OpenAIが提供しているChatGPTを使う上での注意点と使い方について調べてみた

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みなさんこんにちは。MS部の塩野です。

今回は、今すごく流行っている ChatGPT について調べてみた結果をまとめてみました。

ChatGPTとは

非営利団体のOpenAIが公開したチャットボットで、人間に話すように会話で質問することで人口知能が答えを返してくれるというサービスです。

GPTの歴史

ChatGPTのGPTとは「Generative Pretrained Transformer」の略で、何億ものパラメータを使用している深層学習を用いた言語モデルです。最初にGPTが登場したのは2018年で、ここから少しずつ改良を加えられ、現在のモデルはGPT-3の後継でフリーのベースとなっているのはGPT-3.5で、ChatGPT PlusのベースとなっているのはGPT-4(2023年3月14日発表)です。

業務で使用する場合の注意点

業務利用する場合は、とりあえず会社の情シスに相談しましょう(笑)

これには理由がありまして、OpenAIの規約に以下のような文言があるからです。

openai.com

Use of Content to Improve Services. We do not use Content that you provide to or receive from our API (“API Content”) to develop or improve our Services. We may use Content from Services other than our API (“Non-API Content”) to help develop and improve our Services.

サービス向上のためのコンテンツの使用。当社は、お客様が当社のAPIに提供し、または当社のAPIから受信したコンテンツ(以下「APIコンテンツ」といいます)を、当社のサービスの開発または改善のために使用することはありません。当社は、当社のAPI以外のサービスから提供されるコンテンツ(以下「API以外のコンテンツ」)を、当社のサービスの開発および改善に役立てるために使用することがあります。

端的にいうと、AIとの会話の内容をAIが学習して自分以外の他の人向けの会話に使用することがありますよということが明記されています。そして一部先行利用をしていて社内の機密情報をOpenAIのChat-GPTに送信した結果、今年の1月には以下のようなニュースが話題となりました。

www.businessinsider.jp

規約を見る限りでは、Chat-GPTなどのOpenAIのサービスを利用して機密情報を扱う場合には、オプトアウトの申請を行うことやAPI経由でサービスを利用することが必要です。

OpenAIの提供している機能について

現在、OpenAIのページで提供されている機能は大きく2つあり、会話形式で調べものができるChatGPTと、会話形式で画像生成ができるDALL·E 2があります。Chat-GPTはより質の高い回答をしてくれるGPT-4エンジンを搭載したChatGPT Plusと、無料でお試しできるGPT-3エンジンを搭載したChatGPT(GPT-3.5 相当)の2つの製品があります。サインアップすると最初の3か月間有効な$5のクレジットが割り当てられ、その範囲で色々機能を試用することができますが、無料で使えるChatGPTは2021 年 6 月までのデータをもとに回答文を作成しますので、回答内容の情報が少し古い場合があることは注意が必要になります。

製品 エンジン 性能概要
Chat-GPT GPT-3 (GPT-3.5相当) 会話形式で調べものができるベーシックな機能
Chat-GPT Plus GPT-4 より速く、より質の高い回答が得られる
DALL·E 2 色々なサイズの画像を生成できる

API経由で使用される場合は、使用量に応じた費用が発生します。詳細は下記ページをご確認ください。 openai.com

ChatGPTの使い方

1.下記OpenAIのページにアクセスしてChatGPTの項からTry ChatGPTのリンクを開く openai.com

2.sign upのボタンから新規アカウントを作成する
  ※アカウント作成済みの場合は、Log in のボタンよりログインする

3.Send a messageの欄より会話する

プロンプトについて

前項のSend a messageの欄のことは一般的に プロンプトと呼ばれており、ここに書きこむ質問の内容がより具体的であればあるほどちゃんとした答えを返してくれます。例えば、「awsのrdsというサービスの特徴を教えて」のような形で質問すると、下記のような回答を得ることができます。


質問の仕方は色々ありますが、~を要約してとか、~の中から3つの候補を出して、~の観点で答えてのように文脈に条件を入れる方法もあれば、下記文章の改善点を教えてのような形で別に記載した文章の添削を依頼することなどもできます。角度をかえて質問をすればするほど回答内容がブラッシュアップされることもありますので、質問と回答が1往復ではなく、しつこく質問するくらいの気持ちで使うことをオススメします。

ChatGPT とChatGPT Plusの違いについて

まず見た目上の違いとして、ChatGPT の場合はバックエンドのエンジンを選択することができません。ChatGPT Plusの場合は画面上にDefault(GPT-3.5)とLegacy(GPT-3.5)とGPT-4の選択肢があり、この中から自分の用途にあったエンジンを選択して質問することができます。なお、バックエンドのエンジンによって回答の精度やスピードなどが変わってくる反面、性能の分だけお値段に跳ね返ってきますので枯れた情報などを調べるときはデフォルトのエンジンを使用し、そうでないものを調べるときは性能のよい方を使用するのがいいのではないかと考えています。

■ChatGPT Plusの画面

具体的にどの程度回答内容に差がでるものなのか実験してみました。ChatGPTに聞いた質問は弊社のことについて教えてというシンプルなものです。


▼無料で使用できるChatGPT(Legacy GPT-3.5)の回答

▼ChatGPT Plus(GPT-4)の回答

下記URLの情報を見る限り、ChatGPT(Legacy GPT-3.5)の回答内容も遠からず間違いではないということは理解できるものの、質問の意図を考えると遠い昔に存在しない状態になっている会社のことをChatGPT(Legacy GPT-3.5)は回答されていることから、質問に対する回答内容自体に問題があることは明白ではないでしょうか。 www.informit.com

このあたりがChatGPT(Legacy GPT-3.5)とChatGPT Plus( GPT-3.5(gpt-3.5-turbo) や GPT-4)との大きな差となります。ChatGPT(Legacy GPT-3.5)の場合は間違っている情報が回答されることも多いため、より注意して内容を確認する必要があります。

余談な話ですが・・・

ちなみにChatGPTと似たような機能のBing Chatという機能がMicrosoftからリリースされており、こちらもベースのエンジンはOpenAIのものを使用しています。メリットとしてはBingの検索結果が回答内容に反映されているため、チャットの回答で得られる情報が古くないことと、デメリットは往復回数に制限があり過去の質問内容を履歴として残すことができないことです。ChatGPTもBing GPTもうまく使う事で生産性を大きく向上することができます。まだ試したことがない方はぜひ試してみてはいかがでしょうか。

この記事がどなたかのお役に立てれば幸いです。

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マネージドサービス部所属。ネコが好きです。