Zabbix界のブラック・ジャック(無免許講師的な意味で)
伊藤です。
くりゅうと呼んでいただければ返事します。
さて、2014年11月21日に実施された
Zabbix Conference Japan 2014に参加してきましたので、
気になった発表についてレポートします。
アジェンダについてはリンク先をご参照ください。
発表資料については、後日公開されると思います。
5 Things to Improve in Zabbix
ラトビアのZabbix SIA CEOのAlexei Vladishevによる、「Zabbix3.0以降で実現したい・検討したい項目」についての発表でした。
Zabbixのプラットフォーム選択の経緯と開発から15年たった今、見直したい構成などの話でした。
その中で今後ユーザとして影響がありそうな検討項目としては
- WEBフロントエンド実装をPHPから別の何かに検討
(Serverサイドはキャッシュの実装など効率化が進んでいますが、フロントエンド側はキャッシュなどが無く動作の効率化が進んでいないため) - APIをフロントエンドからServerサイドへ移行
(上と同じですが最近APIを使った関連ツールなども出てきており動作の効率化や権限管理上も是非とも実装して欲しい機能だと思います。) - レポート機能の強化
- 可視化機能の強化
- 設定情報とヒストリDBの分割
ヒストリのNoSQLやファイルベースなどの検討 - Zabbix通信の暗号化
などでした。
3.0で実装される機能ではなく今後検討していく機能なので、次のバージョンというよりもZabbixのもう少し長期的なビジョンという位置づけだと思います。
Zabbix 3.0に向けた取り組みと新サービスについて
Zabbix Japan LLC代表の寺島広大さんから、Zabbix Japanのサービスについての発表でした。
新サービスとして、複数台のZabbixアプライアンスを統合管理できるグローバルダッシュボードというサービスのbata版が紹介されていました。
その他
ニフティクラウドでのZabbixによる仮想基盤監視について
ニフティクラウドの日下部 さんから、5000台の以上の仮想マシンが存在する場合のVMware監視機能の挙動やpatchについての発表
Zabbix でミドルウェア毎に効率的にデータを収集するために作った仕組みの話
サイバーエージェントの長谷川さんから、MySQLの統合監視ツールblackbirdのご紹介などがありました。
感想
また、各パートナー社からの発表など全体的に感じたのはZabbixと連携するレポートツールやジョブツールなど、Zabbixを中心としてその周辺ツールを開発して公開するようなエコシステムができはじめているのかなという感じを受けました。
Zabbix本体もZabbixと連携する各種ツールやサービスも、これからさらに発展していきそうです。
弊社でも、パッケージとしての公開はしていませんが、
CloudWatch連携監視機能やCloud AutomatorniとZabbixの連携によるAWS運用自動化などのソリューションをご提案できますのでぜひご相談ください。
ついでに
せっかく、Zabbix SIAのCEO・CTOに会える機会でしたので、64TBまでスケールして容量が大きくなっても性能劣化しないMySQL互換DBとしてAmazon Auroraを紹介してきました。
私のつたない英語でしたが、性能やコストメリットなどなかなか興味をもってもらえたようです。
Zabbixのクラウド展開としてなにか発展すればおもしろいですね。