CTI Adapter for SalesforceによってAmazon Connect と セールスフォースを統合設定するとデフォルトで電話番号クリックで架電できる設定(クリックtoコール)になりますが、条件によってクリックしても架電しないように設定してみます。
概要
CTI Adapter for Salesforceをセットアップすると、取引先責任者レコードページの電話番号項目は自動的にリンク表示となり、クリックするとCTIパネルから架電が開始されます。
顧客情報の電話番号をクリックすると架電する、という挙動はとても自然ですが、「電話しないで欲しい」と表明されている場合はクリックしても架電すべきではないと思います。
個人(企業内の担当者)を示すオブジェクトとして、取引先責任者(Contact)あり、標準項目として電話連絡拒否(DoNotCall)がありますので、この項目が設定されている場合は架電しないように設定します。
環境
今回は下記のような環境で設定を試します。
- Salesforce Developer Edition
- Amazon Connect CTI Adapter for Salesforce v5.18
- サービスコンソールアプリでの利用
設定手順
CTI Adapter for Salesforce をインストール
対象となるセールスフォース組織へCTI Adapter for Salesforceをインストールします。
下記リンクより手順を参照して設定します。
注意点について記載した下記記事もご参照ください。
(CTIアダプター自体のアップデートも多いため、最新情報にご注意ください)
CTI Flow変更
- [AC CTI アダプタ] オブジェクトの対象レコードを開きます
- [CTI Flows] タブをクリックします
- [Default Salesforce UI onClickToDial] をクリックします
下記のCTI Flow用ファイルを ローカルへ保存しておき、[アップロード] 操作によって反映します。
Considering "DoNotCall" CTI FLOW Script for Amazo…
CTI Flowが設定されますので、[保存]します。
スクリプトの内容
簡単に説明を記載します。
No | ブロック | 内容 |
---|---|---|
1 | Salesforceレコードの取得 | 操作時画面のオブジェクト、オブジェクトIDで示されるレコードの指定フィールド値を取得します。 ここでは、DoNotCall フィールドの値を取得しています |
2 | If-else | Salesforceレコードの取得ブロックで取得した DoNotCall の値が false か否かを判定し、分岐します |
3 | 番号をダイヤル | If-else ブロックの結果が真の場合、つまり、 DoNotCall の値が false の場合遷移し、CTI連携して架電します |
4 | アラート | If-else ブロックの結果が偽の場合、または、レコード取得エラーの場合遷移し、架電できない旨アラート表示します |
電話連絡拒否項目を表示する
アクセス許可設定
- [設定] → [オブジェクトマネージャ] から、取引先責任者を選択し、[項目とリレーション] → [電話連絡拒否] を選択
- [項目レベルセキュリティの設定] をクリック
- 該当プロファイルの [参照可能] をチェックし(今回は全選択)、[保存] します
ページレイアウト設定
[設定] → [オブジェクトマネージャ] から、取引先責任者を選択し、ページレイアウトへ [電話連絡拒否] 項目を設置し、保存します。
電話連絡拒否設定
テスト対象とする取引先責任者レコードページを開き、電話番号を設定、さらに、[電話連絡拒否] をチェック状態に更新します。
動作確認
架電がブロックされる確認
電話連絡拒否設定したテスト対象の取引先責任者ページで電話番号をクリックします。
期待どおり、メッセージ(Alert)表示され、架電されません。
架電されることを確認
電話連絡拒否をオフに設定し、電話番号をクリックします。
架電されることが確認できます。
最後に
架電をブロックした際のメッセージは簡易的ではありますが、電話拒否(オプトアウト)している顧客へのクリックtoコールを防ぐという目的は果たせたと思います。
ご参考になれば幸いです。