【Amazon Connect】Amazon Connectの3者間通話の要約、その実力は?実際に試してみたレポート

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近年、コールセンターの工数削減において、AI活用による文字起こしや要約への期待が高まっています。
その一方で、「実際の現場でどこまで実用的な記録が残せるのか?」といった疑問もあるのではないでしょうか?
今回は、その実力を「3者間通話」という少し複雑なシナリオで試してみました!

デモ概要

登場人物

  • 顧客
  • オペレーター(イナガキ)
  • SV(ヤマダ)

シナリオ

  • お客様より、メーカー保証期間を過ぎた椅子の故障についての問い合わせ
  • 外部サイト(サーバーワークスショッピング)で購入時に加入した保険を使うため、修理見積書の作成を依頼
  • マニュアル外の対応のため、オペレーターはSVに相談
  • SVが通話に参加し、3者間通話を開始

文字起こしの結果

Amazon Connectの文字起こしは、オペレーター側とSV側でそれぞれで実施されます。
要約される前の文字起こし結果は、以下のようになりました。

1. オペレーター側の文字起こし結果

場面①のオペレーターと顧客だけの会話では、話者が正確に文字起こしされました。
途中からSVが会話に参加すると、SVは「顧客」とみなされる結果となりました。

Amazon Connectが自分(オペレーター)とそれ以外の音声をL/Rで話者分離している仕様を踏まえると、これは納得の挙動と言えます。

文字起こしの精度は、固有名詞や一部語彙の誤り、漢数字と数字のばらつきが見られましたが、 実際に会話した内容との大きな乖離はありませんでした。

場面①:顧客からの問い合わせ

- オペレーター: お電話ありがとうございます。お客様サポートセンターイナガキが承ります。
- 顧客: あ、もしもし。
- 顧客: はい、一年半前にサーバーアークスショッピング経由で、そちらの椅子を買ったんですが、あのー証拠しなくなってしまいました。
- 顧客: サーバーアークスショッピングの三年保証を使いたいと伝えたら、保証会社から写真では内部の故障がわからない、メーカーから修理見積書をもらってくれと言われたんです。いただけますか?
- オペレーター: 左様でございましたか。サーバーワークスショッピングでのご購入ですね。
- オペレーター: お選びいただいた椅子が動かなくなってしまい、大変ご不便をおかけしております。
- 顧客: いえ、壊れるのは仕方ないにしても、保証会社が見積り書がないと手続きが進められないの一点張りでして。
- オペレーター: お客様、大変心苦しいのですが、弊社では通常、一年以内の無償交換のみを規定としており、修理体制を持っていないため、修理見積書という書類の発行を承ることができない状態でございます。
- 顧客: じゃあ、私はどうすればいいんですか?保証料も払っているのに、このままだと修理も交換もしてもらえないってことですか?
- オペレーター: ご不安にさせてしまい、誠に申し訳ございません。
- オペレーター: 一度上席に確認し、弊社で何かお手伝いできることがないか、相談してまいります。そのまま3分ほどお待ちいただけますでしょうか?
- 顧客: はい。

場面②:SVにエスカレーション

- 顧客(SV): はい、お疲れ様です。ヤマダです。
- オペレーター: あ、ヤマダさん、え、今お時間よろしいでしょうか?
- 顧客(SV): はいはい。
- オペレーター: えーとサーバーワークスショッピングで購入されたお客様から、仮察症候の不具合での入電になります。
- オペレーター: えーと購入から一年半経過しているんですけれども、もう、えっと、サーバーワークスショッピングの外部保証を使うために、えー修理見積り書が欲しいとおっしゃっております。
- 顧客(SV): ああ、うちは修理はやってないから、見積り書は出せないよね。
- オペレーター: ですよね。その旨をお伝えしたんですけれども、保証会社側が書類がないと、えー修理受け付けられないと譲らないみたいで、お客様が完全に板挟みになっています。
- オペレーター: このままお断りすると、お客様が、保証料を払っているのに、一切、救済されないということになってしまうのですが、何か弊社から出せる書面はありますか?
- 顧客(SV): うーん、システム上、見積り書は作れないし、修理不能の証明を出したとしても、結局保証会社とのやり取りで、お客様をさらにお待たせすることになるよね。
- 顧客(SV): うん。よし、今回は特別に弊社都合で書類が出せないことへの補填として、うちから直接無償交換で対応しよう。
- オペレーター: あ、承知しました。一年過ぎてますけれども、大丈夫ですか?
- 顧客(SV): うん、これ以上お手間をかけるわけにはいかないからね。
- 顧客(SV): 私から三社間通話で説明するから、えーとつないでくれる?
- オペレーター: はい、承知しました。

