
はじめに
サーバーワークスの池田です。
今週(6/22〜6/28)の Claude Code は v2.1.186 から v2.1.195 まで6バージョンがリリースされました(v2.1.188・189・192・194 はスキップ)。派手な新機能は少なく、SSH や CI、auto mode の透明性といった現場の痛点を潰す改善が中心の週です。
中でも、MCP サーバーの認証をターミナルだけで完結できる新コマンドと、bash モードの使い勝手の向上が目立ちます。
この記事で分かること
- ブラウザを開かずに MCP サーバーを OAuth 認証できる
claude mcp login/logoutコマンドの使い方 !で実行したコマンドの出力に Claude が自動で応答するようになった bash モードの進化- auto mode がツールをブロックした理由を画面で確認できるようになった改善
/rewindの/clear前復元、CPU 約37%削減、セキュリティ強化など、その他の変更点
今週の主要アップデート一覧
| 機能 | バージョン | 主な変更点 | 参照 |
|---|---|---|---|
claude mcp login / logout |
v2.1.186〜191 | CLI から直接 MCP サーバーを OAuth 認証。SSH・ヘッドレス環境にも対応 | MCP ドキュメント |
! bash モードの自動応答とパス補完 |
v2.1.186 / 193 | ! の出力に Claude が自動応答。ライブのファイルパス補完も追加 |
Interactive mode ドキュメント |
| auto mode の拒否理由表示 | v2.1.193 | ブロックされた理由を transcript・トースト・/permissions に表示 |
Releases |
注目アップデート1: claude mcp login でMCP認証をターミナルで完結
これまでMCP認証はセッション内のブラウザ操作が必要だった
OAuth 認証が必要なリモート MCP サーバーに接続するには、これまでセッション内で /mcp メニューを開き、ブラウザでログインフローを完了する必要がありました。
この方式は手元の PC では問題なく動きます。しかし SSH 接続した開発サーバーや、CI のようなブラウザのない環境では認証を完了できず、長年の課題でした。GitHub 上でも、SSH やヘッドレス環境での MCP 認証を求める要望が複数挙がっていました。
何が変わったのか — シェルから直接OAuth
v2.1.186 で claude mcp login <name> コマンドが追加されました。セッションを開かずに、シェルから直接 MCP サーバーの OAuth フローを実行できます。
claude mcp login notion を実行すると認証が始まる。ブラウザが開かない場合は認可 URL が表示され、リダイレクト URL を貼り戻して認証する
認証情報を消すときは claude mcp logout <name> を実行します。
# 設定済みのMCPサーバーを認証 claude mcp login notion # 認証情報をクリア claude mcp logout notion
SSH・ヘッドレス環境への対応
v2.1.191 で、この機能はさらに実用的になりました。ローカルにブラウザがない環境(SSH 接続中や、ディスプレイのない Linux)を自動的に検知します。
ブラウザを開く代わりに認可 URL を表示するので、その URL を手元のマシンで開き、リダイレクト URL をプロンプトに貼り戻すと認証が完了します。貼り付け操作のために対話的な端末が必要なため、SSH では ssh -t で接続します。
ローカルにブラウザがある場合でも、--no-browser を付ければ強制的に URL 表示にできます。
# ブラウザを使わず認可URLを表示させる claude mcp login notion --no-browser
注意点
事前にリダイレクト URI を登録する必要があるサーバーでは、--callback-port でコールバックポートを固定できます。主なフラグは以下のとおりです。
| フラグ | 役割 |
|---|---|
--no-browser |
ローカルにブラウザがあっても URL 表示を強制する |
--callback-port |
OAuth コールバックのポートを固定する(事前登録 URI 用) |
注目アップデート2: bashモードが出力に自動応答しパス補完も追加
これまで!の出力はコンテキストに追加されるだけだった
Claude Code には、入力の先頭に ! を付けるとシェルコマンドを直接実行できる「bash モード(シェルモード)」があります。
これまで ! npm test のように実行しても、出力は会話のコンテキストに追加されるだけでした。その結果について Claude の解説が欲しい場合は、改めてプロンプトを送る必要がありました。
何が変わったのか — 出力にClaudeが自動応答
v2.1.186 から、! で実行したコマンドの出力がトランスクリプトに載ると、Claude が自動的に応答するようになりました。
! npm test を実行すると、2回目のプロンプトを送らずに Claude が出力(テストが未実装のプレースホルダーであること)を解説する
たとえば ! npm test を実行すると、2回目のプロンプトを送らなくても、Claude がその結果(テストの成否や失敗原因)をそのまま解説します。コストは通常のプロンプト送信と同じです。
従来の挙動に戻す設定
