マネージドサービス部 佐竹です。
2024年9月にサポートの終了等が発表された AWS サービスをまとめました。都合2024年10月初旬にアナウンスのあったサービスも含まれております。
はじめに
既に上記のブログでご紹介しましたが、2024年7月末頃から新規顧客の受け入れを停止したサービスが複数出ることになりました。それが以下のサービスです。
- AWS CodeCommit
- Amazon CloudSearch
- Amazon Forecast
- S3 Select
- AWS Cloud9
- AWS Data Pipeline
- Amazon SimpleDB
今回は、それに追従するような形で終了が予告されたサービスについて記載していきます。
サポートの終了等が発表された AWS サービス
先のブログでは、今後 AWS がサービス終了時のアナウンスについて、どのような媒体で告知をするのか、それを弊社はどうキャッチアップしどのようにお知らせすべきか。
という記載をしました。
AWS は現状「対象サービスの利用者へのメール通知」と「ブログを利用した全体通知」を併用しているように思われます。今回はその2種類の通知によって知り得た内容を以下に記載していきます。
AWS RoboMaker 2025年9月10日に終了
2024年9月11日頃、AWS より以下の内容のメールを受信しています。一部を抜粋してご紹介します。
[Action may be required] End of Support for AWS RoboMaker [AWS Account: 123456789012]
You are receiving this notification because you are currently using or have previously used AWS RoboMaker. After careful consideration, we have made the decision to end support for AWS RoboMaker, effective September 10, 2025. You will still be able to use AWS RoboMaker as normal (and add team members to your active account) until September 10, 2025, when the service will no longer be available. After this date, you will no longer be able to use AWS RoboMaker including any of the simulation capabilities of AWS RoboMaker Simulation or the world generation capabilities of AWS RoboMaker WorldForge.
We recommend migrating any simulation workloads you may be running on AWS RoboMaker over to AWS Batch. AWS Batch is a fully managed batch computing service to plan, schedule, and run containerized simulation workloads on AWS infrastructure including Amazon ECS, Amazon EKS, and AWS Fargate. Take advantage of features like bin packing to increase compute resource utilization and the ability to use Amazon EC2 Spot Instances to lower costs. AWS Batch recently launched the ability to run up to 10 containers (up from 2 in AWS RoboMaker) as part of a single job to support autonomous vehicle, multi-robot collaboration, and other advanced simulations. Please view the available blogs to learn more about this feature and running robotics simulation using AWS Batch [1][2][3].
- https://aws.amazon.com/blogs/hpc/run-simulations-using-multiple-containers-in-a-single-aws-batch-job/
- https://aws.amazon.com/blogs/aws/run-large-scale-simulations-with-aws-batch-multi-container-jobs/
- https://aws.amazon.com/blogs/hpc/simulating-autonomous-mining-operations-using-robotec-ai-on-aws/
以下はその日本語訳です。日本語版がメール本文になかったため、こちらで翻訳したものになります。
この通知は、現在 AWS RoboMaker を使用しているか、以前に使用していた方にお送りしています。慎重に検討した結果、2025年9月10日をもって AWS RoboMaker のサポートを終了することを決定しました。 2025年9月10日にサービスが利用できなくなるまで、AWS RoboMaker を通常どおり使用できます (アクティブ アカウントにチーム メンバーを追加できます)。この日以降は、AWS RoboMaker Simulation のシミュレーション機能や AWS RoboMaker WorldForge のワールド生成機能など、AWS RoboMaker を使用できなくなります。
AWS RoboMaker で実行しているシミュレーション ワークロードはすべて AWS Batch に移行することをお勧めします。AWS Batch は、Amazon ECS、Amazon EKS、AWS Fargate などの AWS インフラストラクチャでコンテナ化されたシミュレーション ワークロードを計画、スケジュール、実行するための、完全に管理されたバッチ コンピューティング サービスです。ビンパッキングなどの機能を利用してコンピューティング リソースの使用率を高め、Amazon EC2 スポットインスタンスを使用してコストを削減できます。 AWS Batch は最近、自律走行車、マルチロボットコラボレーション、その他の高度なシミュレーションをサポートするために、1 つのジョブの一部として最大 10 個のコンテナ (AWS RoboMaker では 2 個) を実行できる機能を開始しました。この機能と AWS Batch を使用したロボットシミュレーションの実行の詳細については、利用可能なブログをご覧ください。 [1][2][3]
本メールを受信した AWS アカウントの数は極わずかでしたため、利用されているエンドユーザ様は比較的稀かと存じます。
AWS App Mesh 2026年9月30日に終了
AWS App Mesh は2024年9月24日(日本時間では25日)に公開された AWS 公式のブログにてそのサポートの終了がアナウンスされました。
以下がその日本語版です。
ただ日本語版は、追記修正がされた前のものですため、ここでは英語版をご紹介します。
Migrating from AWS App Mesh to Amazon ECS Service Connect
After careful consideration, we have made the decision to discontinue AWS App Mesh, effective September 30th, 2026. Until this date, existing AWS App Mesh customers will be able to use the service as normal, including creating new resources and onboarding new accounts via the AWS CLI and AWS CloudFormation. Additionally, AWS will continue to provide critical security and availability updates to AWS App Mesh during this period. However, starting from September 24th, 2024, new customers will be unable to onboard to AWS App Mesh.
