ALBがインターネットからアクセスするクライアントに対して、IPv6オンリー構成をサポートしました

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アップデート内容

今回のアップデートにより、インターネット向けのALBにおいてパブリックIPv4アドレス無しのALBを構成することが可能になりました。下記の図の通り、クライアント(ブラウザなど)とALBの間の通信をIPv6のみとしてALBを構成することができます。新規、既存どちらのALBでも可能です。

アップデート内容の図解

すでに、全てのリージョンで利用可能になっています。AWSからのアップデート内容は以下をご確認ください。

aws.amazon.com

実際にALBを作成して試してみる

Webコンソールからの作成

赤く囲っている箇所に「Dualstack without public IPv4」の選択肢が増えています。 こちらを選択することにより、パブリックIPv4アドレスがALBに割り当てられなくなります。 作成済みのALBも同様の選択肢が出てきて変更可能です。

ALB作成画面

作成後に詳細を確認すると、「Dualstack without public IPv4」が確認できます。DNS名も「AAAAレコード」のみが表示されています。IPv4が有効だと「AレコードまたはAAAAレコード」と表示されます。

ALBの詳細設定画面

動作確認

IPv6が割り当てられている環境からcurlで接続を試したところ、IPv6による接続に成功しました。

$ curl -v ipv6-only-alb-000.us-east-1.elb.amazonaws.com
* Host ipv6-only-alb-000.us-east-1.elb.amazonaws.com:80 was resolved.
* IPv6: 2600::c520:546d:eb02, 2600::f5e7:6657:aa5
* IPv4: (none)
*   Trying [2600::c520:546d:eb02]:80...
* Connected to ipv6-only-alb-000.us-east-1.elb.amazonaws.com (2600::c520:546d:eb02) port 80
> GET / HTTP/1.1
> Host: ipv6-only-alb-000.us-east-1.elb.amazonaws.com
> User-Agent: curl/8.6.0
> Accept: */*
>
< HTTP/1.1 200 OK

名前解決からもIPv6アドレスのみがALBに割り当てられていることが確認できました。

$ dig +short ipv6-only-alb-000.us-east-1.elb.amazonaws.com AAAA
2600::c520:546d:eb02
2600::f5e7:6657:aa5
$ dig +short ipv6-only-alb-000.us-east-1.elb.amazonaws.com A
$

ユースケース

今回のアップデートで、IPv4アドレスの利用料金を節約することが可能になります。まだまだIPv4が不要な環境は少ないかと思いますが、該当する環境であれば嬉しいアップデートですね。

ALBに割り当てられるIPv4アドレスは、2024年2月から有料化されています。月間に直すと1IPあたり、$3.6($0.005/h x 720h)の節約になります。

aws.amazon.com

石田順一(記事一覧)

カスタマーサクセス部