
はじめに
サーバーワークスの池田です。
今週(3/29〜4/4)の Claude Code は v2.1.86 から v2.1.92 まで多数のリリースが行われました。先週 Desktop アプリに搭載された Computer Use が CLI にも対応し、ターミナルからmacOSのネイティブアプリを操作できるようになりました。また /powerup によるインタラクティブチュートリアルや、Webセッションをターミナルに引き継ぐ /teleport など、使い方を広げる機能が一気に揃った週です。
この記事で分かること
- CLIから macOS アプリを Claudeが操作する Computer Use の有効化手順と権限モデル
- ターミナル内でアニメーション付きチュートリアルを受けられる
/powerupの使い方 - 拡張思考モードで念入りに計画を立てる
/ultraplanが復活した経緯と使い方 - AWS Bedrock のセットアップをウィザード形式で進める
/setup-bedrockの紹介 - エイプリルフール(4/1)に登場したターミナルペット
/buddyの詳細
今週の主要アップデート一覧
| 機能 | バージョン | 主な変更点 | 参照 |
|---|---|---|---|
| Computer use in CLI | v2.1.86+ | CLI から macOS のネイティブアプリを操作可能に(research preview、Pro/Max) | 公式ドキュメント |
| /powerup | v2.1.90 | アニメーション付きインタラクティブチュートリアル(10レッスン)を追加 | 公式ドキュメント |
| /ultraplan | v2.1.91 | クラウドで計画を立案しブラウザでレビュー。Web またはターミナルで実装 | 公式ドキュメント |
| /setup-bedrock | v2.1.92 | Bedrock 設定をウィザード形式で対話的に完了できるコマンドを追加 | 公式ドキュメント |
| /buddy | v2.1.89 | エイプリルフール(4/1)に登場したターミナルペット機能 | Changelog |
注目アップデート1: Computer use in CLI
何が変わったのか
先週の Desktop アプリ対応に続き、CLI でも Computer Use が使えるようになりました(research preview)。Claude がコードを書くだけでなく、コンパイルしてアプリを起動し、画面をクリックして動作を確認し、バグがあればそのまま修正する、という一連のループをターミナル一本で完結できます。
対象は macOS のみで、Pro または Max プランが必要です。
/mcp を実行すると MCP サーバー一覧が表示されます。デフォルトは disabled です
有効化すると connected に変わります
Claude に機能を尋ねると、Tier 制限(ブラウザは read のみ、ターミナル・IDE は click のみ、その他は full)を含めた説明が返ってきます
アプリ操作時に request_access が実行されます。Screen Recording が未付与の場合、System Settings へのリンクと「Try again」が表示されます
有効化の手順
- Claude Code を起動し、
/mcpを実行する - 一覧から
computer-useを選択して有効化する - macOS の アクセシビリティ(クリック・タイプ用)と画面録画(スクリーンショット用)の権限を付与する
初めて特定のアプリを操作する際はターミナルに権限確認プロンプトが表示されます。アプリのカテゴリに応じて以下の権限レベルが割り当てられます。
| 権限レベル | できること | 主な対象 |
|---|---|---|
| View only | スクリーンショット閲覧のみ | ブラウザ、取引プラットフォーム |
| Click only | クリック・スクロールのみ(キー入力不可) | ターミナル、IDE |
| Full control | クリック・タイプ・ドラッグ・ショートカット | その他すべて |
実際に使ってみた
試しに以下のプロンプトを投げてみました。
> Computer Use を利用して新しいターミナルを新しいウィンドウで立ち上げて、 Claude Code を起動しバージョンの部分を赤枠で囲ったキャプチャーを取ってください。
Claude が新しいターミナルウィンドウを開き、Claude Code を起動して、バージョン番号を赤枠でハイライトしたスクリーンショットを自動で取得してくれました。
「バージョンを赤枠で囲ってキャプチャして」という指示だけで、ターミナル起動から撮影まで自動で完結しました
注意点・制約
- macOS 専用。Linux・Windows には非対応
- Pro または Max プランが必要(Team・Enterprise は対象外)
-p(非インタラクティブ)モードでは使用不可Escキーでいつでも操作を中断可能- Terminal や Finder など広範なアクセスを持つアプリでは追加の警告が表示される
注目アップデート2: /powerup — ターミナル内インタラクティブチュートリアル
何が変わったのか
v2.1.90 で /powerup コマンドが追加されました。Claude Code の機能をターミナルを離れずにアニメーション付きで学べるチュートリアルシステムです。ドキュメントを別タブで開く必要がなく、実際の操作環境でそのまま学習できます。