At re:Invent 2022, AWS introduced Amazon ECS Service Connect, a new way to connect microservices within Amazon Elastic Container Service (Amazon ECS). This post dives deep into Service Connect and discusses strategies for migrating from AWS App Mesh to Service Connect. Service Connect improves the reliability of containerized microservices through built-in health checks, outlier detection, and retry mechanisms. It also enhances observability by sending application-level networking metrics to Amazon CloudWatch. By using a managed networking data plane, Service Connect eliminates the undifferentiated heavy lifting associated with managing sidecar proxies.
For Amazon EKS customers using AWS App Mesh, we recommend reading the post Migrating from AWS App Mesh to Amazon VPC Lattice.
以下はその日本語訳です。
慎重に検討した結果、2026年9月30日をもって AWS App Mesh の提供を終了することを決定しました。この日まで、既存の AWS App Mesh のお客様は、AWS CLI および AWS CloudFormation を介した新しいリソースの作成や新しいアカウントのオンボーディングなど、通常どおりサービスをご利用いただけます。また、この期間中も AWS は AWS App Mesh に重要なセキュリティと可用性のアップデートを提供し続けます。ただし、2024年9月24日以降、新規のお客様は AWS App Mesh にオンボーディングできなくなります。
re:Invent 2022 で、AWS は Amazon Elastic Container Service (Amazon ECS) 内でマイクロサービスを接続する新しい方法である Amazon ECS Service Connect を発表しました。この記事では、Service Connect について詳しく説明し、AWS App Mesh から Service Connect に移行するための戦略について説明します。Service Connect は、組み込みのヘルスチェック、外れ値検出、再試行メカニズムを通じて、コンテナ化されたマイクロサービスの信頼性を向上させます。また、アプリケーションレベルのネットワーク メトリクスを Amazon CloudWatch に送信することで、可観測性も向上します。マネージド ネットワーク データ プレーンを使用することで、Service Connect は、サイドカー プロキシの管理に関連する差別化につながらない重労働を排除します。
AWS App Mesh を使用している Amazon EKS のお客様には、AWS App Mesh から Amazon VPC Lattice への移行に関する記事を読むことをお勧めします。
最後に記載がされている「AWS App Mesh から Amazon VPC Lattice への移行に関するブログ記事」は、新しく2024年10月1日に公開された以下のブログです。
※本ブログにも同様に AWS App Mesh の提供を終了する旨が同様に記載されています
AWS WAF Classic 2025年9月30日に終了
2024年9月26日頃、AWS より以下の内容のメールを受信しています。一部を抜粋してご紹介します。
なお、本メールには日本語訳がありましたので、日本語訳のみ掲載することとしています。
[アクションが必要です] 2025 年 9 月までに Classic WAF から WAFv2 に移行してください | [Action required] Migrate from Classic-WAF to WAFv2 by September 2025 [AWS Account: 123456789012] [AP-NORTHEAST-1]
お客様の AWS アカウントに AWS WAF Classic リソースがあるため、ご連絡を差し上げました。慎重に検討した結果、AWS WAF Classic のサポートを終了することを決定しました。2025 年 3 月以降、新しい WAF Classic web ACL を作成できなくなります。2025 年 9 月 30 日に AWS WAF Classic は廃止されます。つまり、AWS WAF の保護を継続したい場合は、この日までに AWS リソースを WAF Classic から AWS WAF に移行する必要があります。
なおこの通知を受け、以下 AWS 公式ドキュメントにも警告が掲載されるようになりました。
Deprecation notice: AWS WAF Classic support will end on September 30, 2025.