出力をコンテキストに追加するだけで応答は不要、という従来の使い方も残せます。settings.json で respondToBashCommands を false に設定します。
{ "respondToBashCommands": false }
ログを記録として残すだけで Claude の解説が不要な場合は、この設定が有効です。
ライブファイルパス補完の追加
v2.1.193 では、bash モードにライブのファイルパス補完が追加されました。パスを途中まで入力すると、その場でファイルパスの候補が補完されます。
従来から、過去の ! コマンドを Tab で履歴補完する機能もありました。今回の追加で、bash モードの使い勝手が一段と向上しています。
注目アップデート3: auto modeがブロックした理由を確認できるように
なぜブロックされたのか分からなかった
auto mode は、ツール呼び出しを分類器(classifier)に通し、取り返しのつかない操作や環境外への操作を自動でブロックする仕組みです。分類器の設定方法はAuto mode 設定ドキュメントにまとまっています。
これまでは、auto mode が何かをブロックしても、その理由がユーザーに伝わりにくいという課題がありました。「なぜ弾かれたのか分からない」という声が挙がっていました。
何が変わったのか — 拒否理由を3か所に表示
v2.1.193 で、auto mode の拒否理由が次の3か所に表示されるようになりました。
auto mode が transfer.sh への外部アップロードをデータ持ち出しとして拒否し、その理由を会話ログ(transcript)に表示している
| 表示先 | 内容 |
|---|---|
| transcript | 会話ログに拒否理由を記録 |
| 拒否トースト | ブロック時に理由を通知 |
/permissions |
Recently denied タブに履歴として記録 |
拒否された操作を再試行する
/permissions の Recently denied タブで拒否された操作を選び、r キーを押すと再試行用にマークできます。
ダイアログを閉じると、Claude Code がそのツール呼び出しを再試行してよいというメッセージをモデルに送り、会話を再開します。
すべてのシェルコマンドを分類器に通す
v2.1.193 では autoMode.classifyAllShell 設定も追加されました。通常 auto mode の分類器は、任意コード実行のパターンに該当するコマンドだけを対象にします。
この設定を有効にすると、すべての Bash・PowerShell コマンドを分類器に通せます。
{ "autoMode": { "classifyAllShell": true } }
その他の変更点
| 変更点 | バージョン | 参照 |
|---|---|---|
/rewind が /clear 実行前の会話からも再開できるように。誤って /clear した会話を取り戻せる |
v2.1.191 | Releases |
| ストリーミング中の CPU 使用率を約37%削減(テキスト更新を 100ms 単位でまとめて実現)。長時間セッションのメモリ増加も抑制 | v2.1.191 | Releases |
sandbox.credentials 設定を追加。サンドボックス内のコマンドが認証情報ファイルや秘密の環境変数を読むのをブロック |
v2.1.187 | Releases |
組織が許可するモデルを制限可能に。model picker・--model・/model・ANTHROPIC_MODEL に「組織設定により制限」と表示 |
v2.1.187 | Releases |
OpenTelemetry に claude_code.assistant_response ログを追加。モデルの応答本文を記録(既定は秘匿だが、プロンプト本文を既にログ出力中の環境ではアップグレード後に応答本文も記録され始める。OTEL_LOG_ASSISTANT_RESPONSES=0 で抑制) |
v2.1.193 | Releases |
| 外部プラグインのインストール同意を必須化。プロジェクト設定だけで有効化された外部プラグインも明示同意を要求 | v2.1.195 | Releases |
| 音声ディクテーションの不具合を修正。日本語・中国語・タイ語など空白で区切らない言語で auto-submit が発火するように | v2.1.195 | Releases |
/workflows のエージェント詳細にステータスフィルタ(f キー)を追加 |
v2.1.186 | Releases |
/plugin の Installed タブに「Skills」セクションを追加 |
v2.1.186 | Releases |
/review <pr> が /code-review medium と同じレビューエンジンを使うように |
v2.1.186 | Releases |
まとめ
今週の Claude Code は、派手な新機能こそ少ないものの、現場で効く改善が揃った週でした。claude mcp login は、SSH や CI といったブラウザのない環境での MCP 認証という長年の課題を解決します。
bash モードの自動応答は、! npm test の失敗をそのまま解説させるような、日常的なワークフローを短縮します。auto mode の拒否理由表示は、「なぜ弾かれたのか」という運用上のストレスを減らします。
最も話題を集めたのは /rewind の /clear 前復元ですが、地味な改善の積み重ねこそ、毎日使うツールの完成度を着実に高めています。来週以降も、こうした足回りの改善が続くかに注目です。