Savings Plan と Reserved Instance の比較

AWS運用自動化サービス「Cloud Automator」

CS課佐竹です。
最近、乾燥が酷くて困っています。加湿器を出さねば。

はじめに

Savings Plans に関するブログ第2弾です。前回は「[新機能] Savings Plans のリリースにあわせてIAMの権限を修正した話」で、Savings Plans の概要をご説明するとともに、新設された IAM の Managed Policy についてご説明しました。今回は Savings Plan (SP) と、 Reserved Instance (EC2) を比較します。

補足

Savings Planも、Reserved Instance (リザーブドインスタンス) も、種類が2種類ずつあります。それを合わせて英語では「Savings Plans」、「Reserved Instances」と複数形で記載されますが、今回は複数形を意識しない日本語に沿って、複数形ではなく基本的には単数形表示で記載するようにしてみました。

また、Reserved Instance の対象サービスには「RDS」等も存在しますが、今回は比較対象としてEC2のReserved Instanceとしています。

2019年11月20日追記:現時点では RDSやElastiCache、Elasticserch、Redshiftでは未だに「Reserved Instance (Reserved Node)」を購入する必要があります。Compute Savings Plans の対象は EMR, ECS, EKS, Fargate, EC2 となっていますため、それ以外のサービスには適用されません。EC2 は Savings Plan の運用に切り替えが可能ですが、RDS 等をご利用中のお客様は Savings Plan と Reserved Instance を機能によって併用しなくてはいけないのが現状となります。

比較表

以下の比較表は「公式ドキュメント」を参考に作成しております。

サービス名 Savings Plan EC2 Reserved Instance
種類(type or class) Compute EC2 Instance Convertible Standard
割引率 最大 66%
Convertible RIと同等
最大 72%
Standard RIと同等
最大 66% 最大 72%
コミット期間の種類 1 年間(24h×365d) もしくは 3年間(24h×365d×3y) の期間指定
支払いオプション 「全額前払い、一部前払い、前払いなし」 から1つを選択
EMR, ECS, EKS, Fargate への適用 × EC2 Instanceのみの割引
全Regionに自動適用 × 指定したRegionのみの割引
全Instance Familyに自動適用 × 指定したInstance Familyのみの割引
全Instance Typeに自動適用 〇  × ただし「インスタンスサイズの柔軟性」を保持
全Tenancyに自動適用 〇  × 指定したTenancyのみの割引
全OS(platform)に自動適用 〇  × 指定したOS(platform)のみの割引
キャパシティ予約の機能提供 × 「オンデマンドキャパシティ予約」で対応可能 ただし「Availability Zone 指定」が必要
AWS アカウント間の共有無効化 可能(SPとRIで共通の設定項目) ※
購入後の交換機能の提供 × 〇 「Tenancy, OS, Family, Type等」で可 ×

[新機能] Savings Plans のリリースにあわせてIAMの権限を修正した話」 でも記載しましたが、キャパシティ予約の機能は「オンデマンドキャパシティ予約」で対応することになります。ですので「機能が無くなった」のではなく「機能が独立した」とご理解ください。

※「AWS アカウント間の共有無効化」ですが、公式ドキュメント(English)の Reserved Instance の共有無効化について記載されているページに Savings Plans の項目が追加されています

購入時に指定が必要な項目の比較

以下に「購入作業時に指定が必要」な項目について比較した表を記載します。

サービス名 Savings Plan EC2 Reserved Instance
種類(type or class) Compute EC2 Instance Convertible Standard
コミット期間の指定 必要
支払いオプションの指定 必要
利用料のコミットメント 1時間あたりの利用料を$で指定 リストから選択
Region指定 不要 必要
Instance Family指定 不要 必要
Instance Type指定 不要 必要
Tenancy指定 不要 必要
OS(platform) 指定 不要 必要
AZ(Scope)指定 不要 デフォルトRegion設定(変更可能)

比較すると一目瞭然なのですが、「Compute Savings Plan」のその柔軟性には驚かされるばかりです。コミットする期間と支払いオプションをまず指定し、あとは「1時間あたり何USD使うか」だけを決めれば終わりです。

今まで Reserved Instance は指定が複雑でしたので、オペレーションミスを稀に誘発していました。この簡素化は運用者にとって福音となるでしょう。

Pricing Listでの実際のコスト削減率の比較

実際に「Compute Savings Plan」が「Convertible Reserved Instance」と同じコスト削減が可能なのか見比べてみました。比較先は、東京リージョンにおいて最も利用が多いと想定されます「Linux」の「t2.nano」かつ「Shared」としました。また支払い期間は「3年」、支払いオプションは「前払いなし」としています。

以下が「Compute Savings Plan」の割引額です。

以下が「Convertible Reserved Instance」の割引額です。

どちらも時間単価が「0.0043 USD」となっており、費用削減率も「43%オフ」となっておりました。この比較を見るだけでも、「Compute Savings Plan」が「Convertible Reserved Instance」と同じだけのコスト削減効果を持つことがわかります。

まとめ

今回はご要望の多い Savings Plan と Reserved Instance の比較を行いました。実際に比較してみると「これから先のコスト削減においては、 Reserved Instance ではなく Savings Plan の運用に順次切り替えていかないといけないな」と思わされました。ただ、まだ実際に Savings Plan の購入&運用を行った結果はご提示できないため、これも早めに出せるように頑張ります。
ちなみにですが、 Savings Plan は大阪ローカルリージョンにも対応しているようで、対象リージョンの一覧に表示されます。大阪ローカルリージョンは基本的に Reserved Instance のコミットが前提でしたが、 Savings Plan の登場によりこの辺りは何か変わってくるのかも気になります。
あとは、「早くRDSも対象になってほしい!」ですね。

以上になります。またお会いしましょう。

AWS運用自動化サービス「Cloud Automator」