Claude Code更新 デスクトップ刷新・ultrareview【4/12〜18】

記事タイトルとURLをコピーする

はじめに

サーバーワークスの池田です。

今週(4/12〜4/18)の Claude Code は v2.1.105 から v2.1.112 まで7バージョン(※ v2.1.106 はスキップ)がリリースされました。Anthropic 側でも 4 月 14 日に Claude Code デスクトップアプリの完全刷新と Routines、4 月 16 日に Claude Opus 4.7 と /ultrareview と、注目度の高い発表が立て続けに入った週です。Opus 4.7 本体の詳細は別記事で取り上げているので、本記事ではそれ以外の Claude Code 側の更新に絞って紹介します。

この記事で分かること

  • デスクトップアプリの完全刷新で何が変わったのか(マルチセッションサイドバー・ドラッグ&ドロップレイアウト・統合ターミナル/エディタ・Side Chat)
  • Routines(リサーチプレビュー)の 3 種類のトリガー(Schedule / API / GitHub)と、先週紹介した Managed Agents・/autofix-pr からの位置付け
  • クラウド並列マルチエージェントレビューの /ultrareview の使い方・料金・制約
  • セッション復帰時の自動サマリー /recap の動作条件と設定
  • フルスクリーン TUI モード(/tui fullscreen)と /focus コマンドの分離
  • Auto mode の Max プラン + Opus 4.7 対応と --enable-auto-mode フラグ廃止
  • その他の注目変更点(1時間プロンプトキャッシュ、PreCompact hook のブロック、PowerShell ツール段階ロールアウトなど)

今週の主要アップデート一覧

機能 バージョン 主な変更点 参照
デスクトップアプリ完全刷新 Desktop v1.2581.0+ マルチセッションサイドバー・ドラッグ&ドロップ・統合ターミナル/エディタ・Side Chat・3 種類の表示モード 公式ドキュメント
Routines 研究プレビュー Schedule / API / GitHub の 3 種類のトリガーでアクティブセッション不要のクラウド自動実行 公式ドキュメント
/ultrareview v2.1.111(研究プレビュー、ドキュメント上は v2.1.86+) クラウドで並列マルチエージェントがレビュー、各指摘を独立検証 公式ドキュメント
/recap v2.1.108 離席から戻ったときにセッションの 1 行サマリーを自動生成 公式ドキュメント
/tui fullscreen + /focus v2.1.110 フルスクリーン TUI モード、Ctrl+O は verbose 切替専用に Releases
Auto mode Max 対応 v2.1.111 Opus 4.7 使用時に Max プランで Auto mode が利用可能、--enable-auto-mode フラグ廃止 Releases

注目アップデート1 Claude Code デスクトップアプリの完全刷新

4 月 14 日、Claude Code のデスクトップアプリ(macOS / Windows)が刷新されました。従来のデスクトップアプリは CLI を GUI で包んだシンプルな構成でしたが、今回の刷新で「複数のタスクを同時に走らせるための作業環境」に作り変えられています。マルチセッションサイドバー・ドラッグ&ドロップレイアウト・統合ターミナル・アプリ内ファイルエディタ・Side Chat・Computer Useまで揃い、CLI が担っていた多くの作業を 1 つのウィンドウで完結できるようになりました。Pro / Max / Team / Enterprise の全プランと Claude API ユーザーが対象、Desktop v1.2581.0 以上で利用可能です。

左サイドバーにセッション一覧、中央がチャット、右側にプレビュー・ターミナル・差分ビューアなどのペインを配置できる構成

刷新後の全機能を実機キャプチャ付きで詳しく解説した記事を別途用意しました。インストール手順から 5 つの権限モード、ペイン構成(統合ターミナル・ファイルエディタ・差分・プレビュー)、Computer Use、ブラウザへのセッション引き継ぎ、PR 作成と CI 監視、CLI vs Desktop 比較、CLI からの移行手順までをカバーしています。

👉 詳細記事:【2026年4月最新】Claude Code デスクトップアプリ完全刷新 全機能徹底レビュー

本記事では、同じ 4 月 14 日にあわせてリリースされた Routines に絞って深掘りします。

注目アップデート2 Routines — セッションなしで Claude Code を自動実行する

同じ 4 月 14 日、デスクトップアプリ刷新とあわせて Routines(研究プレビュー)がリリースされました。Routines は「プロンプト・リポジトリ・コネクタ」を 1 つの設定としてまとめ、アクティブセッションなしで Anthropic のクラウド基盤上で自動実行できる仕組みです。Pro / Max / Team / Enterprise の各プランで、Claude Code on the web が有効なアカウントで利用できます。

