EC2のリザーブドインスタンスがアップデートされました(Region単位/Convertible RI)

AWS運用自動化サービス「Cloud Automator」
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どうも、サーバーワークス佐竹です。最近梅雨のように雨が続いていて少ししょんぼりです。「秋晴れ」というくらい、秋は晴れてほしいですね。
さて、リザーブドインスタンスが本日(2016年9月30日)アップデートされましたのでお知らせします。

Availability Zoneの概念がなくなりました

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今まで、リザーブドインスタンスの購入には、Regionだけでなく「Availability Zone(AZ)」も選択する必要がありました。
今回のアップデートでこの「AZ」の概念がなくなり、Region単位での購入が可能となりました。これで「AZが移り変わってしまうたびにRIが適用されるAZを変更する」というような苦労から解放されることになりました。非常にうれしいアップデートです。

本日より、新しく購入するリザーブドインスタンスは、AZではなく「Region」単位となり、上の画像の通り、Scopeには「Region」と記載されるようになりました。

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既存のリザーブドインスタンスは、「Modify Reserved Instances」から「Scope」を変更可能です。ここで「Availability Zone」から「Region」に変更すると「Region」単位となります。「Region」の場合、「Availability Zone」の項目では選択肢は存在しません。

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反対に、「Region」から「Availability Zone」に戻すことも可能です。

【2016年10月1日追記】なお、リザーブドインスタンスのScopeに「Region」ではなく「Availability Zone」を選択することにもメリットがあります。それは「キャパシティの予約が行われる」ということです。
リザーブドインスタンスには「コストを削減する」だけでなく、AWSの中でリソースが枯渇している(目的のInstance TypeでInstanceをLaunchやStartができない状態となる)ときでも「リザーブドインスタンスを購入いただいた方にはそのInstance Typeのキャパシティを確保しておき、常に予約したInstance Typeで起動(Launch/Start)できるようにしておきますよ」というキャパシティ予約の機能があります。リザーブドインスタンスのScopeに「Region」を選択された場合、この「キャパシティの予約」は行われません。キャパシティの予約を目的としてリザーブドインスタンスを購入されている場合は、Scopeに「Region」ではなく「Availability Zone」を選択する必要があります。

When this benefit is used, capacity is not reserved since the selection of an Availability Zone is required to provide a capacity reservation.

 

Convertible RI

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今回新しく追加されたリザーブドインスタンスの種類が「Convertible」です。既存のものはスタンダードと呼ばれることになりました。「Convertible」とは「変換可能である」という意味です。名前の通り、「対象となるInstance Type等を変更可能」という特徴を持ちます。

Convertible RIの特徴を以下に列挙致します。

  1. 期間は「3年」のみ
  2. スタンダードの「3年」に存在しない「No Upfront(前払いなし)」が選択可能
  3. 任意のタイミングで、「OS(Platform)」、「Instance Type」、「Tenancy」を変換可能
  4. ただし変換には条件があり、今と同等か今以上のものにのみ変換が可能で、差額が発生する場合は差額が請求される

今までリザーブドインスタンスは先に「OS(Platform)」、「Instance Type」、「Tenancy」を指定する方法でしか購入できず、またそのため購入した後はそのセットのリザーブドインスタンスを使い続けるしかありませんでした。リザーブドインスタンスは売ることもできるのですが、特に日本ではハードルが高いものです。
今回、Convertible RIが登場したことで、「OS(Platform)」、「Instance Type」、「Tenancy」を固定されることなく、必要なタイミングで別のセットに変換することが可能となりました。

ただ、気を付けないといけない点は、スタンダードの3年よりかはディスカウントの割合が低いということです。実際の額は「AWSの公式Pricingページ(英語)」を確認頂きたいのですが、Convertibleのディスカントはおよそ33%前後です。これと比較して、スタンダードの3年は約50%前後のディスカントをほこります。
つまり、3年間ロックインされることで大きなディスカント(スタンダードの3年)を取るか、3年間好きにセットを変更できる代わりにディスカント率を下げるか(Convertible RI)、という選択となります。

また、スタンダードの1年のリザーブドインスタンスと比較すると、Convertible RIの方がディスカント率は高くなっています。しかも、スタンダードの1年と同じく「前払いなし」も選択可能です。今後、3年間はAWSをご利用されることが決まっている場合は、まずはConvertible RIを購入され、対象のInstanceが利用を終了したり、サービスの拡張に伴うInstance Typeの変更があれば、それに合わせて差額を支払い、追いかけていくという運用が可能となりそうです。

まとめ

今回のアップデートで、Convertibleという新しいリザーブドインスタンスが登場し、かつAZの概念がなくなったことで、さらにリザーブドインスタンスの利用がしやすくなりました

Convertibleオプションが出る前は、リザーブドインスタンスを購入する場合、後からInstance Typeが指定のものから変更できませんでしたので、数か月間はオンデマンド(普通の時間課金)で運用し、監視結果を踏まえInstance Typeが固まったタイミングでリザーブドインスタンスを購入する、とすることが多かったと思います。
しかし、今後は「3年は使うInstanceではまずはConvertibleを買う」「Instance Typeの変更が必要となったら設定を変更して追いかけていく」ことが可能となります。しかも「No Upfropnt」が選べますので、日本企業の予算計画でも運用しやすいと思われます。
ただし、さらなるディスカントを求める場合は「3年のスタンダード」が最も良い選択肢となりますので、正しく状況を見極め、適切なリザーブドインスタンスを購入して安くAWSをご利用いただければと思います。

ありがとうございました。

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