Amazon Route 53 への汎用JPドメインの移管について

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こんにちは、MSP課の下山です。下期(9月開始)からMSP課に配属となり、主に運用子会社のスカイ365への運用代行移管の橋渡しを行っています。10月にはスカイ365のメンバーや業務を把握するためにスカイ365オフィスの構える札幌に出張に行き、CloudRoadshow札幌の展示員やJaws-UG札幌にも参加してきました。今回のブログでは、

  1. ドメイン関連の用語や管理体制について
  2. ドメインのレジストラの変更方法
  3. Amazon Route 53への汎用JPドメインの移管の流れ

について解説します。

1.ドメイン関連の用語や管理体制について

まず、用語や組織について説明します。

  •  ICANN
    • 世界中のドメイン名の取り決めや管理を行う非営利団体
  •  レジストリ
    • 特定のTLD(トップレベルドメイン)の運営、登録されたドメイン名のデータベースの管理などを行う、ICANN公認の団体
    • 例えば、.jpドメインのレジストリはJPRS、.comや.netのレジストリはVeriSign
  •  レジストラ(指定事業者)
    • レジストリとエンドユーザーの間の仲介事業者。こちらもICANN認定
    • Doレジ、お名前.comなど
  •  リセラー
    • レジストラに認可されたドメインの再販、登録代行事業者。
    • ムームードメイン、SAKURA Internetなど

図にすると以下のようになります。

汎用JPドメインはレジストリJPRSが管理しているドメインです。レジストリであるJPRSと契約するためにはレジストラを仲介する必要があります。JPRSは登録者情報や登録者番号(Reg-xx-xxxx-xxxx)でユーザーを識別し、ドメインはユーザーに紐づく管理体制となります。ここでの登録者情報は、Whoisで確認できる公開連絡窓口情報とは異なります。AWSはリセラーに該当します。また、「Amazon Registrar, Inc.」というAmazon の会社があり、こちらはレジストラを担っています。(※常にAmazon Registrar, Inc. を通じてドメイン名登録サービスを提供しているわけではありません。AWSがドメイン名登録サービスを提供するためのレジストラは複数あります)

2.ドメインのレジストラの変更方法

ドメインを別のレジストラに移管する際には方法が二通りあります。一つは、登録者情報ごと別のレジストラに移管する方法であり、「レジストラ移管」や「指定事業者変更」などと呼ばれます。

もう一つは、別のレジストラで管理されている別の登録者情報の下にドメイン名のみ移管する、「ドメイン名移転」です。

Amazon Route53にドメイン移管を申請すると、「ドメイン名移転」が実施されます。AWSサポートに問い合わせみたところ、「指定事業者変更」は扱っていないとのことです。

3.Amazon Route 53へのドメイン移管の流れ

以下の図のようになります。

①Route53コンソールにてAWSへ申請します
②AWSからドメイン名移転承認確認メールが届きます
③メールにてドメイン名移転を承認します
④AWSもしくはレジストラからJPRSへ、ドメイン名移転を申請します
⑤JPRSから移管元レジストラへ、ドメイン名移転について確認します
⑥移管元レジストラからエンドユーザーへ、JPRSからの連絡が正しいかどうかチェック連絡が来ます
⑦エンドユーザーから移管元レジストラへ、移管が適切である旨や移管先の情報など移管元レジストラが指定した情報を伝えます
⑧移管元レジストラからJPRSへ、ドメイン名移転の承認を連絡します
⑨JPRSからAWSもしくは移管先レジストラへ、ドメイン名移転の結果を通知します
⑩Route53コンソールからドメイン名移転が完了したことが確認できます

ユーザー側での作業としては、①のRoute53での申請、③のドメイン移管の承認、⑦の移管元レジストラからの手続きへの対応の3点です。
※レジストリ毎に移管の手順は異なりますので、汎用JPドメイン以外の移管の場合は上記のフローが当てはまるとは限りません。

①のRoute53での申請については、AWSの公式ドキュメント「ドメイン登録の Route 53 への移管」をご覧ください。.comドメインのRoute53への移管はこちらの弊社多田のブログでも紹介しています。合わせてご覧ください。