作成・管理は claude.ai/code/routines・デスクトップアプリの New task → New remote task・CLI の /schedule の 3 経路から可能で、どこで作っても同じクラウドアカウントに保存されます。Web から利用する場合は、claude.ai の左サイドバーに追加された Routines から一覧画面に入ります。

サイドバーから Routines に移動すると一覧画面が開く。右上の「新しいルーチン...」から新規作成

Routines のトリガーは次の 3 種類で、1 つの Routine に複数組み合わせることもできます。

トリガー 動作 設定可能な UI
Schedule 毎時/毎日/平日/毎週のプリセット頻度で実行。CLI からは /schedule update でカスタム cron 式(最小間隔 1 時間)も設定可能 Web / CLI / Desktop
API Routine ごとに専用の /fire エンドポイントが発行され、Bearer トークン付き HTTP POST で実行可能 Web のみ(トークンは表示 1 回限り)
GitHub Pull request / Release の 2 カテゴリに対して、特定アクション(pull_request.opened など)またはカテゴリ全体で発火 Web のみ

API トリガーはベータヘッダ experimental-cc-routine-2026-04-01 付きのリクエストを送る形で、サンプルリクエストは次のようになります。

curl -X POST https://api.anthropic.com/v1/claude_code/routines/trig_01ABCDE.../fire \
  -H "Authorization: Bearer sk-ant-oat01-xxxxx" \
  -H "anthropic-beta: experimental-cc-routine-2026-04-01" \
  -H "anthropic-version: 2023-06-01" \
  -H "Content-Type: application/json" \
  -d '{"text": "Sentry alert SEN-4521 fired in prod. Stack trace attached."}'

GitHub トリガーでは PR の作者・タイトル・本文・ベース/ヘッドブランチ・ラベル・ドラフト/マージ状態といった条件で絞り込みができるため、「特定の作者の PR だけ追加レビュー」「needs-backport ラベル付きの PR だけバックポート実行」といったユースケースを宣言的に組めます。

Routines はセッションなしで自律実行されるため、権限モードの選択や承認プロンプトはありません。その代わりに、リポジトリのブランチ push 範囲(デフォルトでは claude/ 接頭辞のあるブランチのみ、必要に応じて unrestricted pushes を許可)、環境変数・ネットワークアクセス、利用可能なコネクタで権限を制限する設計です。本番リポジトリにつなぐ場合は、最小権限で絞り込んでおくのが安全です。

作成画面の例:毎朝走る E2E テスト Routine

実際の作成画面を見ると、Routines で設定する項目が一目で把握できます。下のキャプチャは、PlayLite MCP を使って「毎朝 9:00 JST にログイン系の E2E テストを実行する」Routine を作っている例です。

名前・プロンプト・モデル(Opus 4.7 アダプティブ)・リポジトリ・環境・トリガー(毎日 9:00 JST)・コネクタ(Gmail / Google Calendar / Slack)を 1 画面で設定

ここでは Schedule トリガーを選択し、コネクタに Gmail / Google Calendar / Slack を接続しています。フォーム下部には「Claudeは、実行中に許可を求めることなく、これらのコネクターのすべてのツール(書き込みを含む)を使用できます。エージェントにアクセスさせたくないものは削除してください。」という警告が常時表示され、セッションなしで自律実行される Routine の権限設計を誤らないよう注意喚起されるようになっています。

Managed Agents・/autofix-pr との位置付け

先週紹介した Managed Agents/autofix-pr と同じく、アクティブセッション不要のクラウド自律実行という路線の延長線にある機能です。Managed Agents が開発者向けの低レベル API、/autofix-pr が CI/PR 連携に寄ったコマンドだったのに対して、Routines は「スケジュール・Webhook・API の 3 トリガーをまとめて扱う汎用の自動化プラットフォーム」という位置付けと考えると整理しやすいです。

注意点・制約

  • Routines は研究プレビューのため、挙動・制限・API サーフェスは変更される可能性があります。GitHub トリガーには研究プレビュー期間中、Routine ごと・アカウントごとの時間単位キャップがあり、上限を超えたイベントはドロップされます(現在の上限は claude.ai/code/routines で確認可能)。
  • Routines で Claude が GitHub や各コネクタ経由で行った操作(コミット・PR・Slack 投稿など)は あなた自身のアカウントとして記録されるため、共有アカウント運用時は注意が必要です。
  • デスクトップアプリ刷新後のレイアウトは v1.2581.0 以上で利用可能です。旧バージョンの場合は Claude → Check for Updates(macOS)または Help → Check for Updates(Windows)で更新してください。
  • デスクトップアプリは Linux 非対応、リモートセッションではファイルエディタ・Side Chat・@メンション・プラグインは利用不可といった機能差があります。

