動画配信をしたいなら、まずはここから!

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こんにちは。 営業の中嶋です。

最近、東京でも30℃を超す日が続いていますが、「あついぞ!熊谷!」で有名な私の出身地である埼玉県熊谷市も相変わらず連日猛暑日です。
ですが、暑さを売りにするために生まれた「雪くま」はとっても美味しいので、この夏ぜひ食べに来てください。
 
さて、最近AWS導入のご依頼をいただく中で、特に動画配信の案件が増えてきているように感じます。
動画配信をAWS上で行いたい理由として、以下のようなお話をよく聞きます。
  • ・アクセスが急増しても止まらないサービスを提供したいから
  • ・簡単に動画配信をしたいから
  • ・運用コストを抑えたいから
これらの要望に応えるために、AWS上での動画配信は様々な構成が用意されていますが、それぞれどのような構成が最適なのでしょうか。
そもそも動画配信の基本的な知識がないと最適な構成が選択できません。
そこで本エントリーでは、動画配信の基本からおさらいしようと思います。
 

目次

  1. 1.コンテナとは
  2. 2.動画配信技術の種類
  3. 3.ダウンロード方式
  4. 4.プログレッシブダウンロード方式
  5. 5.専用プロトコルストリーミング方式
  6. 6.HTTPストリーミング方式
 

コンテナとは

動画データは、静止画とは異なり映像データや音声データが必要です。
さらに、動画データ全体の情報(再生時間やエンコード形式や転送ビットレートなど)がないと再生することができません。
このように動画を再生するためにまとめたものを "コンテナ" と呼びます。
実際の動画データの前後に動画データ全体の情報が書かれ、動画データはデータ・パケットという形に分割されて入っています。
コンテナには様々な種類があり、コンテナの種類を表すものが拡張子になります。
(例 FLV:Adobe Flashで使われるコンテナ、MOV:QuickTimeの標準コンテナ など)
コンテナのイメージ
このコンテナの取り扱い方によって、ダウンロード方式とストリーミング方式で再生方法が変わってきます。
 

動画配信技術の種類

以下の4つの方式があります。
  • ・ ダウンロード方式
  • ・プログレッシブダウンロード方式
  • ・専用プロトコルストリーミング方式
  • ・HTTPストリーミング方式
次から、詳しく説明していきます。
 

ダウンロード方式

<特徴>
HTTPを使用する
クライアント側に配信データが残る
<メリット>
HTTPを使用するため、キャッシュが利用できサーバの負担が軽減される
Webサーバのみで配信可能である
<デメリット>
配信データを全てダウンロードしないと再生されない
オンデマンド配信のみの対応である
ダウンロード方式のイメージ

プログレッシブダウンロード方式

<特徴>
HTTPを使用する
配信データの一部分のダウンロードが完了した時点から追っかけ再生を行う
クライアント側に配信データが残る
YouTubeの配信で利用されている
<メリット>
標準のダウンロード方式よりも再生開始が早い
Webサーバのみで配信可能である
HTTPを使用するため、キャッシュが利用できサーバの負担が軽減される
<デメリット>
ストリーミングとは異なり、再生を飛ばすことはできない
オンデマンド配信のみの対応である
転送速度の指定はできないので、配信効率はやや劣る
プログレッシブダウンロード方式のイメージ
プログレッシブダウンロードはダウンロードできたパケットから順次再生していきます

 

専用プロトコルストリーミング方式

<特徴>
動画配信時には標準プロトコル(RTSP)や独自プロトコル(Flash系プロトコル、Windows系プロトコル)を使用するが、クライアントからの最初のリクエストではHTTPを使用する
※Flash系プロトコル:RTMP、RTMFP  Windows系プロトコル:MMS
クライアント側に配信データが残らない
<メリット>
配信データを受信しながら再生するので再生の開始が早い
再生/一時停止/早送り/巻き戻し/停止が自由に行える
オンデマンド配信、ライブ配信の両者に対応可能である
<デメリット>
Webサーバの他にストリーミングサーバが必要である
導入のハードルが高い
専用プロトコルストリーミング形式のイメージ

HTTPストリーミング方式

<特徴>
HTTPを使用する
サーバ側に専用の配信ソフトウェアや独自の配信ファイルが必要となる
<メリット>
Webサーバのみで配信可能である
HTTPを使用するため、キャッシュが利用できサーバの負担が軽減される
クライアント側に配信データが残らないようにできる
配信データを受信しながら再生するので再生の開始が早い
再生/一時停止/早送り/巻き戻し/停止が自由に行える
オンデマンド配信、ライブ配信の両者に対応可能である
<デメリット>
Webサーバで配信するため専用プロトコルストリーミングに比べ、パフォーマンスは低下し視聴者数は絞られる
HTTPストリーミング方式のイメージ
RTSPとRTPを使い分けていた専用プロトコルストリーミング方式とは異なり、すべてHTTPで行います

まとめ

このように比べてみると、再生開始が早いストリーミング方式は魅力的で、特にキャッシュによってサーバの負荷が軽減されるHTTPストリーミング方式が利用しやすいと考えられます。
次回はどのような要望の場合に、どのような構成が適切かを解説していきます。
まだまだ夏はこれからですので、熱中症にはご注意を!