中二病でもAWSが使いたい

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皆さんこんにちは。舘岡です。 僕はあまり深夜アニメやライトノベルには詳しくないのですが、最近、巷では中二病という病気が流行っているようです。 中二病とはこの時期になると流行する風邪のような病気なのでしょうか、外から帰ったら手洗いうがいを心掛けた方が良さそうですね。 得体の知れない病気から体を守るには病気を知る事が必要な気がしたので、業務として中二病について調べてみました。

中二病?

僕が絶大な信頼を寄せるWikipediaにはこんな説明がありました。

中二病 - Wikipedia 〜引用〜 中二病(ちゅうにびょう)とは、中学二年生頃の思春期の少年少女にありがちな自意識過剰やコンプレックスから発する一部の言動傾向を揶揄した俗語である。名前に中二と付くが中二限定という意味ではなく大人にも使われる。「病」という表現を含むが、実際に治療の必要とされる医学的な意味での「病気」または「精神疾患」とは無関係である。 症例として不思議な・超自然的な力に憧れ、自分には物の怪に憑かれたことによる、発現すると抑えられない隠された力があると思い込み、そんなすごい力がある自分を格好いいと思い込んでいる。また、そういった設定のキャラクター作りをしている。 〜引用〜

また、Wikipediaと同じくらい信頼しているアンサイクロペディアにはこんな説明がありました。

中二病 - アンサイクロペディア 〜引用〜 正式名称は、発症しやすいと言われている中学二年生からとった、中学二年生症候群(ちゅうがくにねんせいしょうこうぐん、英:EGS, Eighth-Graders Syndrome)とされており精神医学用語の一つとして使われているが、一般的には中二病(ちゅうにびょう)で定着している。また、厨二病と表記されることもある。 症状が自然に完治するまで、2~600年ほどかかる可能性がある。また、治った後でも、症状がひどかった場合は残り末代までの恥となってしまう。 〜引用〜

どうやら体に害のある病気ではなさそうですが大人にも発症するようです。 しかも発症すると完治までに時間がかかったり、後遺症が残る事があるようです。 非常に恐ろしい病気であることが判明しました。 と、長々と前フリを書いてきましたが、今回は中二病なあなたにも分かりやすくAWSをご紹介します。

悪魔との魂の契約(AWSへのサインアップ)

闇の力を使う為には悪魔との魂の契約が必要になります。

まずは契約に必要な - 黒魔術台 - 悪魔に渡す名前 - 思念増幅糸 - 契約者の血 を揃えます。

〜〜現代語訳〜〜
AWSの各リソースを使用するにはAWSへのサインアップを行い、契約を完了させる必要があります。
サインアップには
- PC、Mac等
- 登録メールアドレス、電話番号
- インターネット回線
- クレジットカード
をご用意下さい。

必要なものを揃えたら精神を落ち着かせ、満月の夜に契約の呪文を唱えましょう。

〜〜現代語訳〜〜
ご用意出来たら満月の夜じゃなくても良いのでPC、Mac等の電源をON。

『我、汝と契約する者。我に耳を傾け、この血、この名前をもってその術を我に与えよ』

〜〜現代語訳〜〜
お好みのブラウザでhttp://aws.amazon.com/ にアクセスします。

この呪文の詠唱が正常に完了すると、あなたの目の前に魔王の使いが現れます。 魔王の使いはあなたが魔術を使いこなせるか質問をしてきます。 危険とは知りながら、僕もこのブログの為に悪魔と契約手続きをしてみました。

〜〜現代語訳〜〜
AWSのトップページが表示されたでしょうか。
利用には各種登録情報が必要です。
ここでは分かりやすいようにスクリーンショットを取得しました。

魔王の使いからの質問(AWSへの情報登録)

契約に必要なものを揃え、契約の呪文を唱えると以下のような景色が脳内に直接入り込んできます。

〜〜現代語訳〜〜
Webページが表示されます

魔王の使いはあなたの行動を見ています。 落ち着いて、魔王の使いにテレパシーを使って話しかけます。 魔王の使いが問いかけに応えると、契約の名前を聞いてきますので落ち着いて答えて下さい。

〜〜現代語訳〜〜
行動は見ていません。Webページが表示されるだけです。
画面上部のSign Upから登録を開始します。
登録に必要なEメールアドレスを入力してください。