今週の新コマンド

/ultrareview — クラウドで並列マルチエージェントがレビューする

/ultrareview は、Claude Code on the web のクラウドサンドボックス上で、多数のレビュアーエージェントが並列にコードを読み、各指摘を独立検証してから報告するコマンドです。公式 changelog では v2.1.111 で追加されたコマンドとして掲載されていますが、公式ドキュメントでは研究プレビュー機能として v2.1.86 以降で利用可能と記載されており、今週正式にコマンド列へ加わった形です。Claude 公式アカウントも告知した目玉機能で、Min Choi 氏の投稿など SNS でも反響が大きい更新でした。

実行すると、バックグラウンドで Remote agent としてレビューエージェントが起動し、タスクパネルに進行状況が表示されます(実行例ではタスクが ultrareview: main のような名前で並びました)。レビューは複数のステップに分かれて進み、完了するとセッション内で通知されます。下のキャプチャは cc-doc-tracker リポジトリに対して /ultrareview を走らせたところで、今回の実行では セットアップ → 検索 → 検証 → 重複除去 のようなステップが順に表示され、「レビュー完了 — 問題は見つかりませんでした」とクリーンな結果が返ってきました(ステップの数や名称は実行時のレビュー内容で変動する可能性があります)。

Remote agent としてバックグラウンド実行された /ultrareview の完了画面。今回の実行例ではセットアップ/検索/検証/重複除去のステップが表示された

/review との違い

同じコードレビューでも、ローカルの /review とは狙いも仕様も別物です。

/review /ultrareview
実行環境 ローカルセッション内 クラウドサンドボックス(リモート)
深さ 単回パス マルチエージェントの艦隊で並列+独立検証
所要時間 数秒〜数分 5〜10 分程度
コスト 通常の使用量に計上 無料枠(Pro/Max 3 回)、以降は extra usage として 1 回あたり $5〜$20
向き不向き 作業中のクイックフィードバック マージ前の本番レビュー

最大の特徴は 各指摘が独立に再現・検証されてから報告される 点です。再現できない指摘は出てこないため、スタイル系や推測ベースのノイズを抑えて「本物のバグ」に近い信号だけが残ります。レビュー中はバックグラウンドで走るため、ターミナルは空けたままで作業を続けられます。

使い方

引数なしで実行すると現在のブランチとデフォルトブランチの diff(作業ツリーの未コミット/ステージ済み変更を含む)が対象になります。

/ultrareview

GitHub の PR を指定したい場合は PR 番号を渡します。この場合はローカルの作業ツリーではなく、GitHub から直接 PR がクローンされてレビュー対象になります。

/ultrareview 1234

リポジトリサイズが大きくバンドルできない場合、Claude Code 側が PR モードへの切替を促してくるので、git push してドラフト PR を立ててから /ultrareview <PR番号> で回す、という動線になります。実行中のレビューは /tasks で一覧・停止可能で、完了時にはセッション内で通知されます。

料金と制約

料金は extra usage として課金される仕組みで、プランごとの無料枠と対応表は次の通りです。

プラン 無料枠 無料枠超過後
Pro 3 回(一度きり、リセットなし) extra usage として 1 回 $5〜$20
Max 3 回(一度きり、リセットなし) extra usage として 1 回 $5〜$20
Team / Enterprise なし extra usage として 1 回 $5〜$20

無料枠を使い切った後は extra usage が有効化されている必要があります。未有効化の場合は実行がブロックされ、設定画面へのリンクが表示されます。/extra-usage コマンドでも確認・変更可能です。

制約として、Amazon Bedrock / Google Vertex AI / Microsoft Foundry 経由では利用不可Zero Data Retention を有効化している組織でも利用不可です。また、API キーのみで認証している場合は /login で Claude.ai アカウントに追加認証する必要があります(クラウド基盤を共有する構造上の要件)。

/recap — 離席から戻ったときのセッションサマリー

/recap は、ターミナルから離れて戻ってきたときに、そのセッションで何が起きたかを 1 行で要約してくれる機能です。v2.1.108 で追加され、v2.1.110 以降は telemetry を無効化しているユーザー(Bedrock / Vertex / Foundry / DISABLE_TELEMETRY 設定済み)でも自動で有効化されるようになり、すべてのプラン・プロバイダーでデフォルト ON となりました。

