こんにちは、カリフォルニアオフィスの臼坂です。ブログ第二弾として、シリコンバレーについて書いてみました。
皆さんは、シリコンバレーと聞いて、どんなところだと思いますか?
私は、初めてシリコンバレーに来るときに、インテル、アップル、グーグル、オラクル、アドビ、フェイスブック等々、ハイテク企業がひしめき合う地域ということで、高層の近未来的なビルが立ち並ぶ街を想像していました。
ところが実際に来てみると、高層ビルなんてものは数えるほどしかなく、殆どが平屋の建物だったり、2階建てや3階建てだったりと予想とは違い、何か普通の街並みで驚いたことを覚えています。
(アドビとオラクルは、高層ビルだったので、ある意味予想通りと言う感じでした)
ようやく最近になって、5階から10階建て程度のビルが建ち始めた感じです。
また、恥ずかしい限りですが、私が初めてシリコンバレーに来た時、シリコンバレーというのはハイテク企業が集まる特定の市だったり町だったりをそう呼ぶんだろうなぁと思っていたのですが、そうではなく、南サンフランシスコからサンノゼにかけてのかなり広い地域の事をシリコンバレーと呼んでいることを知り、これもまた驚いたものでした。
シリコンバレーの中でも、最も起業家たちが集まる街としては、Palo Alto、Menlo Park、Los Altos、Stanfordという地域で、ちょうどシリコンバレーの真ん中の地域になります。ここは、HP、AppleやGoogleが生まれた地域で、今でも沢山の起業がなされている地域になります。
天候はというと、一年のほとんどの日が晴れています。雨季は冬になりますが、日本の梅雨のような感じではなく、一日中雨がふるというのは非常に稀です。夏は、日中暑くなりますが、朝夕は涼しいため、冷房をつけないと過ごせない夜というのは一週間から二週間程度のみです。
冬は比較的暖かく、ダウンジャケットなどは全く必要なく、夜でもセーターを一枚着れば大丈夫という気温です。ただ、San FranciscoやDaily Cityという場所は少し変わっていて、夏は霧が多く発生することから非常に涼しく、特に夜はダウンジャケットなどを着ないと寒くて外を歩けない状況です。私も初めて夏にサンフランシスコに来た時に、あまりの寒さにジャケットを買って過ごした思い出があります。
さて、シリコンバレーの歴史を見ると、その発祥は1950年代にさかのぼります。William Shockleyという人物が、トランジスターを製造する会社を設立しますが、経営者として少し問題があったようで、その会社を辞めた人々が、インテルを含め、数々のICチップの会社を設立したことにより、シリコンバレーと呼ばれるようになったとのことです。
また、その流れの中で、1956年ヒューレットパッカードなど、シリコンバレーから上場する会社が生まれ、政府の税制改革もあと押しする形で、ベンチャーキャピタルも資金の調達が容易になり、新規ビジネスに対して投資をするという環境が出来上がって行ったという状況です。
昨今シリコンバレーでは、Apple、Google、Facebookと言った莫大な資金力をもったIT企業のエンジニア獲得戦争が激化していて、シリコンバレーの人口は右肩上がりに増えている状況です。それに伴い、土地の価格も上昇し、異常な高値をつけるようになっています。賃貸アパートにしても、年々価格が異常に上がっており、米国の中で一番家賃が高い地域になっています。
住んでいる人種としては、その昔カリフォルニアがメキシコの領地だったということもあり、メキシコ人が多いのは多いのですが、シリコンバレーには非常に多くのアジア系の民族が住んでいます。その中でも、中国人、ベトナム人、フィリピン人はかなりいます。また、ここ5・6年では、インド人の人口増加は本当に著しい状況です。残念ながら、日本人はかなりマイノリティの部類に入ってしまい、少し寂しく思うところでもあります。(※下記クリックで拡大します)
ただ、注目したいところは、これだけ多くの人種がいながらにして、企業や社会が機能しているというところが、凄いところだと思います。様々な人種がいるということは、それだけ多くの違った価値観があり、物事の見方があるということになります。
当然、異なった人種が多いと様々な問題が発生するのですが、異なる意見を議論を交わすことによって相互理解をするとともに、同じ方向に進む力にするという環境は、日本にはあまり見られないもので、こういった環境が色んな新しい発想やビジネスを発生させる源泉なんだなと思っています。
柔軟な発想を出させるために服装もカジュアルにしているという話は、日本でも聞いたことがあると思いますが、その考えのもととなったシリコンバレーで働く人たちの服装はというと、ご想像の通りだと思いますが、Tシャツとジーンズというのは当たり前で、スーツ等を着ている人はほとんどいません。
私は、服装を考えるのが面倒なので、客先に訪問する際はスーツを着ておりますが、行く先々で「おいおい、ここはシリコンバレーだよ!何でスーツなんて着てるの?」といじられています。その一方で、逆にスーツを着ていることで、相手によく覚えて貰えるというメリットがあるので、客先に出かけるときは、いまだにスーツを着ています..
そんなシリコンバレーですが、起業が活発に行われる理由としては、ベンチャーキャピタルやエンジェル(個人投資家たち)のもとに新しいビジネスに対する投資資金が潤沢にあり、その資金を基にベンチャー企業が発展できるというエコシステムが出来上がっていることはもとよりですが、シリコンバレーの文化として大きな特徴だと思うことは、起業の失敗に対して非常に寛容な文化であるということが言えると思います。
シリコンバレーでは、起業に失敗した人が、新しいアイデアをもとに新たに起業をするということは珍しくなく、また投資する側も、一度の失敗ですべてを判断するということはなく、新しいアイデアが良ければ投資をするという姿勢があります。こう言った失敗に対して許容される文化というものが、絶えず新しいことにチャレンジする環境を作り、起業家たちを魅了し、新しいサービスや製品が誕生する原動力になっています。
シリコンバレーでは、取りあえずやってみよう!という精神からか、何かしら勢いを肌で感じることができるところではないかと思います。
機会があれば、是非、シリコンバレーに足を運んで頂き、その空気を体感して頂ければと思います。