はじめに
こんにちは、技術1課の山中です。 今年に入り YouTube でライブ配信を行う機会が急に増えてきたのですが、ライブ配信って難しいですよね。 そんな中、 AWS から簡単にライブストリーミング配信ができるサービスが登場したとのことなので、試していこうと思います!!
Amazon Interactive Video Service (Amazon IVS) のご紹介
Amazon Interactive Video Service とは
Amazon Interactive Video Service (Amazon IVS) とは、わずか数クリックでセットアップできるマネージドライブストリーミングソリューションです。 複雑だったライブ配信環境を AWS 上で簡単に構築できます。 Amazon IVS を利用することで、 YouTube Live や Twitch といったストリーミングプラットフォームを利用することなく、自分自信で開発したアプリケーションやウェブサイト上で動画を直接配信することが可能となります。
Amazon Interactive Video Service
対応リージョン
Amazon IVS が利用できるリージョンは現在以下の 3 リージョンです。
- バージニア北部
- オレゴン
- アイルランド
料金
Amazon IVS は従量課金制です。 Amazon IVS へのビデオ入力の合計時間と、視聴者に配信されたビデオ出力の合計時間に対して料金が発生します。
- ライブビデオ入力コスト ビデオ入力の料金は、チャネルタイプによって異なります。
チャネルタイプ | 1 時間あたりの料金 | 説明 |
---|---|---|
標準 | $ 2.00 | 元の入力から様々な品質の出力 (1080p、720p、480p) が生成され、視聴者の状態に合わせて最適な動画を提供する |
ベーシック | $ 0.20 | 最大 480p の解像度で元の入力をそのまま視聴者に提供する |
- ライブビデオ出力コスト ライブビデオ出力の料金は、視聴者に配信する時間と配信元の場所によって決まります。
解像度 | 1ヶ月あたりの配信時間 | 北アメリカ | ヨーロッパ | ブラジル | 日本、香港、シンガポール、タイ | 台湾 | 韓国 | オーストラリア |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
SD | 最初の10,000時間 | $0.0375 | $0.0375 | $0.060 | $0.065 | $0.080 | $0.125 | $0.085 |
10,000時間以上 | $0.035 | $0.035 | $0.055 | $0.060 | $0.075 | $0.1175 | $0.080 | |
HD | 最初の10,000時間 | $0.075 | $0.075 | $0.120 | $0.130 | $0.160 | $0.250 | $0.170 |
10,000時間以上 | $0.070 | $0.070 | $0.110 | $0.120 | $0.150 | $0.235 | $0.160 | |
フルHD | 最初の10,000時間 | $0.150 | $0.150 | $0.240 | $0.260 | $0.320 | $0.500 | $0.340 |
10,000時間以上 | $0.140 | $0.140 | $0.220 | $0.240 | $0.300 | $0.470 | $0.320 |
試してみる
早速試してみましょう。 Amazon IVS は東京リージョンで利用できないので、今回はバージニア北部リージョンで試していきます。
チャネルの作成
AWS マネジメントコンソールを開き、 Amazon Interactive Video Service にアクセスします。 はじめに、以下のような画面が表示されるので チャネルの作成 ボタンをクリックし作成を開始しましょう。
セットアップ画面で チャネル名 と チャネル設定 を指定します。 チャネル設定では、 チャネルタイプ と 動画レイテンシー を指定でき、動画レイテンシーについては以下のような違いがあります。
- 動画レイテンシー カメラがライブストリームをキャプチャしてから視聴者の画面にストリーム動画が表示されるまでの時間を設定することができます。
設定値 | 説明 |
---|---|
超低レイテンシー | 5 秒未満のレイテンシーを実現し、インタラクティブな体験を構築するのに最適 |
標準レイテンシー | 10 秒ほどのレイテンシー |
今回は、 デフォルト設定 のまま進めていきます。 デフォルト設定 を選択後、 チャネルの作成 ボタンをクリックします。
5 秒くらいでチャネルの作成が完了し、ストリーム設定用の RTMP URL 、ストリームキー、再生設定用の URL が表示されるので、控えておきましょう。
OBS から配信
今回は Open Broadcaster Software®️ | OBS を利用してストリーミング配信を試してみます。 OBS を開き、 設定 → 配信 で以下を入力して OK ボタンをクリックします。
項目 | 値 |
---|---|
サービス | カスタム |
サーバー | [Amazon IVS チャネルのストリーム設定用 RTMP URL] |
ストリームキー | [Amazon IVS チャネルのストリームキー] |
これで OBS 側の設定は完了なので、配信を開始します。今回は YouTube で先日のイベント動画を再生し、それを OBS でキャプチャして配信しています。 配信を開始すると、 Amazon IVS の ライブストリーム タブで配信している内容を確認することができます。 右が OBS 、左が Amazon IVS のプレビュー画面なのですが、バージニア北部でチャネルを作成しても遅延が 6 秒 ほどで収まっていることがわかります。 すごいですね〜 今回は省略しますが、再生用 URL を自分のアプリケーションに埋め込めば、同じように再生できるはずです!
おわりに
なんとなくライブストリーム配信って難しいイメージがあったのですが、 Amazon IVS を利用すると簡単に環境が作成できて、なおかつ、低レイテンシーな配信ができるとはすごいですね!!! 社内で行っている YouTube Live も Amazon IVS でチャレンジしてみようと思います。(時期未定
また、この内容は 2020/7/22(水) 18:00 よりYouTube にて配信する「30分でわかる AWS UPDATE!」で取り上げますので、是非ご覧ください! チャンネル登録よろしくおねがいします!! サーバーワークス チャンネル - YouTube