場面③:3者間通話の開始

- オペレーター: あ、お客様、大変お待たせいたしました。えー座席のヤマダがまいりましたので、三社でお話しさせていただきます。
- 顧客(SV): お電話変わりました。責任者のヤマダでございます。お客様、事情はすべて共有を受けております。
- 顧客(SV): あ、肉、弊社には修理部門がなく、社外に提出できる修理見積書を作成することができません。
- 顧客: ええ、そうなんですか。じゃあ、保証が受けられないってことですよね。
- 顧客(SV): あ、いや、書類のほ、発行ができないことで、お客様にご負担をおかけするわけには参りません。
- 顧客(SV): 今回は、弊社側の特別対応として、外部保証を通さず、弊社にて直接無償交換をさせていただきます。
- 顧客(SV): ご購入から一年経過しておりますが、保証期間内として対応させていただきますので、ご安心ください。
- 顧客: 本当ですか?助かります。
- 顧客(SV): とんでもございませんでは、具体的なお届け日程の調整については、再度稲垣より案内させてください。イナガキさんお願いします。
- オペレーター: はい。お電話変わりました。えー改めて私の方からえーお届けについてご案内させていただきます。
オペレーター: 新しい椅子のお届けですが、最短で明後日の2月12日木曜日からご指定いただけますが、ご都合いかがでしょうか?
- 顧客: あ、明後日は仕事なので、今週末の土曜日14日の午前中でお願いいたします。
- オペレーター: はい。
- オペレーター: かしこまりました。えー2月14日のえー土曜日の午前中指定で手配いたします。
- オペレーター: え、当日は配送業者が新しい椅子をお持ちいたしますので、その場で不具合のある椅子をドライバーにお渡しいただけますでしょうか?
- 顧客: 分かりました。あ、箱はどうすればいいですか?捨てちゃったんですけれども。
- オペレーター: あ、ご安心ください。新しい椅子梱包箱をそのままお使いいただけるよう、えー配送業者に手配いたします。
- オペレーター: えー中身を入れ替えていただくだけで、えー結構です。
- 顧客: それなら簡単ですね。見積書のことで悩んでいましたが、電話して良かったです。
- オペレーター: こちらこそ、ご案内までにお時間いただき、も、申し訳ございませんでした。
- オペレーター: えーそれでは、土曜日の午前中に伺うよう手配を完了いたしました。えー他にご不明な点はございますか?
- 顧客: 大丈夫です。ありがとうございました。
- オペレーター: ありがとうございます。はい。それでは失礼いたします。
- 顧客: 失礼します。

2. SV側の文字起こし結果

エスカレーションする場面から文字起こしが始まっています。
SV側では、エスカレーションしてきたオペレーターが「顧客」として文字起こしされています。
この結果から、自分自身以外は全て「顧客」として文字起こしされることが分かりました。

場面①:オペレーターからエスカレーションを受ける

- SV: お疲れ様です。ヤマダです。
- 顧客(オペレーター): あ、ヤマダさん、今お時間よろしいでしょうか?
- SV: はいはい。
- 顧客(オペレーター): えーとサーバーワークスショッピングで購入されたお客様から、仮察症候の不具合での入電になります。購入から一年半経過しているんですけれども、外部保証を使うために修理見積書が欲しいとおっしゃっております。
- SV: ああ、うちは修理はやってないから、見積り書は出せないよね。
- 顧客(オペレーター): ですよね。保証会社側が書類がないと修理受け付けられないと譲らないみたいで、お客様が完全に板挟みになっています。このままお断りすると、保証料を払っているのに一切救済されないことになってしまうのですが、何か弊社から出せる書面はありますか?
- SV: 修理不能の証明を出したとしても、結局保証会社とのやり取りでお客様をさらにお待たせすることになるよね。よし。今回は特別に弊社都合で書類が出せないことへの補填として、うちから直接無償交換で対応しよう。
- 顧客(オペレーター: あ、承知しました。一年過ぎてますけれども、大丈夫ですか?
- SV: うん、これ以上お手間をかけるわけにはいかないからね。私から三社間通話で説明するから、つないでくれる?
- 顧客(オペレーター): はい、承知しました。

