米国におけるIT関連の販売・流通ビジネス のカンファレンス(Channel Partners Conference & Expo 2019)

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皆さん、こんにちは!サーバーワークス・カリフォルニアオフィスの臼坂です。

今回は、先日参加してきた「Channel Partners Conference & Expo」についてブログを書かせて頂きます。

このカンファレンスは、2017年に銃乱射事件で有名になったラスベガスのMandalay Bayホテルで行われました。(時を同じくして、Atlassianのカンファレンスも同ホテルで行われていました。)

Channel Partners Conference & Expo概要

このカンファレンスは、IT関連のChannel(いわゆるリセラー、VAR(Value Added Reseller)や、コンサルタント、エージェントなど…)向けに特化していて、この手のカンファレンスでは一番大きなカンファレンスになっています。

今年は、272社のスポンサー企業が参加し、100人以上のスピーカーが登壇していました。

また、参加者は6200人にも上り、かなりの規模のカンファレンスです。

Keynote及びセッションにおける内容

米国におけるChannelの規模について、下記の説明がありました。

  • 約148,000社の企業が存在
    • 内209社が、従業員500+名以上の大企業
    • 1,615社が、従業員100-499名の中規模企業
    • 15,704社が、従業員10-99名の小規模企業
    • 130,435社が、従業員9名以下(個人事業も含む)の企業

また、Channelビジネスで働く人の給与が、米国平均で$104,024となっており、59%の企業が給与が上がると言っているとのこと。

基本的なメッセージとして、IT関連のChannel事業は順調であるという報告でした。

また、現在Public Cloudが非常に伸びており、Public Cloudへの事業シフトを行うことに関して、かなり推奨されていたのが印象的でした。

それとは別に、Colocation Service(いわゆるデータセンターのスペース売りのようなもの)なども伸びてきているとのことで、参入障壁が低いビジネスエリアとしての紹介等もなされていました。

少し興味深かったのが、Channelビジネスに従事する人の平均年齢が49歳と言う事で、やや年齢層が高いビジネスエリアになっていることでした。

また、Channelビジネスに携わっている人に対するアンケートで、何に対して注目していないかというところで、Machine Learning、AI、AR/VR、IoT、コンプライアンス等に対して、あまり注目していないということでした。Machine LearningやAIについては、まだChannelとして販売を行っていけるソリューションにはなっていないというのが見解でした。

Channel Partnerとして注目すべき3つのエリア

カンファレンスの中で、Channelパートナーが注目すべき3つのエリアについての説明がありました。その3つのエリアとは、下記の通りです。

  • Cyber Security
  • IoT
  • 5G

Cyber Securityに関しては、昨年一年間を見ても、サイバー攻撃の手法が巧妙になってきているとともに、その数が劇的に多くなっており、今後3年間は、ビジネスを守るためにサイバーセキュリティの充実が企業にとって最優先事項の一つとなるとのことでした。

IoTに関しては、2025年までに800臆ものデバイス接続されると予想されており、飛躍的にその使用が進み、この流れはその後も継続していくと見られているのことです。また、IoTを導入している企業の80%が、IoT導入により大きな効率化を得ることができており、今後IoTの導入に向け様々な企業が動いていくとのことでした。

5Gについては、データのレイテンシーが低くなり、データ転送速度が非常に早くなることによるリアルタイム性が高まるとともに、ネットワークの信頼性及びセキュリティが高くなることから、IoTへの用途に加え様々な用途での使用が見込まるとことから、非常に大きなビジネスチャンスであるとのことでした。

企業におけるITソリューションの導入の変化

昨今、色々なカンファレンスで触れられることでもありますが、企業におけるITソリューションの導入が、以前はIT部門が窓口となっていたが、今は各部門ごとでソリューションの導入へ変化してきているようです。これは会社における各部門に対して、ビジネスプロセスの効率化を求められるとともに、いかに生産性をあげるかといったことが求められるようになり、そのためのIT投資予算が、各部門に割り振られる形になってきている背景があるとのことです。

今や様々なサービスがSaaS化されており、簡単に導入ができるようになっていることも、IT部門が介在しない状況を後押ししているようです。

最後に

今回初めてこのChannel Partners Conferenceに参加しましたが、どのような分野が売れていて、どのような分野が今後伸びると考えられているかということを含め、米国におけるChannelの状況を知ることができました。

かなりの数が存在し、様々な形で企業との関わり合いをしており、米国の企業向けのソリューション提供の販路として上手く活用していくことができれば、日本で開発されたソリューションも米国内で展開していくことができると感じました。

今後、ChannelパートナーのM&Aや淘汰が進んで行くと考えますが、特に中小企業向けに関しては、IT人材不足からChannelパートナーの役割がより大きくなっていくと言う点では、今後も注目していきたいと考えます。