AWS Summit Japan 2024 参加レポート

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みなさんこんにちは。マネージドサービス部の塩野です。 今回はAWS Summit Japan Tokyoに参加したレポート感想をお伝えします。

AWS Summit Japan 2024 参加レポート

2024年6月20日~21日にかけてAWS Summit Japan Tokyoが開催され、 私は今回初めてAWS Summit Japan に参加したのですが、印象的なセッションが多かったです。

現地はもちろんすごい盛り上がりで、空気感を味わうだけでもとても楽しいのではないかと思いました。

全体的に今話題となっているセキュリティや生成AI系の話が多かったように思います。 また、個別ブースも生成AIを使うとこんなことができるよというものを多く目にする機会があった印象でした。

個別セッションのお話

ここから、私が特に気になった個別セッションのお話について取り上げていきたいと思います。

なお、各セッションは2024年7月5日までオンデマンドで配信されていますので、 気になったセッションがあれば下記AWS Summit Japanのページよりご視聴ください。

aws.amazon.com

より良い視聴体験を求めて、ニコニコ動画の配信基盤刷新の舞台裏 (ご登壇:株式会社ドワンゴ 久保田陽介氏)

当記事ではニュースなどで話題になっている話は取り上げず、ご登壇された技術的な内容のみに言及しています。

ご登壇の内容で個人的に印象的だったのは、配信基盤刷新前はオンプレ環境でシステムを構築されており、その当時コスト面や運用面での課題をAWSのマネージドサービスをうまく使うことで改善されたことや、オンプレ基盤の時はリソースをうまく使うためにモノリシックアーキテクチャを採用されていましたが、そのことで運用面では裏目に出てしまっていたこと、モノリシックアーキテクチャではもともと想定していたコスト最適化につながらなかったという点です。

ピーク時とそうでない時の差が激しいサービスは、オンデマンドでスケールできるクラウド環境を使うことによりピーク時の可用性向上が期待できるため、オンプレのモノリシックアーキテクチャからの脱却は必然だったんだろうなという目線でお話を聴かせていただきました。

なお、モノリシックアーキテクチャとマイクロサービスアーキテクチャの違いは下記の記事に詳しく書かれていますので、気になる方はこちらも併せてご参照いただければと思います。

aws.amazon.com

サーバーレス開発のベストプラクティス ~より効果的に、より賢く使いこなすために~(ご登壇:アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社 淡路大輔氏)

ご登壇の内容で個人的に印象的だったのは、サービスの可用性を考慮するなら(モノリシックアーキテクチャではなく)マイクロサービスアーキテクチャで設計して、なるべくファンクション毎に分解していく方がスケールは効きやすくなる一方で、サーバレスを活用にするためにLambda関数を増やしすぎると、関数の保守メンテ(脆弱性やEOL対策など)が重くのしかかるため、StepFunctionやEventBridgeなどのマネージドサービスの機能で代用できる機能はマネージドサービスを使った方がコードの管理運用の保守工数が下がるよという点です。

特に強調されていた「コードを書けばその分保守責任が発生するから、なるべくローコード、ノーコードで構成する方がよい」という点は、開発者にとってとても役に立つのではないかと思います。私のロールではシステム保守のためにコードをガリガリ書くことは殆どないのですが、それでも運用でどうしても必要なものはコードを書いて動かすこともあり、今後の運用改善などの点で参考にさせていただきたいと考えています。

アーキテクチャ道場 2024!(ご登壇:アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社 内海英⼀郎氏、⾺渕俊介氏、⼭﨑翔太氏)

ご登壇の内容で個人的に印象的だったのは、システム構成や前提条件があり、その条件下で大規模障害発生時にその影響を最小限に抑えるかというお題の中から、どのように掘り下げていけば影響を最小限に抑えることができるかという考え方がとても理論的でわかりやすかった点です。システム障害の場合は完全停止してくれれば障害とわかりやすいものの、実際の運用では障害発生しつつあるというようなグレーゾーンがあり、そういった点を中心としてどのような設定や構成が望ましいか、この部分は設定変更するとその他の考慮事項が増えすぎるからシンプルにこういう構成のほうがよいという、やった方がいい場面とそうでない場面の切り分けやその理由が明確であり、とても参考になりました。

まとめ

ご紹介したセッション以外にも素晴らしいセッションは多数ありましたが、運用者や開発者として今すぐにでも現場で使えそうな素晴らしい内容のお話だったので、今回の記事で現地レポートとしてご紹介させていただきました。2024年7月5日までオンデマンドで視聴することができますので、気になったセッションなどがあればぜひご視聴ください。

◆ 塩野 正人
◆ マネージドサービス部 所属
◆ X(Twitter):@shioccii
◆ 過去記事はこちら

前職ではオンプレミスで仮想化基盤の構築や運用に従事。現在は運用部隊でNew Relicを使ってサービス改善に奮闘中。