アメリカにおける宅配業者の配達について

記事タイトルとURLをコピーする

皆さんこんにちは。


カリフォルニアオフィスの臼坂です。


今回は、アメリカにおける宅配パッケージの配達について書きたいと思います。

アメリカでの買い物

アメリカに住んでいると、大きな都市の中心部に住んでいない限り、ちょっと買い物に行くというと、車を運転してお店に行き、買い物をするという生活になります。車で買い物に行くというのは、大量にものを買って持ち帰ることができるという点においては非常に便利なのですが、ちょっとひとつだけ買いに行くという観点からすると、少し面倒な作業になります。


至急で必要な場合は仕方がないのですが、そうでない場合は、わざわざ車を運転して買い物に行くのは面倒になります。


そのような中、Amazon.comのようなE-commerceサイトは、自宅にいながらにして欲しいものをオーダーし、自宅まで配達してくれるという非常に便利なもので、Amazon.comでオーダーしたことが無いという人はいないのではないかと言うくらい、私を含め、私の周りの人はE-commerce(特にAmazon.com)を利用しています。


特に、普通のお店で買い物するよりも、安く買い物ができるというメリットもあり、その利用は年々増え続けています。2017年のAmazon.comにおけるオンライン売上高は、約$108 billion(約11兆円)にもなり、その販売規模の大きさに驚かされます。

商品の配達について

日本では、昨年秋にヤマト運輸の値上げが大きなニュースになりましたが、アメリカでは特に輸送業者とアマゾンの間でもめ事が起きているニュースはありません。

ただ、商品の配達に関しては、日本とは大きく異なっています。


日本では、配達業者は、商品を配達しに行った先が不在の場合、宅配ボックスや受付などの商品を預ける場所が無い限り、不在票を置いて商品を持ち帰ります。その後、再配達を行います。私からすると、商品が盗まれたりしないようにして、確実に商品が配達先に届くようにするために当然のことと思います。


しかしながら、アメリカでは、販売者が「要受け取り署名」の指定をしない限り、配達業者は不在の場合、家の玄関の前に商品を置いていきます。(製品価格が高い製品を除いて、殆どの場合、受け取り署名は指定されていません。)


商品の盗難

盗んでくださいと言わんばかりに、ただ家の玄関の前に置いておくだけなので、盗難も良く発生しています。私自身も、過去3回ほど盗難にあっています。


特に、クリスマスシーズンには、クリスマスプレゼントが盗まれるという事件が多発し、良くニュースとして取り上げられています。中には、セキュリティーカメラを設置して、商品を盗む現場を録画し、犯人逮捕につながったりするケースもあります。

しかしながら、犯人が捕まるのは稀なケースで、その殆どは商品が無くなってしまうという状況に陥ります。


アメリカの大雑把なところというか、凄いとところいうか…は、商品が盗まれた場合、そのことをAmazon.com等の販売元にレポートすると、商品がある場合、すぐに無償で新しい製品を再度送ってくれるところです。


サービスとしては当たりの事なのですが、そういった事があるということが前提となった対応になっていることには、正直驚きます。特にAmazon.comなどは、盗難のレポートも煩わしいものではなく、非常に簡単に手続きができるようになっています。

日本の配達文化に慣れ親しんでいる者からすると、この寛容的な対応には驚きます。

対応策

さすがのアマゾンも、この盗難問題が大きな問題となってきたのか、昨年「Amazon Key」というソリューションを発表しました。

これは、アマゾンが提供するスマートドアロックをドアに取り付けることにより、不在時に、輸送業者の配達員がドアの鍵をあけ、家の中に商品をおくことができるようにするというソリューションです。

正式な発表等はありませんが、Amazonが昨年買収したBlinkや、昨日買収の発表があったRingなどのスマートドアベル会社に関しても、Alexaを中心とするスマートホームソリューションというだけではなく、このパッケージ盗難という問題の防止策を担うソリューションとしても考えているのかもしれません。

最後に

アメリカでは、人里を離れたところに住んでいる人もいることから、再配達をするのが難しい状況もあるので、そういう方への配達は取りあえず玄関先に置いておくということは仕方のないことかも知れません。またユーザーの立場としては、販売元が責任を取って対応してくれるので有難いのですが、そもそも配達業者の役目として、商品を発送者から受領者に届けるということがあると思うのですが、その役目を完結していないというところに根本的な問題があるように思うのは私だけでしょうか…


ちなみに不在届がある場合は、インターネット経由、もしくは電話で連絡することにより、再配達日時を指定することができます。