ良くない点がありました。それは、計測したデータを入力するのが面倒くさい事です。
サーバーワークスでは日々の工数はSalesforce(TeamSpirit)に入力しています。Slack(ブリ)で工数の時間を計測する仕組みは、あくまでも工数を計測する仕組みであって、工数を入力するものではありません。そのため、ブリに工数を計測してもらった結果をSalesforce(TeamSpirit)に入力するのは人間の仕事でした。具体的にどんな感じで入力するかというと、こんな感じです。
なんとも残念な感じです。せっかく工数の計測をスマートにできたのに、結局手作業が発生するのではスマートさが台無しになってしまいます。
特に面倒くさいのはTeamSpiritのジョブとブリのジョブが1:Nになっている場合です。例にあげたスクリーンショットでは、ブリのJobに「blog」と「iot」が存在します。しかし、これらのJobはTeamSpiritの「研究開発」的なJobに含まれます。そのため、TeamSpiritに時間を入力する際は、blogの3時間51分31秒と、iotの3時間5分30秒を足した値を入れる必要があるわけです。
Chrome Extensionでらくらく工数入力
そこでChrome Extensionを使ってブリで計測した工数を自動入力させることを思いつきました。(本当はAPIを使って工数の登録をしたかったのですが、TeamSpiritのAPIがなさそうだったのでChrome Extensionになりました)
仕組みは図の通りです。以下に工数入力までの流れを説明します。
まず、Chromeで工数入力画面を開きます。そしておもむろにブリボタンを押します。すると、ブリ(Extension)がWebページに表示されている日付と社員名を取得し、ブリ(Hubot)にPostします。
すると、ブリ(Hubot)は日付と社員名を受け取り、その人の工数記録チャンネル(timesチャンネル)のログを取得し、工数を計測します。
工数の計測が終わったら、ブリのJobとTeamSpiritのJobのマッピングを行います。個人毎のマッピングはDynamoDBに置かれているので、その情報を取得してマッピングを行います。マッピングが終わったら、マッピングした結果をブリ(Extension)に返します。
最後に、ブリ(Extension)が受け取った結果をWebページのフォームに入力して、マッピング結果をWebページにオーバーレイして表示します。
ユーザーは結果を確認して問題なければ、そのままOKを押して、工数を確定します。結果はこのような感じで出力されます。なお、これは結果であり、ここに表示されている時間は既に後ろのフォームに入力されています(手で入れ直す必要はありません)。
作ってみた結果
今回作ったChrome Extensionによって、工数を計測する仕組みと工数を入力する仕組みが出来上がりました。これまでは、工数を計測しても入力する時に数字を丸めてしまったり、数字を適当に入力したりと、正しいデータが溜まっていく保証はありませんでした。しかし、今回工数入力を自動で行う仕組みを作ったため、計測した工数そのものが正確に入力されるようになりました。
もちろん、データの正しさ以外にも「工数を入れる工数」の削減にも貢献しています。社内でも実際に利用されており、ブリエヴァンジェリストも誕生しました。
いや〜ブリの力ってすごいですね〜!!
まとめ
というわけで、今回はブリ(Chrome Extension)を使って工数入力を楽にする仕組みについてお話しました。
個人的にこういった地味な作業を自動化するのがとても好きです。そして、このような細かい改善を積み重ねていくことで クラウドでもっと、はたらきやすくなる世界 に近づいていくのではないかと思います。そう信じているからこそ、私はこのような小さな改善活動を続けています。
みなさんも、身の回りの小さな不便を改善してみてはいかがでしょうか!その先には、きっと働きやすい素敵な未来が待っています。