AWS User Notificationsでヘルスイベントを受け取ってみた

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こんにちは。島村です。
先日、気になるAWS Updateが発表されました。

1つは新サービスである、AWS User Notificationsの発表です。

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2つは、AWSサービスのヘルスイベントがEvent Bridgeに発行されるようになったアップデートです。
リージョンは限られていますが、メインリージョンでサービスダウンを想定し、バックアップリージョンでもヘルスイベントを通知できるようになっています。
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今回は、2つのアップデートを組み合わせてUsers Notificationsでヘルスイベントを受けてみようと思います。

User Notificationsとは何か

AWSからの通知を一元的にマネージドコンソールで確認できるサービスです。
AWS Health イベント、Amazon CloudWatch アラーム、EC2 インスタンスの状態変更などの AWS サービスからの通知を一元的に確認することができます。
ヘルスイベントであればPersonal Health Dashboard、CloudWatchアラームはCloudWatchコンソールに確認しに行く必要があるなど、一元的に通知をまとめて確認することはできませんでした。Users Notificationsの登場以降は一元的に確認することができるようになります。

対応しているサービスはEventBridgeに依存しているので、以下対応サービスをご確認ください。
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サポートされている配信先

通知先にはEメール、チャットチャネル(Chatbotなので、Slack or Chime)、モバイルデバイスが選択できます。
モバイルデバイスはAWS Console モバイルアプリです。

対応しているリージョン

AWS GovCloud リージョン以外は対応しています。

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マルチアカウント構成

マルチアカウント構成にも対応しています。
EventBridgeを介して、通知を受け取ることで通知を集約することができます。

現時点では、Organizations統合はまだ実装されていないようです。
よくある質問には以下の記載があるため、今年にはOrganizations統合実装されるかもしれません。
アップデートを楽しみに待ちたいと思います。

[AWS Orgs 統合 – ECD 2023 年第 2 四半期]

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通知文面のカスタマイズ性

現状は、通知文面のカスタマイズはできないようです。

やってみる

実際にUser Notificationsでヘルスイベントを対象としてどのような画面表示になるのか、通知文面など見ていきたいと思います。
通知にはAWS Chatbotを使用します。
事前の設定は解説しませんので、弊社ブログを参考にセットアップしてみてください。

blog.serverworks.co.jp

では早速やっていきます。
[User Notificationsコンソール]⇨[通知設定]に移ります。

[通知設定を作成]を選択します。

[名前と説明]は任意で命名ください。
[イベントルール]を定義していきます。

今回はヘルスイベントを定義したいので、イベントタイプの[AWS Health Event]を選択します。
[リージョン]では、us-west,us-east,Asia Pacificのリージョンを選択します。今回はあくまで動作確認のため、多くのリージョンを選択していますが、
本来は利用しているリージョンのみで問題ないです。
オプトインしていないリージョンを選択すると作成時にエラーが出るので、注意してください。

次に受信頻度を設定します。
3つの選択肢があり、5分以内の受信、12時間以内、即時受け取りがあります。
水晶は5分以内ですが、ヘルスイベントはすぐに気づきたいので、即時受け取りで設定をしてます。
通知先は[Chatbot]を選択しましょう。

設定が完了したら、[通知設定を作成]を押します。あとはヘルスイベントが来るのを待つだけです。

通知文面

ヘルスイベントが発行されました。
Chatbotを通じてSlackに出力されたものが以下です。

User Notificationsで出力されたものが以下です。

Slackにはヘルスイベントに関連するリソースが通知されていましたが、ヘルスイベントの内容が抜けていて、どのようなイベントが発生したのかが、確認できない状態でした。
User Notificationsコンソール画面でもイベント内容は確認できない状態です。

現状、User Notificationsはヘルスイベントの詳細を表示できない仕様のようです。
ヘルスイベントを受け取れはするものの、現状ではAWS Health Dashboardを確認する必要がありました。
今後のアップデートに期待したいと思います。

最後に

いかがでしたでしょうか。
現状はヘルスイベントの詳細が確認できない点では、扱いにくいかもしれません。
しかし、通知を集約できるという点では、運用が楽になると考えております。まだ機能は充実していないので、今後に期待したいと思います。

厳密にヘルスイベントの通知を管理したい場合は、AWS Health Awareをご利用いただくことを推奨いたします。
AWS Health Awareはマルチリージョン構成やOrganizationsに対応しており、組織内のヘルスイベントも集約することが可能です。

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6/16追記

いつからかわかりませんが、ヘルスイベントの詳細がUser Notificationsコンソールで確認されるようになりました。
また、通知に関しても詳細が取れるようになったみたいですね。

コンソール

Chatbot

コンソールは判断できる内容が見えないため、Personal Health Dashboardなど確認する必要がありますね。
Chatbot経由だと内容が含まれていて、ヘルスイベントの内容を把握できそうです。

島村 輝 (Shimamura Hikaru) 記事一覧はコチラ

最近ECS周りをキャッチアップ中。趣味は車・バイク全般。
一応、AWS12冠です。