手動で呼び出す /recap

セッション内で /recap を実行すると、その時点までの作業内容が 1 行に凝縮されたサマリーとして出力されます。たとえばブログ記事執筆中のセッションで打つと、「今週の Claude Code 週次記事(4/12〜18)を執筆中で、デスクトップ刷新・Routines・/ultrareview などを含めて 431 行・画像29枚まで仕上がってる。次は Typora で全体通し読みして、分割するか最終判断をもらう段階だよ。」のような調子で、「何をやっていて、次は何をするか」までまとまった形で返ってきます。

/recap を手動実行したところ。その時点までの作業内容と次のアクションが 1 行でまとめられる

自動で差し込まれるリキャップ

自動 recap は、離席後に戻ってきて次の発話をしたタイミングで、アシスタントの返答の冒頭に ※ recap: として自動で差し込まれます。下のキャプチャは A2A マルチエージェントチャットデモの作業セッションに戻って続きを依頼した場面で、サービスの稼働状態テーブルに加えて「※ recap: A2A v1.0 準拠のマルチエージェントチャットデモで、サブエージェントの逐次報告をトレースパネルにリアルタイム表示する機能まで実装完了」という一文が添えられ、前回の到達点と次の手が引き継げる状態になっています。

戻ってきて次の発話をしたタイミングで、アシスタントが ※ recap: の 1 行で作業の続きを示してくれる

自動 recap が生成される条件

自動 recap が生成される条件は以下の通りで、ちょうど「ちょっと席を外した後」に合うよう設計されています。

  • 最後に完了したターンから 3 分以上経過している
  • ターミナルがアンフォーカス状態である(別ウィンドウに移っているなど)
  • セッションが 3 ターン以上進んでいる
  • 直前に recap が表示されていない(連続表示は禁止)

フォアグラウンドに戻る前にバックグラウンドで生成が始まるため、戻ってきた瞬間にはサマリーが表示されている状態になります。

利用できないケース

会話がまだ 3 ターンに満たないセッションでは /recap を実行できません。デスクトップチャット UI などで呼び出すと、「一部のコマンドは Claude Code のターミナルでのみ使用できます」というエラーが返ります。

セッションが短い場合は/recap が利用できない

設定の上書き方法

設定は /configSession recap トグルと、環境変数 CLAUDE_CODE_ENABLE_AWAY_SUMMARY の 2 経路で制御できます。環境変数は /config トグルに優先するため、CI やスクリプト経由で強制 ON/OFF にしたい場合に便利です。非対話モード(-p や SDK 経由)では常にスキップされます。

長時間作業を前提にした小さな変更ですが、複数プロジェクトを並行で回して「前回どこまで進めたっけ?」が常に発生する開発者には地味に効く機能です。先週紹介した /team-onboarding が「チーム全体で Claude Code の使い方を共有する」方向だったのに対して、/recap は「個人が自分自身の作業文脈を失わないようにする」方向の補助機能と言えます。

/tui fullscreen と /focus — TUI モードの刷新

v2.1.110 で TUI モード周りが再整理されました。

新コマンド /tui fullscreen を実行すると、同じ会話のまま フルスクリーンのフリッカーフリーレンダリングに切り替わります。長い出力や差分表示で画面がチラつく問題を避けたい場合や、ターミナルを占有して作業に集中したい場合に有効です。/tui 設定値を settings.json で指定しておけば、起動時からフルスクリーンで入ることもできます。autoScrollEnabled 設定で、フルスクリーンモードでの自動スクロールを無効化することも可能になりました。

あわせて /focus コマンドが新設され、従来 Ctrl+O に割り当てられていた focus ビュー(Claude の最終メッセージだけを表示するモード)の切替がここに分離されました。結果として Ctrl+ONormal と Verbose の transcript 切替専用になります。focus モード中でも、session recap や local slash-command の出力、システムステータス行は正しく表示されるよう修正されています。

見た目の変化としては、デフォルトモードは必要分だけの高さに収まるのに対して、フルスクリーンモードに切り替えるとターミナルの高さを使い切ったレイアウトに変わり、下部に Claude in Chrome 連携や focus のインジケーターが並びます。

