ご存じの方もいると思いますが、Slackは従来からの働き方が変わりつつある企業のE-mailコミュニケーションにおける情報の共有、チームやグループでのインターラクティヴなニケーションといった問題点を解決するコミュニケーションツールを開発しており、その導入は、今や大企業からスタートアップまで、幅広い会社に採用されている次世代コミュニケーションツールの覇者となっている会社です。
(ちなみにサーバーワークスでは、かなり以前から社内のコミュニケーションはすべてSlackにて行っております。)
今回、そんな勢いに乗るSlackのカンファレンスに行ってきましたので、皆さんに紹介させて頂きます。
カンファレンス会場について
今回、Slack「Frontier」カンファレンスが行われた場所は、サンフランシスコにあるPier 27という場所で、ここはクルージング用の客船のターミナルという側面と、イベント会場としての側面を持つ、サンフランシスコ湾に面したとても綺麗な建物で行われました。
(Pier 27 : http://sfmetroevents.com/default.asphttp://sfmetroevents.com/default.ast.at.asst.at.as)
会場に入ると受付があり、そこでバッジを受け取ります。
受付を通り会場の中に入ると、そこには、Slackのパートナー企業のブースやSlackの操作操作などを学ぶスペースがあります。
そして、来場者へふるまうため、地元のパン屋さんからケータリングしている朝食が並んでいました。
カンファレンスを行う会場は、この建物の2階部分に、ブレークアウトセッション用の少し小さめのカンファレンススペースが2つあるのと、別の建物にキーノートスピーチを行うメインカンファレンスルームとメインより一回り小さいサブカンファレンスルームの2つの大きなスペースがあります。
メインカンファレンス会場は、およそ2000名が入れるくらいの広さがありました。
カンファレンスについて
冒頭に、Slack CEOのStewart Butterfield氏が挨拶を行い、続いてVP or ProductのApril Underwood女史がSlackのアップデートの説明を行いました。April Underwood女史は、会社の顔的な感じで、会場のほとんどの人が知っている有名人という感じでした。
現在Slackは、55%のがアメリカ国外のユーザで、もの凄く速いペースで数が増えていっているという説明がありました。
今回のカンファレンスにおけるSlackのアップデートとしては、フランス語、ドイツ語、スペイン語に続き、待ちに待った日本語対応が年内になされるという説明がありました。日本では、既に35,000人のユーザがいるとのことで、米国に次ぐ市場となっていることから、かなり力をいれてきているなという印象を受けました。
また、B-to-Bのコミュニケーションへの対応要望が多いことから、”Shared Channel”を作り、別々の組織が持つ2つのSlackをつなげることができるようにすると発表がありました。これにより、別々の組織や会社が、”Shared Channel”を使って、インターラクティヴにコミュニケーションが取れる環境が提供されるようになるという画期的な機能の追加となることから、この発表の時には、会場から歓喜の声が上がりました。
セキュリティが心配な部分がありますが、企業間でのインターラクティヴなコミュニケーション環境が構築できるというのは、これからの新たなコミュニケーションのあり方を感じさせる機能だと強く思いました。
加えて、コミュニケーションを円滑に図ることを鑑み、メッセージのフォーマットをもっと充実させるとともに、オフラインでも使用ができるようにするといった機能、インタラクティブなスクリーン共有という機能も追加するという発表がありました。
別のセッションでは、企業向けの機能として、管理者向け機能の充実を図るという説明とともに、Slackが積極的にMachine Learningの機能を充実させていくという説明がありました。様々な分野でMachine Learningが活用されている中、Slackも力を入れていることが伺えました。Machine Learningにおいては、下記のような機能を考えているとの説明がありました。様々な分野でMachine Learningが活用されている中、Slackも力を入れていることがうかがえるとともに、Machine Learningにおいては下記のような機能を考えているとの説明がありました。
- Priority Reading:表示するChannelを頻度によりプライオリティ付けをして表示する
- Universal Search:様々な形での検索を可能にする
- Smart Filters:フィルターをもっと直感的に使えるようにする
- Instant Search:Google Searchのような検索ができるようにする
- Discovery:Slack側から、本人が見逃していると思われる情報を能動的に表示する
- Organizational Insight:Slackの様々な利用状況をレポートする
今回のカンファレンスに参加し、Slackがただ単なるコミュニケーションツールではなく、コミュニケーションプラットフォームとしての地位を確立していることを知りました。Slackをプラットフォームとして、様々な3rd Party向けのAPIが用意されており、様々なサービスを提供できるような環境を提供している状況でした。3rd Partyのアプリケーションは、Slackと連動するもの、Slackの拡張機能的なもの、Slackへ通知等を行えるようにしているものと、様々な形のものがありました。既に1000を超えるアプリケーションがあり、コミュニケーションを柱としたエコシステムが出来上がっていることを改めて認識しました。
まとめ
今回、Slackのカンファレンスに参加した中で、中小企業のみならず、大企業がSlackを利用し、生産性効率の向上を図っているということを改めて認識するとともに、コミュニケーションというビジネス活動の根幹の部分をプラットフォーム化することにより、サービスのエコシステムを構築するという考え方を学ぶことができました。
また、カンファレンスの中で、文字でのコミュニケーションでは、相手がどのように本当に思っているかということを理解することは難しく、誤解が生じることがあるという話がありました。確かにその通りで、Face-to-Faceのコミュニケーションではない文字のコミュニケーションの大きな問題点と言えるものです。その解決策として、ニュアンスを伝えるために積極的に絵文字を使用する必要があるという話がありました。確かにコミュニケーションにはニュアンスというものがあり、実はこのニュアンスというのは非常に重要で、文字だけでは伝わらない。でも、絵文字を加えるだけで、確かにニュアンスを伝えることができると目が覚めるような思いでした。一般的に、絵文字はどうしても友人とのコミュニケーションに使うもので、非常にカジュアルなコミュニケーションに使うものという感があるかと思いますが、ニュアンスを伝えるツールとして、絵文字を積極的に使ってみてはどうでしょうか。
新しいコミュニケーションのあり方を考えるとともに、リモートで働くといった働き方の環境が変わっていく今、Slackのようなコミュニケーションツールは、今までのE-mailを使ったコミュニケーションの限界を打ち破るこれからのツールであると強く感じるカンファレンスでした。