魔王の使いに名前を伝えると、闇の世界での名前を決める事が出来ます。 闇の世界でのあなたの名前を伝え、魔王との血の約束を決める事で契約が進んでいきます。

〜〜現代語訳〜〜
お好みのアカウント名を決めて
ログインパスワードを決めます。忘れないように注意。

魔王の使いからの質問は続きます。 あなたの闇の名前、現世で所属している魔術組織、約束の地、悪魔の声を聞く耳を答えます。

〜〜現代語訳〜〜
Continueで登録を続けます。
名前、会社名や住所、電話番号を入力します。

あなたの潜在魔力が足りなかった場合、魔王の使いは魂の契約を止めてしまいます。
〜〜現代語訳〜〜
登録情報を適切に入力してください。適切に入力しないとエラーで処理が止まります。

魂の契約はあと少し。 魔王の使いは契約に必要なあなたの血を要求します。 正確には血を使わせる事を許可しないといけません。 魔術を使うにはそれなりの代償が必要なのです。

〜〜現代語訳〜〜
AWSは基本的にクレジットカード決済です。
AWSリソースを使用した分だけ料金が請求されます。
ご利用は計画的に。

以上で魂の契約は締結されました。 これであなたの邪王真眼は目覚め、闇の魔術や召喚魔法、並行世界との行き来が可能になりました。

〜〜現代語訳〜〜
AWSへのサインアップは完了して
各種リソースの使用や接続が出来るようになりました。
(本当はこの手順の後にコールバック認証が入りますがめんどいので省略)

いでよ!!ダークエルフ!!(EC2の使い方)

世界を暗黒の炎で埋め尽くす第一歩として召喚魔法を覚えましょう。 あなたの世界征服を手助けするのがダークエルフ。

〜〜現代語訳〜〜
EC2の基本的な操作方法を覚えましょう。
EC2はAWSの代表的なサービスです。

ダークエルフはあなたの手となり足となり、この世界を暗黒の炎で埋め尽くす事でしょう。 ダークエルフを召還するには地面に魔法陣と魔術を書き込むか、召喚魔法を詠唱する必要があります。

〜〜現代語訳〜〜
EC2はIaaSで各OSリソースを提供します。
EC2に限らずAWSリソースを使用するためにはManagementConsoleから操作するか、各種APIから操作します。
AWS API Toolsの環境設定はGoogle先生に聞けば良いんじゃないでしょうか。

試しにダークエルフを呼び出す召喚魔法を唱えてみましょう。

〜〜現代語訳〜〜
EC2インスタンスをAPIから起動してみましょう。

『いでよ!!ダークエルフ!!』

〜〜現代語訳〜〜
 ec2-run-instances 

失敗しましたね。 これはあなたの魔力が足りないわけではありません。 ダークエルフを召喚するには魂の契約宣言、呼び出す属性や数、呼び出す主となるダークエルフ名、呼び出す場所を指定するなど、後述詠唱が必要です。 それでは改めてダークエルフを正しい詠唱方法で召喚してみましょう。 後述詠唱の順序には決まりがありません。

〜〜現代語訳〜〜
適切に引数が設定されていないとエラーを出力して終了します。
各種ID情報、インスタンスタイプや数、AMIの指定、RegionやAZを指定しないとAPIはエラーを返します。
本当は鍵情報とかSecurityGroupとか設定しますが面倒なので割愛します。
正しいオプションで再チャレンジ。
オプションの順番は気にしなくてもAWS側がうまい事やってくれます。

『我、この血の盟約を以って汝を呼ぶ。闇の中の闇、ダークエルフ王アルゼディウスの名において命ずる。小さな闇、すみやかに、この場に、いでよ!!ダークエルフ!!』

〜〜現代語訳〜〜
$ ec2-run-instances AMI名 -k キーペア -n 個数 -t インスタンスタイプ --region リージョン指定

いかがでしょうか。 召喚魔法は詠唱後に少しの時間が必要です。ダークエルフも平行世界からこちらの世界に来るのに準備が必要ですからね。 ダークエルフを呼び出すと代償としてあなたの血が少しずつ奪われます。

〜〜現代語訳〜〜
EC2に限らずAWSの各種サービスは起動やサービス開始までに数分時間を要する場合があります。
EC2は起動する事によって従量課金が発生します。

恐ろしい事にダークエルフの王すらも呼び出す事が出来ます。 『貴様、なかなかやるな。本当はまだ隠しておきたかったんだが...仕方がない。くらえ!うおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉ!!』という奥の手を出す時にはダークエルフの王を呼び出して相手に圧倒的な力の差を見せつけてやりましょう。

〜〜現代語訳〜〜
研究機関などで使われるハイCPUインスタンスも起動できます。
CPUパワーが必要な処理はハイCPUインスタンスを使うなど、効率良くEC2インスタンスを選択してください。

