EC2のAuto Scalingでスケーリングポリシーの有効/無効が可能になりました

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こんにちは、技術1課の小倉です。
2020/2/19にアップデートがあり、EC2のAuto Scalingでスケーリングポリシーの有効/無効の設定ができるようになりました。

Amazon EC2 Auto Scaling がスケーリングポリシーの有効化と無効化をサポート開始

今まで、一時的にスケーリングポリシーを有効/無効にしたい場合は、スケーリングポリシーの削除/再作成と面倒な作業でしたが、本アップデートによって数クリックでできるようになりました。

Auto Scalingとは

Auto Scalingとは、サーバの負荷状況などに応じて自動的にサーバの台数を増やしたり減らしたりしてくれる機能です。例えば、負荷が高い時にはサーバの台数を増やしてそれぞれのサーバの負荷を軽減したり、負荷が低い時にはサーバの台数を減らしてコストを削減することができます。

以下のブログにAuto Scalingの設定方法が書かれています。設定についてはこちらを参考にしてみてください。かなり前に書かれたブログですが、設定方法は「タグを設定」が増えているくらいでほとんど変わっていませんでした。
AWS AutoScalingがManagement Consoleで設定できるようになったのでちょっといじってみた

アップデートがあったスケーリングポリシーとは、どのような条件で自動的にサーバの台数を増やしたり減らしたりするかを決める設定のことです。設定できる項目は以下です。上記のブログにスケーリングポリシーの設定画面がなかったので、追加しておきます。

  • スケーリング範囲
    • スケーリングする最小と最大のサーバの台数を指定します。
  • 名前
    • スケーリンググループの名前です。
  • メトリクスタイプ
    • どのメトリクスをスケーリングの条件にするかを選べます。
      • CPUの平均使用率
      • ターゲット別のApplication Load Balancerリクエストの数
      • 平均ネットワーク入力(バイト)
      • 平均ネットワーク出力(バイト)
  • ターゲット値
    • メトリクスの閾値を指定します。
  • ウォームアップ期間
    • Auto Scalingでサーバ台数を増やしてもすぐにサービスを開始できるわけではないので、サービス開始できるまでの時間を入れます。これを設定しないと負荷が高い状態が続いているので、もう1台余計にサーバ追加が起こります。
  • スケールインの無効化

このスケーリングポリシーを無効にすると、無効にする直前のサーバの台数が保持され、仮にサーバに負荷がかかっても台数の変更は行われなくなります。

スケーリングポリシーの有効/無効の手順

以下、手順です。
Auto Scalingグループの設定画面を表示し、画面上の[Go to the new console]をクリックします。
新しいデザインに変更しないとスケーリングポリシーの有効/無効ができません。

新しいデザインに変更したら、対象のAuto Scalingグループを選択し、画面下の[Automatic Scaling]をクリックします。

対象のスケーリングポリシーを選択し、[アクション] - [Disable]をクリックするとスケーリングポリシーが無効になります。

スケーリングポリシーが無効になりました。

有効にするには、対象のスケーリングポリシーを選択し、[アクション] - [Enable]をクリックすることで有効にできます。

まとめ

今まではスケーリングポリシーを一時的に有効/無効にしたい場合は削除/再作成しなければいけなかったのが、数クリックで有効/無効ができるようになりました。

ユースケースですが、AWSの記事中ではメンテナンス期間などのイベント中に使えるようなことが書かれていましたが、おそらくメンテナンス中に負荷がかかって意図せずサーバの台数を増やさないようにするためなのかと想定しています。一時的にスケーリングさせたくないときに使ってみてください。

小倉 大(記事一覧)

アプリケーションサービス部ラーニングエクスペリエンス課 札幌在住

AWSトレーニングの講師をしています。

最近は5歳の息子と遊ぶのが楽しいです!

Twitter: @MasaruOgura