CLUSTERPRO Dでリージョン間HAクラスタを組む

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こんにちは、技術3課の紅林です。ドラゴンクエストはⅤが一番好きです。嫁はビアンカ一択です。
さて、今回は、NEC社のHAクラスタリングソフト CLUSTERPRO Dを使って、 リージョン間HAクラスタを構成する手順やポイントを紹介したいと思います。

はじめに

以前、CLUSTERPRO Dを使ったクラスタを紹介する手順を紹介しました(以下リンク参照)が、これらの記事では、単一のリージョン(VPC)でのクラスタの構成を念頭に置いていました。
今回は、異なるリージョン(VPC)間でのインスタンス同士でクラスタの構成を考えます。

以前の記事

CLUSTERPRO Dを使ってEC2でHAクラスタを組んでみる
CLUSTERPRO DでElastic IPを用いたHAクラスタを組んでみる

クラスタの構成のポイント

AWSでクラスタを構成する場合、クラスタへのアクセスをどのようなリソースで実現するかが構成の大きなポイントの一つです。

例えば、CLUSTERPRO XではAWS用に標準で用意されていたのは、EIPリソースVIPリソースでしたが、これらのリソースでリージョン間のクラスタを構成するのは極めて難しいです。
EIPはリージョン間で共有出来ないため、構成が不可能です。
VIPは、VPC外のアドレスを対象とする必要がありますが、これをクラスタの共有リソースとして実現するには、クラスタの切替え時にルートテーブルだけでなく、VPC同士を接続しているVPNサーバでルーティングの切替えを行わなくてはいけないため、それなりに作り込みが必要となります。
したがって、リージョン間クラスタを構成する場合、Route 53を用いたDNSベースの切替えが最も手軽です。そして、CLUSTERPRO DではRoute 53ベースの切替えが標準で実装されており、これを利用することでリージョン間クラスタを構成出来ます。

構成図例

構成図例は以下のようになります。今回は、Vyattaインスタンスを用いたVPN接続でリージョン間を接続しています。

clusterprod-region

構築手順概要

基本的には過去の本ブログの記事の手順で構築出来ます。

1. VPC間でVPN接続

リージョン(VPC)間でVPN接続を構成します。以下の記事が参考となると思います。
VyattaでVPCを拠点間接続する

2.クラスタの構成

CLUSTERPRO Dをインストールして、クラスタを構成します。以下の記事が参考となると思います。
CLUSTERPRO Dを使ってEC2でHAクラスタを組んでみる
ただし、リージョン間の構成の場合、以下が注意点となります。

Route 53

上記の記事ではプライベートHosted Zoneを例としていましたが、今回は異なるVPCをまたぐ必要があるため、パブリックHosted Zoneを使用する必要があります。
こちらの記事の「CLUSTERPRO DでRoute53レコードを扱うための設定」でそのIDを登録し、それぞれのホストのグローバルIPアドレスまたはプライベートIPアドレスを設定することで、設定するレコードをクラスタにアクセスするためのリソースとすることが出来ます。

おわりに

以上になります。今回、CLUSTERPRO Dを用いてリージョン間でクラスタを構成するポイントをご紹介しました。
ちなみにわたしの好きなドラゴンクエストのモンスターはホークブリザードです。