セキュリティサービス部 佐竹です。
AWS re:Invent 2025 で発表されました Database Savings Plans に「対象サービス拡張」のアップデートがありました。
はじめに
AWS re:Invent 2025 で新たに発表された4つ目の Savings Plans である Database Savings Plans (DB SP) について、以前以下のブログを記述しました。
上記ブログでは「Database Savings Plans を購入する前に一度は確認したい戦略ガイドと購入判断フロー」というタイトルで、「DB 系サービスの割引オプションの整理とまとめ」と共に DB 系のコスト最適化戦略を整理しました。
そのブログでは以下の通りの記述をしています。以下の3つのデータベースサービスが対象外、ということです。
- Amazon Redshift
- Amazon OpenSearch Service
- Amazon MemoryDB
これらには、既に独自の Reserved Instance (Node) があるため、その利用を推奨しました。
ですが、今回のアップデートで少し範囲が拡張されています。
AWS Update
Database Savings Plans now supports Amazon OpenSearch Service and Amazon Neptune Analytics
上記の What's New の通り、Amazon OpenSearch Service と Amazon Neptune Analytics が対象として拡張されました。
Database Savings Plans for Amazon OpenSearch
DB SP の対象として、Amazon OpenSearch が追加されています。
対象は、「サーバレス」と「インスタンス」どちらもです。どちらも20%割引となります。

OpenSearch Service Instance 側は、変わらず「第7世代と第8世代以降のみが対象」という仕様です。

DB SP は「1年 × 前払いなし」しか選択できません。このため、以下の通り RI と比較するとコスト削減率が低くなります。

上記は「3年 × 全額前払い」ですが、こちらでは 52% のコスト削減効果になるため、コスト削減を「より深く」行いたい場合は RI を採用するほうが良い場合があります。
Database Savings Plan for Amazon Neptune Analytics
Neptune instance と Neptune Serverless はリリース当初から対象でしたが、ここに Neptune Analytics が追加されました。

Neptune Analytics は、Neptune Serverless と同様に 30% のコスト削減率です。
Database Savings Plans 対象サービス一覧
Database Savings Plans の Pricing ページを参考に以下、一覧表を更新したものです。
| サービスカテゴリ | 詳細サービス名 | 備考 |
|---|---|---|
| Aurora & RDS | Aurora and RDS Instances | 基本となる対象 |
| Aurora Serverless v2 | Serverless も対象 | |
| Aurora DSQL | DSQL も対象になっています | |
| DynamoDB | DynamoDB | プロビジョニング/オンデマンド共に |
| ElastiCache | ElastiCache for Valkey Instances | Valkey インスタンス |
| ElastiCache for Valkey Serverless | Valkey サーバーレス | |
| DocumentDB | DocumentDB Instances | |
| DocumentDB Serverless | Serverless も対象 | |
| Neptune | Neptune Instances | |
| Neptune Serverless | Serverless も対象 | |
| Neptune Analytics | Analytics が対象に追加 | |
| Timestream | Timestream | Timestream for InfluxDB |
| Keyspaces | Keyspaces | for Apache Cassandra |
| DMS | DMS Instances | Database Migration Service |
| DMS Serverless | ||
| Amazon OpenSearch Service | OpenSearch Service Instance | |
| OpenSearch Serverless | Serverless も対象 |
公式の一覧で謎なのが、Amazon OpenSearch Service です。