なお、AWS WAF Classic から、AWS WAF へ移行する情報については、AWS 公式ドキュメントとして「Migrating your AWS WAF Classic resources to AWS WAF」が存在します。マイグレーションにおいては、合わせて参考ください。
参考までですが、このドキュメントの配下にある「Why migrate to AWS WAF?」というページにも、最上部にその理由の1つとして以下の内容が記載されています。
AWS WAF Classic is deprecated – Support for AWS WAF Classic will end on September 30, 2025.
https://docs.aws.amazon.com/waf/latest/developerguide/waf-migrating-why-migrate.html
本メールを受信した AWS アカウントの数は多数あり、AWS WAF Classic の利用者様はまだまだ多いことがわかります。そのため、本マイグレーションにおいては弊社も何らかのお手伝いをさせていただくことも多いのではと想定しております。
WafCharm に関する補足
WafCharm を AWS WAF Classic でご利用中のお客様に関しましては、CSC さんのブログにおいて「AWS WAF ClassicからAWS WAF v2への移行手順」という記事が以下の通り公開されています。
まずはこちらのブログをご参考頂ければ幸いです。
Amazon FSx File Gateway 新規顧客の受け入れを停止
Amazon FSx File Gateway の新規顧客の受け入れ停止は、2024年9月26日(日本時間では27日)に公開された AWS 公式のブログにてアナウンスされました。
以下がその日本語版です。
日本語版ブログの一部を引用させて頂きます。
2024 年 10 月 28 日より、新規のお客様は新しい Amazon FSx File Gateway (FSx File Gateway) を作成できなくなります。このサービスを利用したい場合は、2024 年 10 月 28 日までに FSx File Gateway を作成してください。FSx File Gateway の使用を開始するには、AWS マネジメントコンソールの Storage Gateway コンソールに移動してください。
この変更は既存のお客様には影響しません。AWS は FSx File Gateway のセキュリティと可用性に引き続き投資しています。FSx File Gateway のセキュリティアップデートは引き続きリリースしていきます。また、FSx File Gateway に関するご質問については、AWS サポートに引き続きご相談ください。
上記の通り、Amazon FSx File Gateway は「新規顧客の受け入れを停止」をしたのみでサービスの終了予告ではありません。期日は「2024年10月28日」です。
またブログの通り、移行先は「Amazon FSx for Windows File Server」が推奨されています。
加えて AWS 公式ドキュメントの英語版の最上部には、以下の通りの注記が追記されるようになっていました。
Amazon Monitron 新規顧客の受け入れを停止
Amazon Monitron の新規顧客の受け入れ停止は、2024年10月1日(日本時間では2日)に公開された AWS 公式のブログにてアナウンスされました。
一部を引用し、日本語訳を添えます。
Maintain access and consider alternatives for Amazon Monitron
Amazon Monitron, the Amazon Web Services (AWS) machine learning (ML) service for industrial equipment condition monitoring, will no longer be available to new customers effective October 31, 2024. Existing customers of Amazon Monitron will be able to purchase devices and use the service as normal. We will continue to sell devices until July 2025 and will honor the 5-year device warranty, including service support. AWS continues to invest in security, availability, and performance improvements for Amazon Monitron, but we do not plan to introduce new features to Amazon Monitron.
This post discusses how customers can maintain access to Amazon Monitron after it is closed to new customers and what some alternatives are to Amazon Monitron.
