こんにちは。Amazon Connect専任担当の丸山です。
Amazon Connectの環境をつくりまくって散らかし放題なので大掃除をしたいと思っています。
しかし掃除は苦手なのでブログを書きます。
さて、今日はAmazon Connectを利用してみて音声品質が想像よりよくない、どうしたら改善できるのかしら。
というお悩みにお答えしたいと思います。
Amazon Connect はIP電話サービスです。 一般的にアナログ電話のほうがIP電話に比べ音声品質は勝っています。 扱うデータの形が違うので特色が変わります。 Amazon Connect は WebRTC と Opus オーディオコーデックを活用して高品質を実現しています。 「だいたい」というのは、利用環境によっては音声品質の問題が出ることもあります。 説明の前に2点確認をします。 ざっくりどのように音声がやりとりをできるのかを確認したいと思います。 すべての経由箇所でボトルネックが発生する可能性はあります。 割愛はしますが、Amazon Connectの外側の問題、すなわちわたしたちが関係ない部分で発生している問題なのか、それともAmazon Connectを利用しているわたしたち側の問題なのかの切り分けはしたいですようね。 切り分け方法は簡単です。 通話録音のお客様の音声品質がよいのに、ソフトフォンで聞く音声がよくなかった場合はソフトフォンを利用している環境に問題があります。 それではソフトフォン利用環境ボトルネックを確認します。 意外と侮れないのはマイクの品質です。 ヘッドセットとPCは有線接続を推奨します。 速度が出なかったり途切れる場合は音声品質に直結した問題になります。 ブラウザで動く軽量なソフトフォンであるため、あまりスペックが問題になることはありません。 Chrome、Firefoxの最新3バージョンが動作保証環境となっています。 社内のネットワーク品質も大切です。 必要な帯域の確保が必要です。 音声品質に影響を与えるポイントを理解していただけたかと思います。 通話録音音声はAmazon Connectのサーバーに届いている音の確認となります。 Amazon Connect Check Connectivity Tool を利用してエージェントのCCPの利用環境がチェックできます。 CCPのログにも手がかりがある可能性があります。 APIレイテンシやskewというクライアントとサーバーのタイムスタンプの差などを時系列で容易に確認できます。 音声品質が悪くなっているポイントがわかれば、改善する方法はおのずと見えてくると思います。 Amazon WorkSpaces上でもAmazon Connectは利用可能です。 Amazon Connectへの通信については下記ドキュメントを参照してください。 音声品質について本エントリーではまとめました。 ということから着手することをおすすめします。 弊社AWSリセールサービスpieCeをご利用のお客様はサポートにもお問い合わせくださいませ。
IP電話とアナログ電話の比較
アナログ電話とIP電話の違いは、音声通話を行うネットワークの接続方法です。
IP電話は、IPネットワークを用いて、音声通話を実現します。IP電話の特徴
アナログ電話は音量が通話品質として評価されます。
IP電話に電話は遅延と音声品質が通話品質として評価されます。Amazon Connectの品質は?
高圧縮で超低遅延の音声コーデック「Opus」について技術的には本エントリーでは割愛しますが、IP電話の中ではかなりいい感じ♡というのがわたしの印象です。
実際に弊社の代表電話はAmazon Conenctで運用していますが、運用上音声品質は「だいたい」担保されていると思います。IP電話ならではの音声品質の課題
本エントリーでは音声品質のボトルネックと改善方法についてまとめます。前提確認
音声の流れ方
お客様の電話環境とAmazon Connectのソフトフォンがつながるまでを図示します。
説明しやすいようにかなり省略しております点をご了承ください。
今回は、公衆電話回線網・Amazon Connect・インターネットについては記載の対象外とします。
お客様が利用する電話サービス側の問題で音声品質がわるいことも多々あるのですが、本エントリーで伝えたい趣旨と離れるためこちらも割愛します。Amazon Connectの外の問題か中の問題かの切り分け方法
通話録音をした音声を聞いてください。
通話録音したお客様の音声の品質が途切れていたり小さかったりしているときは、お客様側の利用環境の問題です。
通信環境のわるいところから携帯電話でかけていたたり、品質があまりよくないIP電話サービスを使っているケースがよくあります。
ソフトフォンの音声品質がわるいときも同様です。音声品質が悪くなるポイント
図の右側から順番にみていきましょう。1. ヘッドセットの問題
1-1. マイク品質
価格重視のヘッドセットを導入したところ、声の品質がわるい…という結果になりヘッドセットを買い直したお客様もいます。1-2.PC接続方法
無線接続でも利用可能ですが、環境によっては安定しないこともあります。
有線の場合も端子やケーブルの接触問題が発生する可能性があります。2.利用PC
2-1.ネットワーク接続環境
安定したネットワークが利用できる環境をご用意ください。2-2.PCスペック
ただし他に起動しているアプリケーションが負荷をかけている場合は影響を及ぼす可能性があります。2-3.ブラウザ
バージョンを最新にすることで改善する可能性があります。3.インタネット接続
3-1.社内ネットワーク品質
同時利用ユーザーが増えた場合も安定してネットワークが利用できますか?
特定時間にネットワークが混雑するようなバッチ処理はありませんか?3-2.接続ネットワーク品質
接続されたワークステーションあたり 100 Kbps の帯域幅というのがAWSから公開されている情報です。
利用する帯域のほとんどは「音声」なので同時通話がどのくらいあるのかご確認ください。音声品質問題の切り分け方法
ではどのように切り分けをしたらよいでしょうか。
切り分けを助ける道具をご紹介します。通話録音音声を確認
ソフトフォン利用者の感覚だけでなく録音した音も確認するようにしてください。レイテンシを確認
音声品質視点では左カラムの数値を注視してください。
MEDIAとEC2は[Tokyo]へのレイテンシを確認します。
ClouFrontはインスタンスエイリアス(ConnectにログインするURLのサブドメイン部分)を入力してレイテンシを確認します。
目安として赤字は問題あり、と思ってください。
またチェック時の数値であり、通話時の数値でない点を注意してください。CCPログを確認
しかしCCPのログを目視するのは至難の業です。
AWSがログパーサーを用意しているので利用するのもよいと思います。
https://github.com/amazon-connect/amazon-connect-snippets/tree/master/tools/CCPLogParser
弊社でも社内のAmazon Connect利用トラブル、AWSリセールサービスpieCeのお客様のサポートで利用しています。音声品質を改善するポイント
ネットワークについては少し説明を加えさせていただきます。Amazon WorkSpacesなどの仮想デスクトップ環境を利用している場合
ただしポップ数が多くなるため遅延が目立つようになります。
詳しい説明と回避方法は下記ドキュメントを参照してください。
https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/connect/latest/adminguide/using-ccp-vdi.html
弊社はメディアレス環境運用の導入実績およびサポートが可能です。専用線接続について
https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/connect/latest/adminguide/ccp-networking.html
上記各AWSサービスへの接続が早く安定してできるようになれば、音声品質はさらに安定します。
ただし、Amazon Connectはインターネット接続を利用したサービスである点を忘れないようにしてください。
各通信がDX利用経由で外部にでなくなるとは言っていません。まとめ
いろいろ書きましたが、通信環境とマイクがよくある原因です。
試せるマイクがない場合は、みんなもってるAppleの有線イヤホン、あれはわりとマイク性能がよいので比較におすすめです。