ファイルコピーツール「FastCopy」を使ってみた

記事タイトルとURLをコピーする

こんにちは。  
クラウドインテグレーション部技術4課の山﨑です。  
最近iQbeという電子メモ帳を購入しました。構成図をさっと描いたり、簡単なTODOリストを書くのに、ものすごく重宝しています。しかも、データがまったくデバイスに残らないので、セキュアで最高です。

さて、最近早くファイルコピー行うためにFastCopyというオープンソースのWindows用ファイルコピーツールを利用する機会があり、かなり使い勝手がよかったので、機能紹介してみようと思います。

FastCopyの公式サイトはこちらです。

1.FastCopyとは

 

FastCopyがリリースされたのは、2004年頃のようで、すでに10年以上使われているツールとなります。 用途としては、Windows標準のrobocopy同様、ファイルサーバーの移行やバックアップ等で利用されます。
FastCopyはWindows標準のrobocopyと違い、GUIで操作することができます。CUIでの操作に慣れていない方にとっては、すごく有り難いですね。ちなみにFastCopyではCUIも用意されていますので、バッチ処理などで必要な場合は、CUIをご利用ください。

幾つかFastCopyの特徴的な機能を列挙します。

  • GUI、CUIどちらもでも操作可能
  • コピーの完了時間の予測
  • コピー速度のコントロール
    • コピーの最中にコピー速度の操作が可能。一時停止も指定可能。
  • コピーで利用するバッファサイズの指定
  • 指定したファイル、ディレクトリの削除
  • 復元の無効化
    • 削除する前にリネーム後、ランダム値で上書きした後に、削除を実施する。
  • コピー終了後に終了処理の指定
    • シャットダウンやコマンド実行などができる。
  • 指定したメモリに、可能な限りコピー元を読み取り、その後、書き込みを行うため通常のファイルコピーよりも、オーバーヘッドが少ない。
    • 通常のファイルコピーは、読み込み、書き込みを順番に行なうため、切り替えがオーバヘッドとなりファイルコピーが遅くなる。

robocopyについての詳細は別途ブログを記載していますので、ご参照ください。

robocopy コマンドについて調べてみた

2.FastCopyを使ってみた

FastCopyは公式サイトよりダウンロードください。

https://ipmsg.org/tools/fastcopy.html

利用方法

1.解凍したフォルダに格納されている [FastCopy.exe] をクリックするとFastCopyが起動します。
ログはFastCopyを実行した際、同一のフォルダに [Log] というフォルダが作成されその中に格納されています。

2.[Source]にコピー元、[DestDir]にコピー先のフォルダを指定し、[実行]をクリックすれば、コピーが開始されます。
・ACLや副次Streamのコピーが必要な場合は適宜チェックボックスにチェックを入れてください。
・予測にチェックを入れると、コピー開始の前にファイルを確認し、予測時間が表示されるようになります。
・速度調整は、メイン画面右にあるバーをスライドすることで調整できます。一番左までスライドすると一時停止となります。

機能紹介

1.コピー動作の指定
メイン画面右側のプルダウンでコピー時及び削除時の動作を指定することができます。
同期及び移動オプションは、コピー元のファイルに変更かける場合があるので、ご利用の際は、ご注意ください。

①差分(上書きなし): 同じファイル名がある場合、コピーしない。
②差分(サイズ・日付) :  同じファイル名がある場合、サイズもしくは日付が違う場合のみ、コピーする。
③差分(最新日付) :  同じファイル名がある場合、日付が新しい場合のみ、コピーする。
④同期(サイズ・日付) : 同じファイル名がある場合、サイズもしくは日付が違う場合のみ、コピーする。 コピー元に存在しない、コピー先ファイル、フォルダをすべて削除する。(robocopyの/MR オプションと同様の動作)
⑤移動(全上書き) : 上書きコピーした後、コピー元を全削除する。
⑥全削除 : 指定されたファイル、フォルダを全て強制削除する。(=読み取り専用属性がついたファイルも属性をクリアした後、削除)

2.一般設定
メイン画面より、[設定]-[一般設定] をクリックすると一般設定のプロパティを開けます。
I/Oの設定やログの設定などは基本的な項目はこちらから設定します。
設定後、画面左下の [適用] をクリックすれば、設定を保存できます。


3.終了処理の指定
メイン画面より、[設定]-[終了処理(標準)]-[追加、変更、削除] をクリックするをプロパティを開けます。
ここでは、コピーや差分処理終了後、コマンド実行の指定やOSの動作の指定などをすることができます。

4.CUIを利用
FastCopyのexeファイルに引数を指定して実行することで、CUIからもFastCopyを実行できます。
<用法> 
 fastcopy.exe [/オプション類] file1 file2 ... [/to=dest_dir]
<例> 
  <インストールパス>\FastCopy.exe C:\Source /to=E:\destination
コマンドを実行すると指定した内容でGUIのFastCopyが起動してきます。
オプションの詳細は公式サイトに記載されていますので、ご参照ください。

最後に

FastCopyは、GUIで操作できるので、敷居がかなり低いと感じました。普段CUIを使ってなくても、差分コピーや同期コピーであれば、簡単に利用できます。オプションも豊富で細かく制御が可能です。
Windowsのファイル移行やバックアップの方法など考えておりましたら、FastCopyの利用を検討してみてはいかがでしょうか。

次回はFastCopyとrobocopyのコピー速度について、比較してみようと思います。