場面②:3者間通話の開始

- 顧客: はい、あ、お客様、大変お待たせいたしました。上席のヤマダがまいりましたので、三社でお話しさせていただきます。
- SV: お電話変わりました責任者のヤマダでございます。あいにく、弊社には修理部門がなく、修理見積書を作成することができません。
- 顧客: ええ、そうなんですか。じゃあ、保証が受けられないってことですよね。
- SV: 発行ができないことでお客様にご負担をおかけするわけには参りません。今回は弊社側の特別対応として、外部保証を通さず、弊社にて直接無償交換をさせていただきます。
- 顧客: 本当ですか? 助かります。
- SV: とんでもございません。では、具体的なお届け日程の調整については、再度イナガキより案内させてください。
- 顧客 (オペレーター): はい。お電話変わりました。えー改めて私の方からえーお届けについてご案内させていただきます。
- 顧客 (オペレーター): 新しい椅子のお届けですが、最短で明後日の2月12日木曜日からご指定いただけますが、ご都合いかがでしょうか?
- 顧客: あ、明後日は仕事なので、今週末の土曜日14日の午前中でお願いいたします。
- 顧客 (オペレーター): はい。かしこまりました。えー2月14日の土曜日の午前中指定で手配いたします。
- 顧客 (オペレーター): 当日は配送業者が新しい椅子をお持ちいたしますので、その場で不具合のある椅子をドライバーにお渡しいただけますでしょうか?
- 顧客: 分かりました。あ、箱はどうすればいいですか? 捨てちゃったんですけれども。
- 顧客 (オペレーター): ご安心ください。新しいそのー梱包箱をそのままお使いいただけるよう、配送業者に手配いたします。中身を入れ替えていただくだけで結構です。
- 顧客: それなら簡単ですね。見積書のことで悩んでいましたが、電話して良かったです。
- 顧客 (オペレーター): こちらこそ、ご案内までにお時間いただき、申し訳ございませんでした。手配を完了いたしました。他にご不明な点はございますか?
- 顧客: 大丈夫です。ありがとうございました。
- 顧客 (オペレーター): ありがとうございます。はい。それでは、失礼いたします。
- 顧客: 失礼します。

要約してみる

この結果を踏まえて、文字起こしをAI(Amazon Bedrock)で要約してみます。
要約のプロンプトは、弊社が提供するカスタムフォン『クラウドコンタクトワークスペース』の会話要約機能で利用しているものを使います。

※モデルは「Claude Sonnet 4.5」を使いました。

1. オペレーター側の要約結果

顧客の課題を起点に、解決に至るまでの経緯が綺麗にまとまっている印象です。
数字表記の統一や、固有名詞「サーバーワークスショッピング」の名前正しく出力されていることも確認できます。

■ 会話の要約
- 顧客が1年半前にサーバーワークスショッピング経由で購入した椅子が故障
- サーバーワークスショッピングの3年保証を使用するため、保証会社から修理見積書の提出を求められた
- 当社は修理体制を持たず、通常は1年以内の無償交換のみ対応のため、修理見積書の発行ができない
- 顧客が保証料を支払っているにも関わらず救済されない状況となっていた
- オペレーター(イナガキ)が上席(ヤマダ)に相談し、特別対応として直接無償交換で対応することを決定
- 2月14日(土)午前中に新しい椅子を配送し、故障品を回収する手配を完了
- 梱包箱は新品のものをそのまま使用して故障品を返送する対応

■ 発生した問題
- 顧客が購入した椅子が1年半後に故障
- 保証会社が修理見積書を要求したが、当社には修理部門がなく書類発行ができない
- 顧客が保証料を支払っているにも関わらず、保証が受けられない板挟み状態になっていた

■ アクション
- 2月14日(土)午前中に新しい椅子を配送
- 配送時に故障した椅子をドライバーが回収
- 新品の梱包箱を使用して故障品を返送できるよう配送業者に手配

2. SV側の要約結果

エスカレーションからの文字起こしであっても、 課題解決に至るまでの経緯が要約されました。
一方で、内容がオペレーター視点に寄っている印象も受けました。

一部椅子の状態の表現として、オペレーター側の要約は「故障であるのに対し、SV側は「不具合となっていました。
これは、顧客は「故障」と表現していましたが、SVへのエスカレーション時に「不具合」と伝えたことから差分が出たと考えられます。

エスカレーション時の伝え方が、要約精度向上のポイントの1つになりうると思いました。

■ 会話の要約
- オペレーターがサーバーワークスショッピングで購入した顧客の椅子の不具合について上席(ヤマダ)に相談
- 購入から1年半経過しており、顧客は外部保証(3年保証)を使用するため修理見積書を要求されていた
- 当社は修理部門がなく、通常は1年以内の無償交換のみ対応のため、修理見積書の発行ができない
- 保証会社が書類なしでは受付不可としており、顧客が板挟み状態
- 上席判断で特別対応として、書類が出せないことへの補填として直接無償交換を決定
- 2月14日(土)午前中に新しい椅子を配送し、不具合品を回収する手配を完了
- 梱包箱は新品のものをそのまま使用して返品する案内を実施