/powerup を実行するとレッスン一覧が表示されます。完了するとチェックマークが付きます(画面は 0/10 unlocked の初期状態)
収録レッスン(全10項目)
現在は以下のレッスンが用意されています。
- Talk to your codebase —
@ファイル参照、行番号指定 - Steer with modes —
Shift+Tab、plan モード、auto モード - Undo anything —
/rewind、Esc-Esc - Run in the background — タスク管理、
/tasks - Teach Claude your rules —
CLAUDE.md、/memory - Extend with tools — MCP、
/mcp - Automate your workflow — skills、hooks
- Multiply yourself — サブエージェント、
/agents - Code from anywhere —
/remote-control、/teleport - Dial the model —
/model、/effort
注意点・制約
- チュートリアルは英語固定です。日本語インターフェースへの切り替えはできません
toggle-memoryコマンドも v2.1.90 で同時追加されています。Auto memory のオン・オフを切り替えるコマンドで、/powerupのメモリ管理レッスンと連動しています
注目アップデート3: /ultraplan — Web上でプランを立ててターミナルに戻る
何が変わったのか
/ultraplan は v2.1.89 でいったん削除されましたが、v2.1.91 で復活しました。ローカル CLI からタスクを投げ、クラウド(Claude Code on the web)で計画を立案し、ブラウザでレビューしてから Web またはターミナルで実装するワークフローです。
/ultraplan にプロンプトを入力すると処理が始まります
プロンプトを入力すると、クラウドで実行することを確認するダイアログが表示されます。
クラウド実行の確認ダイアログ。確認後、計画立案がクラウド側で始まります
確認後、ターミナル上でクラウド側の実行が始まります。ターミナルにはステータスインジケーターが表示され、計画立案中も別の作業を続けられます。
ターミナルにステータスが表示されます。/tasks からセッションリンクを開くか、インジケーターからブラウザで確認できます
ブラウザを開くと、Web 上でエージェントが実際にファイルを読みながら計画を立てている様子をリアルタイムで確認できます。
Web 上でエージェントが動いている様子。ファイルを読みながら計画を組み立てます
計画が完成するとブラウザでレビュー画面が開き、セクションごとにインラインコメントを追加できます。レビューが終わったら、実装場所を2択から選びます。
- Web で実装: 「Approve Claude's plan and start coding」— 同じクラウドセッションで実装を続行し、PR を作成
- ターミナルに戻す: 「Approve plan and teleport back to terminal」— ローカル環境で実装。現在のセッションを継続するか、新規セッションで始めるか選択できます
注意点・制約
/ultraplan起動と同時に Remote Control が切断されます(実行場所に関係なく)- GitHub リポジトリと Claude Code on the web アカウントが必要です
今週の新コマンド
/setup-bedrock — Bedrock セットアップウィザード
v2.1.92 で /setup-bedrock コマンドが追加されました。AWS Bedrock 経由で Claude Code を使う際の初期設定を、ウィザード形式で対話的に完了できます。これまでは AWS_REGION などの環境変数を手動で設定する必要がありましたが、このコマンドで案内に沿って進めるだけでセットアップが完了します。
ウィザードの流れ(全6ステップ)
まず認証方法を選択します。AWS SSO、Bedrock API key、Access key、既存の環境変数の4択から、自社環境に合ったものを選べます。
認証方法の選択。企業環境では SSO プロファイルを使うケースが多いです
SSO を選んだ場合、次に ~/.aws/config に記載のプロファイル名を入力します。プロファイルが多い場合は一覧表示されず直接入力になります。
プロファイル名を入力します。SSO の場合は事前に aws sso login --profile NAME を済ませておく必要があります
続いてリージョンを入力します。Claude Code は ~/.aws/config のリージョン設定を読まないため、ここで明示的に指定が必要です。
AWS_REGION として設定されます。Bedrock でモデルが有効化されているリージョンを指定してください
入力後、IAM ARN での認証確認とそのリージョンで使える Anthropic inference profile の数が表示されます。
認証成功。このリージョンで利用可能な inference profile が 19 件あることが確認できます
次にモデルバージョンのピン留めを選択します。ピン留めしておくと、Claude Code がアップデートされても同じモデルを使い続けられます。
