CloudEndureを使ってオンプレミスからAWSに移行する際のTipsあれこれ

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CloudEndure、オンプレミスからクラウドにサーバーを移行するときに便利なツールです。移行に際してのTipsがいくつか得られましたので、記事にまとめました。
 

1. ターゲットサーバのIPを指定したい

CloudEndureを用いてオンプレからAWSへの移行を行う場合、移行を始める前にAWS上にレプリケーションサーバーとコンバージョンサーバー(どちらも、移行作業を進行させるため必要となるサーバー)が立ち上がります。これらのサーバーもIPアドレスを取得するのですが、これがターゲットサーバー(データなどを移行する先のサーバー、レプリケーション/コンバージョンサーバーとは別)のIPアドレスを先に取得してしまう可能性があります。レプリケーション/コンバージョンサーバーのIPアドレスは自動で取得されるので、こちらで指定したり固定することはできません。
ターゲットサーバーのIPアドレスが先にレプリケーションサーバーによって取得されてしまうことを防ぐには、以下のような手順が推奨されます。
1. VPCのサブネット内で、取得したいターゲットサーバのIPを指定したENIを作ってしまい、移行を開始 
2. レプリケーションサーバを起動(上記ターゲットサーバのIPアドレスは回避される) 
3. データ移行を終えた後、ターゲットサーバのBLUEPRINT設定内の”PrivateIP”項目で、上記ENIを選択
4. レプリカを起動
なお、コンバージョンサーバの動作時間は、2分程度です。サーバの台数は移行対象の台数やディスク容量には依存しませんが、複数台同時にレプリカ作成を実行した場合には、レプリカ2台あたり1台のコンバージョンサーバが起動する仕様となっています。

2.EBSスナップショットの上限数に注意

移行の際、コンバージョンサーバがレプリカインスタンスを起動する前に、EBSスナップショットを作成します。その際、 EBSスナップショットには上限数がありますので、それにひっかかってしまうとEBSスナップショットが作成できず、起動に失敗します。

3. Pause状態から再開をしたときの必要時間について

レプリケーションを一時停止(Pause)し、その後同期を再開させた時は、再開時間はどのぐらいになるのでしょうか。
再開の処理自体は5分以内に開始されますが、その後エージェント導入のサイト同様のプロセスで順次チェックが行われ、差分同期が開始されます。なので、その時の状況によって必要時間は差があり、一概には言えません。余裕を持った時間配分が必要となります。

4. 同期の一時停止は、移行元サーバからも管理が可能

同期の開始/停止/再開は、通常はCloudEndureコンソールから行いますが、移行元のサービス停止、再起動でも同期をコントロールすることができます。再起動時には、ディスクがスキャンされ、停止中に書き換わったブロックの同期が行われます。

(なお、コンソールからの開始/停止方法や、エージェントの開始/停止に関しては、公式ドキュメントの以下のページに記載があります。)
■ 同期の開始/停止/一時停止方法(コンソール)
https://docs.cloudendure.com/#Managing_Your_Solution/Starting_and_Stopping_Replication/Starting_and_Stopping_Replication.htm?Highlight=agent%20start
■ エージェントの開始/停止(移行元)
https://docs.cloudendure.com/#FAQ/Troubleshooting_Agent_Issues/Error_Agent_Is_Not_Running_Properly.htm