こんにちは、マネージドサービス部の大城です。
今年も AWS Summit Japan 2025 に参加してきました。当記事では参加したセッションの要約と感想を書きます。
- Amazon Bedrock で作る未来の開発サイクルとオペレーション戦略(CUS-04)
- AI によってシステム障害が増える!? ~AI エージェント時代だからこそ必要な、インシデントとの向き合い方~(AP-12)
- スペシャルセッションビルダーのための AWS テクノロジー:その深化と進化(SP-01)
- さいごに
Amazon Bedrock で作る未来の開発サイクルとオペレーション戦略(CUS-04)
株式会社LayerX
要約
バクラクで活用している事例の紹介。現状LLMはソースがブラックボックスであり課題も多い。パーソナライズドされた自社ドメイン機械学習モデルよりは精度面で劣る。
AI-OCR では Amazon Bedrock をアノテーションデータ作成で活用している。LLMであればゼロショットで値を推論させることが可能である。結果 165時間->1.5時間 の時間圧縮に成功した。
感想
自社ドメイン機械学習モデルを利用している AI-OCR は最大でも5秒以内のレイテンシを維持しているそうです。
LLM は銀の玉ではなく適材適所で活用するべきと感じました。
AI によってシステム障害が増える!? ~AI エージェント時代だからこそ必要な、インシデントとの向き合い方~(AP-12)
PagerDuty株式会社
要約
AI エージェントの進化により非エンジニアでもアプリケーションが作れる時代になってきた。AIは完璧ではない。人のレビューを通さないアプリケーションが増えることでインシデント増加が予想される。
障害のほとんどはデプロイで発生する。基本(オブザーバビリティ、インシデント対応、共有と連絡手段)が大事である。PagerDutyはそれらを支えるサービスである。
感想
セッションタイトルの付け方が上手いと思いました。煽りタイトルにつられて参加したセッションでした。
先日 Jagu'e'r の勉強会で Firebase Studio を触ったときにセッションの内容と同じことを感じました。プロンプトを渡すだけでモック作成からデプロイまで完結できる現状を体験してすごいな!と思いつつ、これ障害がおきたらブラックボックス部分の運用が大変そうだなと。
PagerDutyはインシデントのトリアージ、ポストモーテムまでサービスがあるようで今度試してみたいと感じました。
スペシャルセッションビルダーのための AWS テクノロジー:その深化と進化(SP-01)
アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社
要約
(全部書ききれないので、かいつまんで書きます)
2日目のスペシャルセッション。
AWS のサービスはセキュリティファーストで設計されている。
EC2 の AWS Nitro Ssystem では NITRO ハイパーバイザーで仮想化オーバーヘッドを解消した。S3 はコンピュートとストレージを分離した分散アーキテクチャにすることで密結合を解消した。Aurora マルチリージョンにおける強い結果整合と低遅延を両立するため非常に精度の高い時刻同期の仕組みが AWS にはある。
AIコンタクトセンターはスーパーバイザーのエージェント、オペレーターのエージェントを構成することで実現できる。
ゲストスピーカー:株式会社ドワンゴ
ニコニコ動画を2025年4月にすべて AWS に移行した。単純な移行ではなく、事業の選択肢の幅が広がった。
ゲストスピーカー:株式会社NTTドコモ
ネットワーク被疑箇所を特定するために Amazon Neptune を活用している。障害が発生してから約15秒で被疑箇所を推定できる。
ゲストスピーカー:アマゾンジャパン合同会社
Amazon の倉庫や物流で活用しているテクノロジーの話。Amazon Robotics の進化により倉庫作業員がハンディスキャナを持たなくなった。開発中の Vulcan では人が実施していた商品を棚にいれるオペレーションを力学センサーを活用したロボットで代用する。
ゲストスピーカー:ソニー・ホンダモビリティ株式会社
AWS を使った AFEELA クラウドの紹介。コア部分は内製開発をしている。機能単位でマイクロサービスアーキテクチャで開発しており週次でリリース作業を行っている。Amazon SageMaker HyperPod などを利用して MLOpsパイプラインを構築している。
ゲストスピーカー:アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社
AI駆動開発の紹介。開発者がコードを書く時間はわずか 16% という調査結果がある。Amazon Q DeveloperはAWSをよく知るエキスパートである。プロンプトに要件を渡すことでデプロイ用のIaCを生成することができる。
感想
内容の濃いセッションで1時間半ありましたがあっという間でした。
普段利用している AWS サービスのアーキテクチャの内容が聞けました。S3標準ストレージ保存料金は 1GBあたり約3.6円です。この低料金で恩恵が受けれるのは本当に感謝です。
AFEELA クラウドの話しでチームビルディングの話が個人的に刺さりました。マイクロサービスアーキテクチャに合わせた組織構成になっており、サービスの進化も早いんだろうなー、と感じました。
さいごに
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。(セッションの写真もいくつか取ったのですが、画質がよくなかったので文字だけの記事になってしまいました)
今年は合間に仕事を入れてしまい 3 セッションのみの参加となりました。来年はうまく調整してフルで参加しようと思います!
7/11 までオンデマンドで動画視聴できるようなので、ご興味ある方はぜひ! AWS Summit Japan | 2025 年 6 月 25 日(水)、26 日(木)
大城 慶明 (記事一覧)
マネージドサービス部
2022年10月サーバーワークスに入社、沖縄からリモート勤務。AWSを勉強中。沖縄では大城が多いので「よっさん」と呼ばれています。AWS15冠。NRUG沖縄支部運営。X @yo_ohshiro