最後に設定内容を確認して保存します。CLAUDE_CODE_USE_BEDROCK、AWS_REGION、AWS_PROFILE、モデル設定がまとめて ~/.claude/settings.json に書き込まれます。
書き込まれる設定の一覧が確認できます。Save を選ぶとセットアップ完了です
メモ: Bedrock 利用時は
/loginと/logoutコマンドが無効になります。認証は AWS クレデンシャルで管理されます。
/buddy — ターミナルに住むペット(エイプリルフール限定)
v2.1.89 の 4/1 アップデートで /buddy コマンドが追加されました。実行するとターミナルの入力プロンプトの横に ASCII アートのキャラクターが出現し、作業中ずっと一緒にいてくれます。
/buddy pet で有効化、/buddy off で無効化できます
有効化するとターミナルの右下にキャラクターが常駐し、ひとこと喋ったりします。
作業中もずっとそこにいます
/buddy を実行するとキャラクターの詳細ステータスが確認できます。
レアリティ(COMMON など)・種族(TURTLE など)・名前・各種ステータスが表示されます
キャラクターの種類はユーザー ID のハッシュから決定論的に生成されるため、同じアカウントでは毎回同じキャラクターが登場します。18 種類の種族と5 段階のレアリティが存在し、CHAOS・SNARK などのステータスも持っています。
リリース直後にパッケージに含まれていたソースマップから内部実装が話題になり、コミュニティで多くの考察が公開されました。
現時点では Pro プラン以上が必要で、無料ユーザーは利用できません。
その他の変更点
| 変更点 | バージョン | 参照 |
|---|---|---|
Flicker-free rendering — CLAUDE_CODE_NO_FLICKER=1 でalt-screenレンダラーを有効化。プロンプト入力欄が画面下部に固定され、長い会話でのチラつきが解消 |
v2.1.89 | 公式ドキュメント |
| autocompact — コンパクションの暴走ループを検出し、エラーで停止するよう修正 | v2.1.89 | Changelog |
| toggle-memory — Auto memory のオン・オフをコマンドで切り替え可能に | v2.1.90 | Changelog |
PermissionDenied hook — Auto mode で分類器がツール実行を拒否した際に発火する hook を追加。{ retry: true } を返すと Claude がそのツール呼び出しを再試行する |
v2.1.91 | 公式ドキュメント |
defer permissionDecision — PreToolUse hook から defer を返すと -p セッションがツール呼び出しで一時停止。SDK 側でカスタム UI を使って処理し、--resume で再開できる |
v2.1.91 | 公式ドキュメント |
MCP result-size override — MCP サーバーのツールごとに anthropic/maxResultSizeChars で最大 500K 文字まで出力上限を個別設定できる |
v2.1.91 | 公式ドキュメント |
Plugin bin/ on PATH — プラグインルートに bin/ を置くと Bash ツールの PATH に自動追加。CLI ヘルパーをプラグインとセットで配布しやすくなった |
v2.1.91 | 公式ドキュメント |
Edit tool 改善 — cat や sed -n で参照したファイルを事前の Read ツールなしで直接編集可能に |
v2.1.91 | Changelog |
Thinking summaries — インタラクティブセッションでデフォルト折りたたみ表示に。showThinkingSummaries: true で展開表示に変更可能 |
v2.1.91 | 公式ドキュメント |
| Hook 出力制限 — 10K 文字超の hook 出力はディスクに保存され、パスとプレビューのみがコンテキストに挿入される | v2.1.91 | 公式ドキュメント |
| Voice mode 強化 — push-to-talk 修飾キー対応、Windows WebSocket、macOS Apple Silicon マイク権限の改善 | v2.1.91 | 公式ドキュメント |
claude-cli:// deep link — 複数行プロンプトに対応(%0A エンコード) |
v2.1.91 | Changelog |
CLAUDE_CODE_TMPDIR — 内部一時ファイルの保存先を上書きできる環境変数を追加(デフォルトは macOS で /tmp、その他は OS の一時ディレクトリ) |
v2.1.92 | 公式ドキュメント |
まとめ
今週は CLI への Computer Use 対応(research preview)、/powerup によるチュートリアル整備、/setup-bedrock によるウィザード形式のセットアップ、/ultraplan の復活など、幅広い方向性のアップデートが続きました。
まだドキュメントが追いついていない機能も多く、今後の情報公開が楽しみです。エイプリルフールに登場した /buddy のような遊び心のある機能が本番機能と同じリリースに含まれるのも Claude Code らしさの一つかもしれません。