以下が日本語訳です。
産業機器の状態監視のための Amazon Web Services (AWS) 機械学習 (ML) サービスである Amazon Monitron は、2024年10月31日をもって新規のお客様にはご利用いただけなくなります。Amazon Monitron の既存のお客様は、通常どおりデバイスを購入してサービスを利用できます。デバイスの販売は 2025年7月まで継続し、サービスサポートを含む 5 年間のデバイス保証が適用されます。AWS は Amazon Monitron のセキュリティ、可用性、パフォーマンスの改善に引き続き投資しますが、Amazon Monitron に新しい機能を導入する予定はありません。
この記事では、新規のお客様の利用が終了してもお客様が Amazon Monitron へのアクセスを維持する方法と、Amazon Monitron の代替手段について説明します。
2024年10月31日がその期日となっています。
Amazon Monitron は2023年8月にやっと日本でも買えるようになったばかりですが、残念です。
Amazon Monitron デバイス (センサー、ゲートウェイ)は各国の法規に基づき、認定を取得し動作可能な国・地域で販売されています。日本では 2023年8月にAmazon Monitron デバイスが販売開始されました。
Amazon Lookout for Metrics 2025年10月10日に終了
2024年10月10日頃、AWS より以下の内容のメールを受信しています。一部を抜粋してご紹介します。
本メールにも日本語訳がありましたので、日本語訳のみ掲載することとしています。
現在 Amazon Lookout for Metrics を使用中のお客様へのお知らせです。慎重に検討した結果、Amazon Lookout for Metrics のサポートを 2025 年 10 月 9 日をもって終了することを決定いたしました。
Amazon Lookout for Metrics にデータを保存しているアクティブなお客様は、サービスが終了する 2025 年 10 月 9 日までは Amazon Lookout for Metrics を通常どおりご利用いただけます。この日を過ぎると、Amazon Lookout for Metrics や、データへの接続、異常検出器の作成、異常に関するアラートの受信、このサービスに保存されているデータへのアクセスなど、このサービスが提供する機能を使用できなくなります。
お客様のデータは 2025 年 10 月 9 日まで保持されます。何も対応がない場合、お客様のデータは 2025 年 10 月 10 日に削除されます。
同時に以下のブログも投稿されています。
本ブログに記載されている内容を一部紹介します。
After careful consideration, we have made the decision to end support for Amazon Lookout for Metrics, effective October 10, 2025. In addition, as of today, new customer sign-ups are no longer available. Existing customers will be able to use the service as usual until October 10, 2025, when we will end support for Amazon Lookout for Metrics.
以下が日本語訳です。
慎重に検討した結果、2025年10月10日をもって Amazon Lookout for Metrics のサポートを終了することを決定しました。また、本日をもって、新規のお客様のサインアップはご利用いただけなくなります。既存のお客様は、2025年10月10日に Amazon Lookout for Metrics のサポートが終了するまで、通常どおりサービスをご利用いただけます。
メール本文では「2025 年 10 月 9 日をもって終了」と記載がありましたが、ブログでは2025年10月10日となっています。本ブログではメール本文にあったデータが削除される「2025年10月10日」を終了日として記載しております。
まとめ
最後に、本ブログに記載しました5つのサービスに関する情報を、簡易的な表にして終わります。
サービス名 | アナウンス内容 | 適用時期 |
---|---|---|
AWS RoboMaker | サポート終了 | 2025年9月10日 |
AWS App Mesh | サポート終了 | 2026年9月30日 |
AWS WAF Classic | サポート終了 | 2025年9月30日 |
Amazon FSx File Gateway | 新規顧客の受け入れを停止 | 2024年10月28日 |
Amazon Monitron | 新規顧客の受け入れを停止 | 2024年10月31日 (2025年7月まで販売を継続) |
Amazon Lookout for Metrics | サポート終了 | 2025年10月10日 |
なお、ブログ投稿後に Amazon Lookout for Metrics についても発表がありましたので、一覧に追加しております。
では、またお会いしましょう。
佐竹 陽一 (Yoichi Satake) エンジニアブログの記事一覧はコチラ
マネージドサービス部所属。AWS資格全冠。2010年1月からAWSを利用してきています。2021-2022 AWS Ambassadors/2023-2024 Japan AWS Top Engineers/2020-2024 All Certifications Engineers。AWSのコスト削減、最適化を得意としています。