もちろん、代償となるあなたの血が大量に吸い取られるのでご注意ください。 ダークエルフは一度召喚するとあなたの命令があるまで全てを破壊し続けます。 『クッ...!血が足りねぇ...!!』という場合には次の魔法でダークエルフを地獄に戻します。

〜〜現代語訳〜〜
インスタンスサイズによって金額が異なります。
EC2インスタンスは明示的に停止をしない限り基本的には起動し続けます。
利用料金を抑えたい、もう使わなくなったという場合には以下のAPIから削除します。

『我、この血の盟約を以って汝を闇に還す。去れ!!ダークエルフ!!』

〜〜現代語訳〜〜
$ ec2-terminale-instances インスタンスID

これでダークエルフは地獄の底に帰っていくはずです。 大量のダークエルフを一度に呼び出す事も可能ですが、あなたの体から血はどんどん抜かれ、死に至るという事を忘れないで下さい。

〜〜現代語訳〜〜
処理が完了するとEC2インスタンスは完全に削除されます。削除するとデータの復旧は出来ないのでご注意下さい。
何度も言うようですが、ご利用は計画的に。

エターナルフォースブリザードォ!!(S3の使い方)

闇の魔術はまだ全てが解明されている訳ではありません。 ここではそんな魔法の一つ「エターナルフォースブリザード」を紹介します。 エターナルフォースブリザードは地上にある万物を凍らせ、平行世界に吸い込んでしまう恐ろしい魔法です。

〜〜現代語訳〜〜
EC2以外にもたくさんサービスがあります。
ここではAmazon Simple Storage Service(S3)というオンラインストレージサービスをご紹介します。
S3はどこからでも利用出来き、堅牢性の高い非常にスケーラブルなストレージサービスです。

その平行世界に吸い込まれると術者が指示をするまで時間という概念の無い平行世界を彷徨い続ける事になります。 恐ろしい魔法ですが使い方次第ではダークエルフを平行世界に閉じ込めたり、手に入れた魔具を保存しておく事が出来る便利な魔法です。

〜〜現代語訳〜〜
99.999999999%の堅牢性が保たれたストレージサービスで、アップロードしたファイルは複数のデータセンターに保存されます。
ストレージサービスだけでなく、簡易WebサーバやEC2インスタンスのイメージ保存など便利な機能が盛りだくさん。

魔法陣と術式を書いてエターナルフォースブリザードを使う事も出来るのですが、魔具の一つである"絶望の指輪"を媒体として使うとより素早く魔法を使う事ができます。 絶望の指輪は忘却の大陸ヤームのどこかにあると言い伝えられています。 運良く絶望の指輪を手にした者は次の呪文を詠唱するだけでエターナルフォースブリザードが発動すると言われています。

〜〜現代語訳〜〜
ManagementConsoleからも操作できますが、"s3cmd"というツールを使うと非常に便利にS3を使う事が出来ます。
AmazonLinuxであればs3cmdはyumコマンドでインストール出来ます。
yumでインストールし、configureでアクセスキー等を設定出来たら以下のように実行します。

『すべての理の彼方、闇を集めて輝け。エターナルフォースブリザードォ!!』

〜〜現代語訳〜〜
$ s3cmd put ファイル名 s3://バケツ名/ディレクトリ

瞬く間に平行世界への扉が開かれ、あなたの目の前のものが全て吸い込まれていくことでしょう。

〜〜現代語訳〜〜
手元にあるファイルがS3の指定した場所にコピーされます。正確には吸い込まれるという表現はおかしいですね。
他にも便利な使い方がs3cmdにはあるので色々調べてみてください。

この光は...まさか...バカなぁああああああああ!!!!!(まとめ)

いかがでしょうか。 中二病患者のあなたやあなたにも分かりやすく翻訳してみました。 これでAWSのハードルがグッと下がりましたね。 あ、いや、ボス、何度も言ってるじゃないですか。冗談ですよ、冗談。そんなに怖い顔しないで。

光がある限り闇もまた存在する...(あとがき)

正直なところ、日本語を日本語に翻訳するのがこれほど辛いものとは思いませんでした。 本当はCloudFormationとか紹介しかたったのですが力尽きました。しんどい。 僕自身も「伝説の...」とか「ギリシャ神話に出てくる...」というフレーズは大好き大好物なんですが、会社のネタブログとしてはキツイものがありました。 事実、今回のブログ執筆開始からリリースまで約1ヶ月程時間を要してしまいました。 全体を通して表記揺れどころか心が揺れて何を書ききったのか良く分からないけど不思議な高揚感に包まれています。 次回は何をテーマにブログを書こうかなー。