こんにちは。サーバーワークス 岡部です。
現在ラスベガスで開催中の AWS re:Invent 2025 にて、非常に大きなアップデートがありました。
これまでの「Compute Savings Plans」などの柔軟性を、ついにデータベースサービスでも享受できる「Database Savings Plans」が発表されました!
Opening Keynote 内で多くの新サービス、新機能が発表されましたが、AI 関連のアップデートが多い中、このアップデートは一番最後に発表され、思わず「おぉ」と声が出てしまいました。
会場にいた方々の反応もよかったので、多くの人にとって気になったアップデートだと思います。
- はじめに
- Database Savings Plans(Database SP)とは?
- 対象となるサービス
- 割引率の目安
- Reserved Instances (RI) との違い
- 購入方法と推奨事項の確認
- まとめ:データベースのコスト戦略に柔軟性と予測可能性を
はじめに
これまでのデータベースの購入方式によるコスト削減といえば Reserved Instances (RI) や Reserved Capacity が主流でしたが、今回の発表により、コスト戦略が変わりそうです。
速報として内容をまとめます。
Database Savings Plans(Database SP)とは?
Database Savings Plans(以下、Database SP)は、1年間の期間(term)で特定の利用金額($/時間)をコミットすることで、AWS のデータベース利用料を最大 35% 削減できる新しい料金モデルです。
最大の特徴は「柔軟性」です。
これまでのデータベースにおける Reserved Instances (RI) は、特定のインスタンスタイプやデータベースエンジン、リージョンに縛られることが一般的でした。しかし、Database SP は Compute Savings Plans(以下、Compute SP)のように以下の要素が変わっても割引が適用され続けます。
- AWS リージョン: グローバルにビジネスを展開する場合でも、リージョンを跨いで割引が適用されます。
- データベースエンジン: Aurora から RDS、Oracle から MySQL、あるいは NoSQL への移行などにも割引が適用されます。
- デプロイメントタイプ: インスタンスベース(プロビジョニング)からサーバーレスへの変更などにも割引が引き続き適用されます。
例えば、「将来的に Aurora Serverless v2 へ移行したいが、今はまだプロビジョニングされた RDS を使っている」といった移行フェーズのプロジェクトでも、割引を途切れさせることなく適用できるのが大きなメリットです。
※ 現時点では1年間前払いなしの購入のみとなります。ドキュメントの書き方から推測すると、おそらく3年や前払いありの購入方法は対応しない可能性も考えられます。
対象となるサービス
今回発表された Database SP の対象サービスは非常に幅広いです。主要なデータベースサービスがほぼ網羅されています。
- Amazon Aurora
- Amazon Relational Database Service (Amazon RDS)
- Amazon DynamoDB
- Amazon ElastiCache
- Amazon DocumentDB (with MongoDB compatibility)
- Amazon Neptune
- Amazon Keyspaces (for Apache Cassandra)
- Amazon Timestream
- AWS Database Migration Service (AWS DMS)
AWS でデータベースサービスと言えば Aurora や RDS が思いつきますが、ElastiCache や Neptune、DMS などのサービスにも合わせて割引が適用されるのはとても嬉しいです。
割引率の目安
割引率はデプロイメントモデルやサービスによって異なります。特に Serverless 構成での割引率が高い点が注目です。
- サーバーレスデプロイメント: オンデマンド料金と比較して 最大 35% オフ
- プロビジョニングされたインスタンス: オンデマンド料金と比較して 最大 20% オフ
Amazon DynamoDB / Amazon Keyspaces:
- オンデマンドキャパシティ: 最大 18% オフ
- プロビジョニングキャパシティ: 最大 12% オフ
Reserved Instances (RI) との違い
これまでの RI と Database SP、どちらを選ぶべきか迷われる方も多いと思います。主な違いを以下にまとめました。
料金
Aurora MySQL db.r7g.large を例にすると以下のような差があります。
- オンデマンド: $ 0.333/月
- Database SP (1年前払いなし): $ 0.266/月 (20%Off)
- RI (1年前払いなし): $ 0.256/月 (23%Off)
- RI (3年全額前払): $ 0.176/月 (47%Off)
同じ「1年前払いなし」であれば、SP と RI でそれほど大きな差がありません。
この購入方法の場合、柔軟性を考慮して SP を購入すると良さそうです。
ただし、3年前払いになると大きな差が出てくるので、一概に SP のみを購入することは避けたいです。
利用しているインスタンスクラスが最新、かつ他の条件からも 3年全額前払いが選択できるのであれば、こちらを選択するとより大きなコストメリットを享受できます。
対応範囲
Database SP であれば、購入金額に応じて対応サービス全てに割引が適用されます。
そのため、それぞれのリージョン、エンジン、インスタンスクラスに対して個別の RI を購入するよりも Database SP を一定額購入する方が運用が楽になります。
また、詳細は確認中ですが、Aurora の t 系など Database SP では対象外となる(ドキュメントに記載のない)インスタンスクラスがあるので、注意が必要です。
詳細は以下公式ドキュメントをご参照ください。
購入方法と推奨事項の確認
購入は、従来の Savings Plans と同様にマネジメントコンソール(AWS Billing and Cost Management Console)や AWS CLI から行えます。

Savings Plans なので、購入予定日を設定できるのはありがたいですね。
また、Compute SP でも利用できていた推奨機能や購入アナライザーも利用できるので、Compute SP を運用している方にとっては迷うことなく購入、運用ができると思います。
Recommendations(推奨)
過去のオンデマンド利用実績に基づいて、最もコスト削減効果が高いコミット額を AWS が自動で推奨してくれます。

Purchase Analyzer(購入アナライザー)
「推奨された額とは違う金額でコミットしたい」「今後の利用増を見越してシミュレーションしたい」という場合は、Purchase Analyzer が便利です。ルックバック期間や時間単位のコミット額をカスタマイズして、カバレッジやコストへの影響をシミュレーションできます。
割と新しい機能ですので、以下に弊社ブログもご参考ください。
まとめ:データベースのコスト戦略に柔軟性と予測可能性を
今回の Database Savings Plans の登場により、データベースのアーキテクチャ選定において「コスト削減のために構成変更を躊躇する」というジレンマから解放されそうです。
Database Savings Plans は、中国リージョンを除くすべての AWS リージョンですでに利用可能です。
データベースのコスト最適化を検討されている方は、ぜひ一度コスト管理コンソールの推奨画面をチェックしてみてください。
岡部 純 (執筆記事の一覧)
カスタマーサクセス部所属
AWS資格全冠取得、2024 - 2025 All Certifications Engineers
マルチアカウント、AWS Organizations 運用を得意としています