なぜか Amazon OpenSearch Service だけは、他と異なり「Amazon OpenSearch Service」のタブにサーバレスも入っています*1。
DB 系サービスの割引オプションの整理とまとめ
以下も最新化しています。
| サービス | サービスの詳細 | 予約モデル | DB SP の対象か? | 推奨される購入戦略 |
|---|---|---|---|---|
| Aurora & RDS | Aurora / RDS Instances | あり (RI) | 対象 | 固定負荷は RI で最大化。移行予定や変動分のみ DB SP。 |
| Aurora Serverless v2 | なし | 対象 | DB SP 一択。 | |
| Aurora DSQL | なし | 対象 | DB SP 一択。 | |
| DynamoDB | Provisioned (Standard) | あり (RC) | 対象 | 固定負荷は RC で最大化。 |
| Provisioned (Standard-IA) | なし | 対象 | Standard-IA は RC 対象外のため DB SP 一択。 | |
| On-Demand | なし | 対象 | DB SP 一択。 | |
| ElastiCache | Valkey Instances | あり (RN) | 対象 | 固定ノードは RN で最大化。変動分があれば DB SP。 |
| Valkey Serverless | なし | 対象 | DB SP 一択。 | |
| Redis/Memcached Instances | あり (RN) | 対象外 | RN 一択。Valkey 移行を要検討。 | |
| Redis/Memcached Serverless | なし | 対象外 | 割引手段なし。Valkey 移行を推奨。 | |
| DocumentDB | DocumentDB Instances | なし | 対象 | DB SP 一択。 |
| DocumentDB Serverless | なし | 対象 | DB SP 一択。 | |
| Neptune | Neptune Instances | なし | 対象 | DB SP 一択。 |
| Neptune Serverless | なし | 対象 | DB SP 一択。 | |
| Neptune Analytics | なし | 対象 | DB SP 一択。 | |
| Timestream | Timestream for InfluxDB | なし | 対象 | DB SP 一択。 |
| Keyspaces | Keyspaces | なし | 対象 | DB SP 一択。 |
| DMS | DMS Instances | なし | 対象 | DB SP 一択。 |
| DMS Serverless | なし | 対象 | DB SP 一択。 | |
| Redshift | Redshift provisioned clusters | あり (RN) | 対象外 | RN 一択。 |
| Redshift Serverless | なし | 対象外 | Serverless Reservations (SR) を利用可能*2。 | |
| OpenSearch | OpenSearch Instances | あり (RI) | 対象 | 固定負荷は RI で最大化。変動分があれば DB SP。 |
| OpenSearch Serverless | なし | 対象 | DB SP 一択。 | |
| MemoryDB | MemoryDB Clusters | あり (RN) | 対象外 | RN 一択。 |
※RI: Reserved Instance, RC: Reserved Capacity, RN: Reserved Node, DB SP: Database Savings Plans
実際にカバレッジレポートを確認してみた
DB SP を既に購入しているアカウントで、「Savings Plans > Coverage report」を確認します。

UTC の3月5日 12:00 AM から OpenSearch Service がカバーされていることがわかります。正しく機能しており、範囲が拡大されている裏付けが取れました。
このように Savings Plans は後から対象が拡大されてコスト削減効果が広がるのが良いですね。
カバレッジレポートの計算式と、突然のカバレッジの下落が起きる背景
ただし、Savings Plans の対象サービスが拡大されると、Savings Plans のカバレッジレポートが突然下がったりする点には、運用上の注意が必要です。
これは、カバレッジの計算式の「分母(対象全体)」が増えるために発生します。
カバレッジの計算ロジックでは、その分子が「①SP でカバーされた Usage」で、分母が「①SP でカバーされた Usage +②SP でカバーできるのにオンデマンドになっている Usage」です。これをパーセンテージにしたものがカバレッジの値です。
上記 ①÷(①+②) の計算では、カバー対象が増える場合に「②SP でカバーできるのにオンデマンドになっている Usage」が増えるため、Savings Plans のカバレッジレポートが下がってしまうのです。
まとめ
今回の Database Savings Plans (DB SP) のアップデートに関する重要なポイントは以下の3点です。
- 対象サービスの拡張: DB SP の対象に、Amazon OpenSearch Service(インスタンスおよびサーバレス)と Amazon Neptune Analytics が新たに追加されました。
- 割引率と購入戦略の使い分け: OpenSearch Service において、DB SP は手軽な割引オプションですが、より深いコスト削減効果(3年契約など)を狙う固定負荷の環境では、引き続き Reserved Instance (RI) の活用が推奨されます。
- カバレッジ低下への注意: 新たなサービスが割引対象として加わったことで、計算式の分母(SP でカバー可能な総利用量)が増加します。そのため、カバレッジレポートの数値が突然下がって見えても、仕様通りの正常な挙動ですのでご安心ください。
後から自動的に対象範囲が広がる点は Savings Plans の大きなメリットですが、レポートの見え方の変化や RI との使い分けには引き続き注意しながら、最適なコスト削減戦略を立てていきましょう。
では、またお会いしましょう。
*1:うーん、読みにくいですよね。勘違いも出そうです。こういうところ、なぜ合わせないのでしょうかね
*2:https://aws.amazon.com/jp/about-aws/whats-new/2025/04/serverless-reservations-discounted-pricing-option-amazon-redshift-serverless/
佐竹 陽一 (Yoichi Satake) エンジニアブログの記事一覧はコチラ
セキュリティサービス部所属。AWS資格全冠。2010年1月からAWSを業務利用してきています。主な表彰歴 2021-2022 AWS Ambassadors/2020-2025 Japan AWS Top Engineers/2020-2025 All Certifications Engineers。AWSのコスト削減やマルチアカウント管理と運用を得意としています。