JAWS SUMMIT 2012「AWSクラウドデザインパターン」コンテンツ配信編

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こんにちは、CSチームの坂本です。

3月3日(土)に開催されたJAWS SUMMIT 2012へいってきました。JAWS SUMMITの中の「AWSクラウドデザインパターン(CDP)」の概要とその中の「コンテンツ配信編」の内容を簡単にまとめたいと思います。

「AWSクラウドデザインパターン(CDP)」とは

まず、今回初めて披露された「AWSクラウドデザインパターン(CDP)」とはどういったものなのでしょうか。


『AWSを利用する場合の典型的な問題や解決方法をテンプレート化したもの』

あらかじめAWSを利用する際の設計・運用のノウハウをまとめて、『知っている人なら暗黙知である利用方法をわかりやすく形式知化してもっとAWSを普及していこう』、という目的で制作が始まったそうです。

「こういった場合はAWSでどういった設計・運用を行うのがよいのだろう? どういった注意点があるのだろう?」といった悩みに対して、今後助けとなるのではないでしょうか。

「AWSクラウドデザインパターン(CDP)」はまだbeta版であり、CDPの制作者の方々のみが制作するものではなく、一般の方々にも広くパターンを募集しているそうです。

パターンの中にはAWS特有のものではないパターンも含まれているとのことですが、既に45パターンが以下のWikiで公開されています。

クラウドデザインパターン(CDP) Wikiページ


クラウドデザインパターン(CDP) Facebookファンページ


コンテンツ配信編のシナリオ

MovableTypeを利用したブログをAWSのEC2インスタンス1台を利用してスモールスタートさせたが、まさかの大人気。その後、どう対応していくのか?といった内容です。

規模に合わせて適用パターンを変更することでインフラ面をカイゼンしていく流れとなっています。 詳細は資料をご確認ください。以下は簡単に流れをまとめたものです。

「AWSクラウドデザインパターン」コンテンツ配信編 資料

コンテンツ配信編のCDP適用の流れ

  1. EC2インスタンス1台を利用
  2. Web Strageパターンを適用
  3. Direct Hostingパターンを適用
  4. Cache Distributionパターンを適用

1. EC2インスタンス1台を利用

  • まずは仮想サーバー1台を利用するだけの一番シンプルな状態でスモールスタート。
  • その後重い動画を公開しなければならないという課題が発生。

【課題】動画を公開することになったが、EC2のスケールアップ・スケールアウトは費用がかさむ。


2. Web Strageパターンを適用

  • 静的コンテンツをS3上に移動していく。※S3はEC2に比べて安価。
  • まずは、動画や画像のみS3に移動。

CDP:Web Strageパターン

  • その後、更にアクセスが増加。
  • 動画と画像以外も何か手を打ちたい。

【課題】更にアクセスが増加。


3. Direct Hostingパターンを適用

  • その他の静的なコンテンツ(HTML, CSS)をS3上に移動。

MovableTypeの「スタティックパブリッシング」という機能を利用すれば、MovableTypeから静的なHTMLが生成できるので、公開する部分を全てS3に移動します。

MovableTypeで生成されたファイルをS3に定期的にコピーする仕組みにします。

CDP:Direct Hostingパターン

  • その後、海外のメディアでブログが話題になり、海外展開をすることになる。せっかくなので機会損失をしたくない。

【課題】まさかの海外展開をすることに。ユーザーに近い場所からの配信を可能にしたい。


4. Cache Distributionパターンを適用

  • CDNサービスを利用する。

このパターンは一言でいうとAWSのCDNサービス、CloudFrontを利用するパターンです。

CDP:Cache Distributionパターン

資料では上記の構成に手が加えられ、3つのサブドメイン(www, data, mt)を使用してまずはwww, dataの2台のS3でCloudFrontを利用しています。CloudFrontはキャッシュが1時間消えないという問題があり、コンテンツがリアルタイムで切り替わらないので、最終形は『動画と画像のdata(S3)のみCloudFrontを利用する』、という流れになっています。

最終形

  1. メインのブログコンテンツ:www S3(Direct Hosting)
  2. 動画・画像:data S3+CloudFront(Cache Distribution)
  3. コンテンツ管理、コメント投稿:mt EC2

以上、かけ足で簡単に内容をまとめてみました。詳しくは以下の資料で詳細が説明されていますので、ご確認ください。

「AWSクラウドデザインパターン」コンテンツ配信編 資料