デフォルトモード。入力欄とステータス行が接した、従来の行流し型レイアウト

/tui fullscreen 実行後。ターミナルの高さを使い切って、下部に Claude in Chrome 連携や focus インジケーターが出る

/less-permission-prompts — 許可プロンプトを減らすスキル

v2.1.111 で追加された /less-permission-prompts スキルは、これまでのセッション transcript を解析して read-only な Bash・MCP ツール呼び出しを洗い出し、優先度付きの allowlist を .claude/settings.json に提案してくれます。

実務で Claude Code を使い込んでいると、「lsgit status まで毎回許可プロンプトが出る」といったストレスが積もってきます。都度 permissions.allow を書くのも面倒なので、このスキルは今まで実際に承認してきたコマンドを根拠に、安全な read-only 系だけを自動で拾って提案してくれるのが便利なポイントです。提案ベースなので、不要なものは除外してから保存できます。

実行すると transcript を 50 本スキャンして、使用頻度付きで候補が表に並びます。下のキャプチャの例では、greplsfindgit log/diff/status などの bash コマンドは既に Claude Code 側で自動許可されているため、実際に追加提案されたのは MCP ツール 3 件mcp__claude-in-chrome__find が 74 回、mcp__claude-in-chrome__read_console_messages が 36 回、mcp__claude-in-chrome__tabs_context_mcp が 6 回)になっています。

使用頻度付きの候補テーブル。bash の read-only 系は自動許可済みと判断し、MCP ツールだけが提案候補として残る

承認すると .claude/settings.json に追加分が書き込まれ、許可済みリストが空だった場合は新規作成されます。スキル呼出ごとに都度、実際の利用ログに基づいた allowlist を作り直せる形です。

その他の新コマンド・エイリアス

  • /undo/rewind のエイリアスとして追加(v2.1.108)。直感的な名前で直前の変更を取り消せるようになりました。
  • /proactive/loop のエイリアスとして追加(v2.1.105)。/loop の別名として使えます。

既存コマンドのアップデート

Auto mode が Max プラン + Opus 4.7 で利用可能に

これまで Auto mode(分類器ベースで権限承認を自動化するモード)は Team / Enterprise / API プラン限定でしたが、v2.1.111 で Max プランで Opus 4.7 を使用する場合にも利用可能になりました。Max ユーザーは Opus 4.7 以外のモデルでは Auto mode を使えない制限がある点だけ注意が必要です。

同じ v2.1.111 で、Auto mode 有効化のための --enable-auto-mode フラグが不要になりました。これまでは別途有効化が必要でしたが、今後は /mode のセレクターから直接切替できます。

これまで Auto mode は「Team 以上のエンタープライズ向け先進機能」として提供されてきましたが、今回の対応でいよいよ 個人 Max プランでも長時間タスクを承認プロンプトなしで走らせられるようになりました。/ultrareview や Routines と組み合わせれば、「Opus 4.7 + Auto mode で実装 → /ultrareview でマージ前レビュー → Routines で定期的なメンテナンスタスク」という階層が 1 つのアカウントで完結します。

/setup-vertex と /setup-bedrock の改善

Amazon Bedrock 接続の /setup-bedrock と Google Vertex AI 接続の /setup-vertex のウィザードに v2.1.111 で複数の改善が入りました。

  • CLAUDE_CONFIG_DIR 環境変数が設定されている場合、実際に書き込まれる settings.json のパスを表示。どこに書き込まれるかが常に見える形に。
  • 再実行時に既存ピンからモデル候補をシード。毎回まっさらからの再選択にならず、現在の設定を土台に変更できる。
  • 1M context 対応モデルで "with 1M context" オプションを選択可能。1M コンテキスト前提の運用を最初から選べるようになりました。

/skills メニューの整理

v2.1.111 で /skills メニューがトークン数ソートに対応し、t キーで名前順/トークン数順を切り替えられるようになりました。あわせて、v2.1.105 で スキル description の表示キャップが 250 文字から 1,536 文字に引き上げられました(省略された場合は起動時に警告が表示されます)。スキルを量産している場合のコンテキストコスト把握と、スキル選択ロジックの精度向上を狙った変更です。

Skill tool がビルトインのスラッシュコマンドを discover 可能に

v2.1.108 で、Skill tool 経由でモデルが /init/review/security-review などのビルトインスラッシュコマンドを自律的に呼び出せるようになりました。たとえば「このブランチをセキュリティ視点でレビューして」と依頼した場合に、モデルが自動で /security-review を呼び出す動線が作れます。先週紹介した /advisor と組み合わせれば、エグゼキューターが自分で /review を呼んでから Opus に相談する、といった高度な動き方も可能になります。

