AWS re:invent 〜 米YAMAHAのデータセンター廃止と業務システムのAWS移行

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こんにちは、羽柴です。昨日食べた肉は最高でした。

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でもそろそろ寿司が食べたいです。好きな寿司屋は銚子丸です。

気を取り直してセッションレポート第二弾です。Yamaha Corporation: Migrating Business Applications to AWSをレポートします。

米YAMAHA社のAWS移行事例です。

まずはビジネス上の課題から

  • ハードウェアやインフラの運用において多くの時間とコストがかかっている
  • 新しいビジネスを行うにあたり十分なリソースがない

これらの課題を解決するためにいくつかの成功基準を策定しました。

成功基準

  • ITコストの低減
  • スピーディな開発環境
  • 新しいビジネスの創出に注力できる

その選択肢として、システムのアウトソース、ホスト型インフラ、クラウドを検討した結果、最もインフラ環境の柔軟なクラウドを選択したとのこと。

その結果

クラウドインフラとして Amazon Web Services 、マイグレーションとサポートのパートナーとして2nd Watch社を選択しています。RFPを2013年8月に出して、2013年11月に2nd Watch社が受注しています。

パートナーの選択基準

選択基準は以下のとおりとのこと。

  1. AWSにおける経験と実績があること
  2. エンジニアの質とプロジェクトマネジメントの能力があること
  3. YAMAHA社のアグレッシブなスケジュール通りに実行できること

3つめとか泣けてきますね。なんとなく。

ここで、2ndWatch社のサービスである2WCM3がどーんと出てきました。これはアセスメントから導入・運用までをワンストップで提供する手法のようです。

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データセンター排除までのプロセス

  1. アセスメント
    アプリケーションとその依存関係の見極め
    アプリケーション毎にそのタイミングと作業負荷の仕分け
  2. プラン
    アプリケーション毎のマイグレーションプラン策定
    ライセンスをそのまま移行するか変更するかのプラン策定
  3. デザイン
    概要設計
    詳細設計
    コスト分析
  4. インプリメント
    VPCを作りAMIsを作り、アプリケーションを移行しテストを行う
  5. マネージ
    オペレーションの移行
    SLAとコンタクトパスの策定

アセスメントとデザインの結果はこちら

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アプリケーション調査、ネットワーク構成の調査、セキュリティ要求の決定、マイグレーションプランを策定、バックアップおよびDR手法の評価を行ってます。

全システムのうちWindowsは77%、Windows2003でありAD, Exchange, SharePointなどが運用されています。LinuxはほとんどがOracle DB用でかなり大きなデータベースとのこと。

どのくらいで移行したか

  • 本番環境のDRを除くと、8週間で完了
  • 10環境、64サーバー
  • ほとんどがライブマイグレーション

マイグレーションに伴う障壁としては、やはりWindows2003であったことと、ディスクレイアウトの違いや、物理から仮想へのハードウェアの違い、相当量のデータ移行などがあったとのことです。

マネージドサービスサポート

本番環境は2nd Watch社のマネージドサービスを利用しており、監視・モニタリングをしてもらいつつバックエンドではAWSエンタープライズサポートに加入しています。SLAとして99.9%にて提供しているとのことでした。

その結果

AWSへのマイグレーションによって年間50万ドルのコスト削減に繋がっています。その内訳としてデータセンターコストやハードウェアリースコスト、ソフトウェアコスト、DRコストが大きいとのことです。

また、1人分のリソースを空けることができ新しいプロジェクトにアサインできています。これは、データセンター時に行っていた毎月のハードウェアリプレース作業がなくなったためでアジリティに貢献しています。さらに、インフラコストを日次で管理できるようにもなっています。

 

今後は、他地域のYAMAHAに対してもグローバルITを広げていきたいことと、ビジネス要件にしたがって素早く環境を提供すること、データドリブンの意思決定行っていくことを実現していきたいとのことでした。

感想

アセスメントから移行までを2ヶ月で行っていますので、YAMAHA社および2nd Watch社はかなり協力しながらプロジェクトをすすめていったのだと想像できます。2nd Watch社のプロジェクトマネジメントも素晴らしいですね、これは数多くのエンタープライズの実績が彼らのノウハウとなって2ndCM3を生みだし、成功に導いたのだと思います。私達も早く追い付きたいですね、がんばりまっす。

ではでは。