■ 発生した問題
- 購入から1年半経過した椅子が故障
- 外部保証会社が修理見積書の提出を要求
- 当社に修理部門がないため見積書発行が不可能
- 顧客が保証料を支払っているにも関わらず救済されない状況

■ アクション
- 2月14日(土)午前中に新しい椅子を配送
- 配送時に不具合のある椅子をドライバーが回収
- 新品の梱包箱を使用して不具合品を返送できるよう配送業者に手配

(おまけ)6人で会話したら要約はどうなる?

Amazon Connectでは「マルチパーティーコール」と呼ばれる、6人で通話することができる機能があります。
グループ通話みたいなやつですね。

話者を増やしても要約は綺麗にできるのか?実際に試してみました。
会話テーマは「最後の晩餐に食べるもの」です。

結果

オペレーターが会話に参加した際の話題を起点に要約されるためか、3者間通話よりも各オペレーターごとの要約結果に大きな差分が生まれました。

また、話者が6人まで増えると「誰が何を話したか?」という切り分けの難易度は高くなりそうです。
今回はラフな雑談による実験だったため、通話参加時に名乗るなど工夫をすれば、このあたりは改善するかもしれません。

要約結果抜粋①(オペレーター1)

■ 会話の要約
- オペレーターが複数の参加者を電話会議に順次追加していく操作テスト
- 2番目、3番目の参加者を呼び出し、音声確認を実施
- ウエダさん、イヤワさん、マツオさん、ハシモトさんが順次参加
- 参加者追加時に他の参加者が保留状態になることを確認
- 保留中は音楽が流れることについて会話
- 全員で6人まで参加可能だが、保留中の人を含めると実質4人までしか呼び出せないことが判明
- オペレーターが一度抜けてハシモトさんを追加する対応を実施
- 音声のテキスト化が機能していることを確認
- 雑談テーマ「最後の晩餐で何を食べるか」について意見交換
  - ラーメン・餃子・ライス、お寿司、妻の手料理、エビチリ、お酒などの意見

■ 発生した問題
- 参加者追加時に既存の参加者が保留状態になる仕様
- 全体で6人まで参加可能だが、オペレーターと保留中の人を含めると新規呼び出しは実質4人までに制限される

■ アクション
- 文字起こし機能の動作確認が完了
- 電話会議システムの参加人数制限について把握
- テスト通話を終了

要約結果抜粋②(オペレーター4)

■ 会話の要約
- aさんが参加し、保留を解除
- ウエダさん、ヤマさんが既に参加済み
- 保留中に音楽が流れることを確認(踊ることにしているという冗談)
- 電話会議システムの制限を発見:全員で6人まで参加可能だが、通話中の人と保留中の人を含めると4人までしか呼び出せない
- 一度抜けてハシモトさんを追加することに決定
- ハシモトさんが参加
- 文字起こし機能が正常に動作していることを確認
- 雑談テーマ「最後の晩餐で何を食べるか」について会話
  - 顧客:明日を気にしなくていいので、ラーメン・餃子・ライスなどニンニク入りの破滅的な食事
  - 顧客:お寿司を死ぬほど食べて終わりたい、魚卵も気にせず食べられる
  - オペレーター:妻の手料理を食べて死にたい
  - 顧客:カレーライスなど無難なもので日常のまま消えたい
  - 顧客:寿司かエビチリ(週1で食べられるコスパの良い晩餐)
  - お酒を次の日を気にせず昏睡するまで飲むという意見も
- テスト通話を終了し参加者が退出

■ 発生した問題
- 電話会議システムの参加人数制限:全体で6人まで参加可能だが、通話中と保留中の人を含めると実質4人までしか新規呼び出しができない

■ アクション
- 通話を終了
- 参加者全員が会議から退出
- 文字起こし機能の動作確認完了

まとめ

3者間通話の要約は、予想よりも上手くできた印象です。
エスカレーションをしっかり実施すると、オペレーターとSVの要約結果は大きく乖離しないことも確認できました。
また、3人程度の会話であれば、「誰が何を話したか」も結果に反映されていました。

一方、今回はデモであったため、文字起こし自体が整っており要約が上手くいったとも考えられます。

実際の現場では、声が被ったり、エスカレーション情報が少ない等のパターンもあると思います。
次回は、文字起こし結果が複雑になった場合でも、プロンプト等で要約精度を上げる方法を検討していきたいです。

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