その他の変更点

変更点 バージョン 参照
ENABLE_PROMPT_CACHING_1H 環境変数を追加。API キー・Bedrock・Vertex・Foundry でプロンプトキャッシュ TTL を 1 時間に延長可能(FORCE_PROMPT_CACHING_5M で 5 分に戻すことも可) v2.1.108 Releases
PreCompact hook が exit code 2 または {"decision":"block"} でコンパクションをブロック可能に v2.1.105 Releases
EnterWorktree tool に path パラメータが追加。既存 worktree への切替が可能に v2.1.105 Releases
プラグインの background monitor に対応(monitors manifest キー)。セッション開始時・スキル起動時に自動 arming v2.1.105 Releases
Windows で PowerShell tool が段階的ロールアウト。CLAUDE_CODE_USE_POWERSHELL_TOOL で opt-in/out(Linux/macOS は =1 で有効化、pwsh が PATH 上に必要) v2.1.111 Releases
read-only な bash コマンドの glob パターン(ls *.ts 等)と、cd <project-dir> && で始まるコマンドは permission prompt なしで実行可能に v2.1.111 Releases
claude <word> のタイポ時に近い正式サブコマンドを提案(例: claude udpateDid you mean claude update? v2.1.111 Releases
Plan ファイル名がプロンプト由来に(例: fix-auth-race-snug-otter.md v2.1.111 Releases
ターミナルのダーク/ライトモードに追従する "Auto (match terminal)" テーマを追加。/theme から選択可能 v2.1.111 Releases
Remote Control の push notification tool 追加。"Push when Claude decides" 設定が有効な場合、Claude が自発的にモバイル push 通知を送信 v2.1.110 Releases
Ctrl+U の挙動を「行頭まで削除」から「入力バッファ全体をクリア」に変更。Ctrl+Y で復元、Ctrl+L はプロンプトクリア+全画面再描画 v2.1.111 Releases
OTEL_LOG_RAW_API_BODIES 環境変数を追加。OpenTelemetry ログイベントとして API リクエスト/レスポンスの完全な body を出力可能(デバッグ用途) v2.1.111 Releases
Headless --output-format stream-json の init イベントに plugin_errors を追加。依存解決失敗で無効化されたプラグインが見える v2.1.111 Releases
/resume ピッカーが現在ディレクトリのセッションをデフォルト表示、Ctrl+A で全プロジェクト表示に v2.1.108 Releases
/model がセッション中の切替前に警告を表示(次応答で履歴を uncached で再読込するため) v2.1.108 Releases
v2.1.110 で導入された non-streaming フォールバックリトライの上限を撤回。API オーバーロード時の「長い待機」を「確定的な失敗」に置き換えて悪化していたため v2.1.111 Releases
Opus 4.7 関連の "claude-opus-4-7 is temporarily unavailable"(auto モード)エラーを修正 v2.1.112 Releases
多数のバグ修正(iTerm2 + tmux のディスプレイテアリング、@ ファイル候補の再スキャン、LSP 診断のタイミングずれ、/resume タブ補完、/context グリッドレンダリング、feedback アンケートの連続表示、bare URL の折返しクリッカブル化、Windows での CLAUDE_ENV_FILE 反映、ドライブレターの case 区別など30件以上) v2.1.105〜v2.1.111 CHANGELOG.md

まとめ

今週の Claude Code は、デスクトップアプリの完全刷新、Routines、/ultrareview と、「作業の入口」そのものが増えた週でした。

先週の /autofix-pr と Managed Agents によって「クラウドで長時間走るエージェントに作業を預ける」路線が開かれたのに対して、今週の Routines は Schedule / API / GitHub の 3 種類のトリガーを 1 つの Routine にまとめて扱う汎用自動化プラットフォームとして、より一般プランでも使える形に落とし込まれました。/ultrareview はそのクラウド実行の「品質保証レイヤー」に当たる位置付けで、マージ前の本番レビューをローカルセッションから切り離しつつ、独立検証で信号品質を担保する設計です。

デスクトップアプリ側の刷新は、これらのクラウド系機能を 複数セッション並列で扱うための作業環境を提供しています。tmux や VS Code のタブに頼らなくても、サイドバーとドラッグ&ドロップレイアウトで並列タスクが捌けるようになり、CLI 以外の入口が実用レベルに到達したと言えます。

池田 智耶(執筆記事の一覧)

ディベロップメントサービス2課

生成AI関連の記事を中心に執筆!