SESの上限緩和申請について(サンドボックス環境からの脱出)

記事タイトルとURLをコピーする

AlexaにAmazon Prime Music Unlimitedを提案されて購入してしまった技術5課の山﨑です。

今回はSESの上限緩和申請の方法についてまとめていきたいと思います。

SESの上限緩和申請について(サンドボックス環境からの脱出)

SESは初期環境では不正使用や悪用防止のためにサンドボックスと言われる利用制限がかかった環境に配置されています。これは全てのアカウントで同様です。

サンドボックス環境による利用制限として実運用に大きく影響を与えるであろう事項としては以下の3点です。 ※詳細はドキュメントをご覧ください

  • E メールの送信先は、検証済み E メールアドレスおよびドメイン、または Amazon SES メールボックスシミュレーターに制限される。
  • 最大で 24 時間あたり 200 メッセージの送信に制限される
  • 最大で 1 秒あたり 1 メッセージの送信に制限される

つまり、サンドボックス環境下ではEメールを送信するためには都度SESに送信先Eメールアドレスを登録して検証する作業が必要で且つ送信制限があるため実運用にはとても耐えられる環境ではないと言えます。

そこでSESをサンドボックス環境から本番運用に耐えうる環境に整備する必要があります。そこで必要な手続きが上限緩和申請です。

サンドボックス環境の確認方法

SESがサンドボックス環境であるかどうかはコンソールで分かります。以下のような表示があれば、サンドボックス環境です。

画像中のRequest a Sending Limit Increaseを押下すると申請画面に遷移することができます。

後は申請画面に従って項目を埋めていきます。「-オプション」という記述がある項目は一見すると記述不要に見えますが、これらの項目についてもきちんと記述した上で申請しましょう。 各項目の詳細な説明はドキュメントをご覧ください

申請におけるワンポイントアドバイス

申請項目中の「リクエスト」は上限緩和する制限を指定する項目です。例えば

  • リージョン:オレゴン
  • 希望する一日あたりの送信クウォータ:50000通/日
  • 希望する最大送信レート:100通/秒

のように具体的にどの程度、上限を緩和したいのかを指定します。

ここでポイントとしては、なぜこの数値で緩和をしたいのか、上記の場合だとなぜ一あたりの送信クウォータとして50000通/日、最大送信レートが100通/秒が必要なのか、その根拠を申請理由に記述することです。 50000通/日に緩和してください、とだけ言われても当然「どうして50000通必要なのだろうか?」と申請された側は考えるはずですので、そこは申請される側の人にとっても親切な書き方を心がけましょう

まとめ

以上、SESの上限緩和申請についてまとめてみました。申請を出してから一次回答があるまでは目安として1〜2営業日かかってしまいますので、スケジュールに余裕を持って申請を出しましょう