こんにちは!カスタマーサクセス本部の加治屋です。
本記事では、AWS環境において、既存の暗号化されていないAmazon EBSボリュームを暗号化する手順について解説します。
この作業にはEC2インスタンスの停止・再起動が必要となります。
手順
作業全体の流れは以下の通りです。
- 既存のEBSボリュームからスナップショットを作成する。
- 作成したスナップショットを元に、暗号化を有効にした新しいEBSボリュームを作成する。
- 稼働中のインスタンスから古いボリュームをデタッチし、新しく作成した暗号化ボリュームをアタッチする。
Step 1: スナップショットの作成
まず、対象となるEBSボリュームのスナップショットを作成します。
- AWS マネージメントコンソールにログインして、EC2のコンソール画面に移動します。
暗号化したいEC2を選択し、「ストレージ」タブに移動し、ボリュームIDをクリックします。
EBSボリュームの画面に移動するので、「アクション」>「スナップショットの作成」を実行します。
(任意)必要に応じて説明やタグを設定し、「スナップショットの作成」をクリックします。
Step 2: 暗号化ボリュームの作成
ボリューム作成の開始
次に、作成したスナップショットから新しいボリュームを作成します。
- 画面左のナビゲーションペインから「Elastic Block Store」>「スナップショット」画面に移動します。
- 先ほど作成したスナップショットを選択し、「アクション」>「ボリュームの作成」を選びます。
ボリューム設定の入力
以下の設定項目を入力します。
- ボリュームタイプ、サイズ等:これらの項目は、スナップショットの元となったボリュームの設定が引き継がれます。必要な場合のみ変更してください。
アベイラビリティーゾーン (AZ):【要注意ポイント】
- ボリュームタイプやサイズとは異なり、AZは元のボリュームの設定が引き継がれません。デフォルトのAZが自動的に選択されます。
- 確認せず進めると後の工程でエラーが出るため、必ずアタッチしたいEC2インスタンスが稼働しているAZを正しく選択してください。
暗号化:「このボリュームを暗号化する」にチェックを入れます。
KMSキー:暗号化に使用するKMSキーを選択します。デフォルトのキー(aws/ebs)または独自に作成したCMKを指定します。
ボリュームの作成を実行
- 設定後、「ボリュームの作成」を実行します。これで、暗号化された新しいボリュームが作成されます。
- アタッチしたいEC2と同じアベイラビリティゾーンに作成されていること、「暗号化済み」となっていることを確認してください。
- アタッチしたいEC2と同じアベイラビリティゾーンに作成されていること、「暗号化済み」となっていることを確認してください。
Step 3: ボリュームの入れ替え(デタッチ&アタッチ)
最後に、古いボリュームと新しい暗号化ボリュームを入れ替えます。
対象のEC2インスタンスを停止します。
インスタンスにアタッチされている、元の暗号化されていないボリュームをデタッチします。この時、デバイス名(例: /dev/xvda や /dev/sdf)を控えておきます。
Step 2で作成した暗号化ボリュームを、インスタンスにアタッチします。元のボリュームと同じデバイス名を指定してください。
- インスタンスを起動し、OSが正常に起動すること、ボリュームが正しくマウントされていることを確認します。
以上で既存EBSボリュームの暗号化作業は完了です!
【補足】AZ選択ミスによるエラー例
スナップショットからボリュームを作成する際にアベイラビリティゾーンの指定を間違えると、暗号化したボリュームのアタッチ時に
「(暗号化ボリュームのAZ)に、一致する実行中または停止中のインスタンスはありません。」というエラーが出ます。
上記画像のようなエラーが出た際には、作成した新しいボリュームとアタッチしたいEC2インスタンスが、同じアベイラビリティーゾーンに存在するかを確認してみてください。
加治屋 (記事一覧)
2024年度新卒入社
はなかっぱの納豆が好きです